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プロボックスで車中泊

トヨタプロボックスの写真 プロボックスは、トヨタ自動車が製造・販売しているライトバンです。 いわゆる商用車の部類に入る貨物自動車で、会社の営業車としてよく使われています。

私はプロのカメラマンですが、撮影の機材運搬用としてプロボックスを愛用しています。 天体撮影の仕事では、数多くの機材運搬しなければなりませんが、 プロボックスは荷室が広いので重宝しています。

また、車中泊でもプロボックスを活用しています。 プロボックスは、車中泊をする方から人気がある車のようで、レジャー用として使われている方もいらっしゃるようです。 そこで、車中泊や乗り心地など、プロボックスの気になる点を中心にご紹介したいと思います。

プロボックス NCP160V

私が乗っているプロボックスは、2014年9月に発売が開始されたマイナーチェンジ後のモデルです。 前モデルと比べると、マイナーチェンジで前輪サスペンションのレイアウトなどが変更されたため、 乗り心地や直進安定性等が向上しているようです。

現行のプロボックスには、4種類のグレードが用意されていますが、 私は一番グレードの高い「F」のモデルを選びました。 Fグレードには、1.5Lエンジンが採用されています。 四輪駆動モデルも用意されていますが、雪道は走ることが少ないと思ったため、 少しでも燃費がよい2WDモデルを選びました。

ボディカラーは6色用意されています。 プロボックスと言えば、営業車としてよく走っているホワイトが定番かもしれませんが、私の車はダークブルーです。 落ち着いた色合いで、Fモデルにはホイールキャップが標準装備されていることもあり、 一見、普通車に見えるかもしれません。 なお、サクシードという兄弟車がありますが、販売系列とグレードの設定が異なるだけで、 車自体はプロボックスと全く同じようです。

プロボックスで車中泊

車中泊用の車としては、ハイエースをはじめとしたワンボックスタイプの車が人気のようですが、 プロボックスも荷室が広く平らなので、車中泊に使いやすい車だと思います。

プロボックスの後部座席のシートを前に倒すと、180cmを超えるフラットな荷室があらわれます。 アウトドア向けの普通車や、軽自動車によく用意されているフルフラットモードと比べ、 荷室には段差や傾きが全くないので寝やすいです。

トヨタプロボックスの車内写真

上の写真は、後部座席を前に倒してフラットにした時の写真です。 荷室だけで約180cmの長さがあり、前席シートを一番前までスライドすれば、 2m程度の空間を確保できます。 下画像は、身長163cmの大人が荷室に横になったところです。 この程度の長さがあれば、大人の男性でもゆったりと横になれると思います。

プロボックスでの車中泊写真

ちなみにFグレードの場合は、後部座席の座面を取り外すことができるので、 他のグレードで後部座席を倒したときと比べて、前の座席との干渉が少なくなり、 より荷室を効率的に使うことができます。 車中泊用としてプロボックスを選ぶなら、現行モデルでは、Fグレードがお勧めだと思います。

私は機材を運ぶ必要があるため、イレクターで作った自作テーブルを、 下写真のようにバックドア付近に固定して活用しています。 プロボックスの荷室高さは約93センチあるので、こうした高さのあるテーブルも置きやすく助かります。 また、車中泊時、荷室で座って作業や食事をしていても、頭が天井に当たらないので快適です。

イレクターで作った車中泊用のテーブル

ちなみに車の中で寝るときには、長さ約180センチのキャンピングマットをプロボックスの荷室の片側に敷いて、 その上で横になって仮眠しています。 先ほども述べましたが、プロボックスの荷室はフラットで、身体を伸ばして寝ることができるので快適です。 なお、荷室の幅は最大140センチほどありますので、大人二人が横になって寝られる広さだと思います。

ところで、旅先でお会いしたプロボックスユーザーの方に車内を見せていただくと、 車中泊用として、イレクターで車中泊用のベッドを自作されている方もいらっしゃいました。 ユーザーのアイデア次第で、工夫し甲斐のある車だと思いました。

プロボックスの乗り心地と車内騒音

プロボックスのタイヤ 購入前にネットで調べると、プロボックスの乗り心地は悪いという口コミが多かったのですが、 実際に試乗して走ってみると、それほど悪くはありませんでした。

タイヤが貨物用のタイヤのため、路面の凸凹を少し拾ってしまいますが、 以前乗っていたデミオよりも乗り心地はマイルドで、路面から伝わる感覚も悪くないと思います。

また、足回りはしっかりしており、コーナーを曲がる時のロールも少なく、全体的にボディの剛性が感じられます。 プロボックスの購入時に迷ったハイエースの少しフワっとした乗り心地と比べると、 プロボックスの方が運転の楽しさを感じられると思います。 実際、高速道路を走っても安定感が感じられ、しっかりと作られた車だと思います。

一方、車内の騒音は、普通車に比べて大きめです。 エンジンは低回転では比較的静かですが、アクセルを少し踏み込むと、かなりうるさく感じられます。 エンジンルームの音も車内に入ってきます。

ロードノイズも普通車に比べて大きいと思います。 特に高速道路を走ると、貨物用のタイヤということもあり、タイヤからの音がうるさく感じられます。 慣れると気にならなくなってきますが、走行中の騒音が気になる方には、お勧めしにくい車です。

プロボックスの燃費

プロボックスのエンジン プロボックスのカタログ燃費は、JC08モードで18.2km/Lです。 実際に走行したときの実質燃費はどれほどなのか、今まで走ってきて得られた実質燃費を簡単にご紹介します。

自宅から隣の市内を走り、また自宅に帰ってくる、という街中ルートを走った場合、実質燃費は約15km/Lでした。 渋滞が多いともう少し悪くなりますが、平均すると15km/L前後は走ってくれます。

高速道路を時速90キロ前後で巡航すると、燃費は22km/L前後までよくなります。 アップダウンが少ない道路で、時速80キロ前後の速度で走れる場合は、25km/L前後までのびたこともありました。 しかし、時速100キロを越すと、燃料消費率がとたんに悪くなり、20km/Lを切ってしまいます。 ガソリン代を考えると、時速100キロ未満で走る方が良さそうです。

プロボックスの燃費は、プリウスをはじめとしたハイブリッド車と比べると悪いですが、 ガソリン車ということを考えると、燃費は良いほうではないでしょうか。 以前、撮影機材の運搬に使っていた同排気量のデミオよりも燃費が良くなったので、個人的には満足しています。

運転席周り

プロボックスのインテリア 運転席の周りには、スマホなどを置けるマルチホルダーをはじめ、 実用的な収納ボックスが装備されています。 マルチホルダーは便利で、携帯やスマホを収納するのに重宝しています。

運転席と助手席との間には、収納式のテーブルが装備されています。 テーブルは、コンビニの弁当やノートパソコンなどが置けるので便利ですが、 運転席からは若干遠く、腕を伸ばさないと届かないのが少々残念です。

運転席のシートは、身体を包み込むしっかりしたもので、長時間運転でも快適です。 以前乗っていたデミオのシートは小さく、腰がすぐ痛くなりましたが、 プロボックスに変えてからは腰が楽になりました。 普通小型車のシートは若干窮屈に感じられるケースが多いので、プロボックスを見習って欲しいほどです。

一方、助手席はシートは運転席と同じものが採用されているものの、 エアコン部分が助手席側に飛び出しているため、足下が少し狭くなってしまっています。 小柄な方なら問題ないと思いますが、男性だと脚が当たって窮屈に感じられると思います。

また、貨物自動車なので後部座席は狭く、大人の男性が長時間座るのは辛いと思います。 Fグレード以外の後部座席には、ヘッドレストも付いていませんので、 大人3人以上が乗って長距離移動する用途には、不向きと思います。

プロボックスと天体撮影機材

プロボックスは荷室が広いので、大型の天体望遠鏡でも積み込むことができます。 実際、タカハシε-250鏡筒とペンタックスMS-5赤道儀のセットに加えて、 ビクセンSXP赤道儀とビクセンVSD100望遠鏡を積んで撮影に出かけたことがあります。

振動で光軸がずれやすい望遠鏡本体や赤道儀は、ウレタンマットの上に置き、ベルトで固定して運搬しています。 カメラやカメラレンズは、カメラバックに入れ、 赤道儀のコントローラーをはじめとした電子機器は、 アイリスオーヤマ製のBOXコンテナに整理して運んでいます。

プロボックスと天体撮影機材

上画像に写っている機材は、タカハシTOA-130望遠鏡とビクセンAXD赤道儀です。 屈折望遠鏡としては、かなり大きな撮影機材ですが、一式を車に積み込んでも横で寝ることが可能です。 天体撮影を楽しむ天文ファンの移動用としても、使いやすい車だと思います。

まとめ

私はプロボックスを撮影機材の運搬や撮影ロケに使用していますが、 いわゆる5ナンバーサイズの車なので、街中でも取り回しがしやすく、 普段乗りでも運転しやすい車だと思います。

また、車がしっかりしており、長時間運転していても疲れにくく、安心感があります。 エンジン音が大きめで、ロードノイズを拾ってしまうのは残念ですが、 価格を考えると、お買い得な車ではないでしょうか。

荷室がフラットで広いので、車中泊用としても使いやすい車だと思います。 ちなみに、マイナーチェンジ前のプロボックスには、ワゴンの設定(5ナンバー)がありましたが、 現行モデルはその設定がなくなり、全て4ナンバーのみとなりました。

ワゴン設定がなくなったのは残念ですが、現行のFグレードは後部座席の座面を取り外せるので、 荷物を後ろに積んでいても、前の座席の背もたれを倒しやすくなり、 荷物の積載時や車中泊時の使い勝手が向上していると思います。

4ナンバーの車ですので、 初年度を過ぎると車検が毎年になってしまうのは面倒ですが、その点が気にならなければ、 ファミリーユースや車中泊目的の車としても重宝する一台ではないでしょうか。

トヨタ プロボックス 1.5Lのスペック

名称 トヨタ プロボックス F (2WD)
車両重量 1,090kg
全長 4,245mm
全幅 1,690mm
全高 1,525mm
エンジン形式 1NZ-FE、1,496cc、直列4気筒DOHC
エンジン最高出力、トルク 80kW、136Nm
燃料、タンク容量 無鉛レギュラーガソリン、50L
燃料消費率 18.2km/L(JC08モード)
タイヤ 155/80R14 88/86N LTタイヤ
ホイール 14×5J スチールホイール
メーカー希望小売価格 1,583,673円(税込み)(2016年4月)

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