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タカハシNJP Temma2赤道儀

タカハシNJP赤道儀 タカハシNJP赤道儀は、高橋製作所の数ある赤道儀の中でも愛用者の多い赤道儀です。 NJPはJPや160JP赤道儀の後継となる機種で、自動導入機能が追加されて、NJPTemma2赤道儀になりました。

製造が始まって以来、約30年の歴史があったNJPシリーズですが、最終型のJP-Z赤道儀の生産が2008年に終了しました。 これからNJP赤道儀を手に入れようという場合は、中古市場で探すしかありません。

タカハシNJP赤道儀の魅力は、精度の良さと質実剛健さと言えると思います。 赤道儀自体の重さは25キロほどと、同じく人気の高い同社のEM200赤道儀よりも10キロほど重くなっています。 その分、最大搭載重量は約30キロまで増えていて、市販されているたいていの天体望遠鏡を積載することが可能です。 また、最近は自動導入機構が付いたために価格が上がってしまいましたが、 以前は性能に対するコストパフォーマンスが特に優れた赤道儀と言われていました(1996年当時、モーター別売りで36万円程度でした)。

私のNJPTemma2赤道儀は友人から譲り受けたもので、もともとはスカイセンサー仕様のNJP赤道儀でした。 この赤道儀は天文ファンの間で人気がありましたから、アストロスケールのエンコーダーが取り付いたモデルや、 上記のスカイセンサーPCモデルなど、様々な派生モデルが望遠鏡販売店で用意されていました。


抜群の追尾精度

NJP赤道儀を手に入れるまでは、同じ高橋製作所のEM200赤道儀を主に撮影に使用していました。 初めてNJP赤道儀を天体撮影に使ってみた時、EM200赤道儀よりも一段と追尾精度が高いことを実感しました。 オートガイド撮影に使ってみると、EM200よりもエラーの量は格段に減っていましたので、 その時「さすがはNJP赤道儀だな」と思ったのを覚えています。

また、NJPの自重自体があるので当然なのですが、EM200赤道儀と比べてどっしりとした安定感がありました。 その上、赤経のウォームホイルの歯数が240枚と多いのもNJPの魅力でしょう。 一方、赤経方向と比べると、赤緯軸は若干細いため不安が残ります。 特に赤緯方向のバランスが崩れていると、オートガイドでエラーが頻発するようで、その点は気をつけて使用しています。 赤緯軸はウォームホイルの歯数も144枚と赤経軸に比べて少なく、この赤緯軸がNJP赤道儀の弱点と言えるのかもしれません。


NJP赤道儀のピリオディックモーション

NJPのピリオディックモーション 最近、タカハシ製の赤道儀のカタログには記載されなくなりましたが、以前の資料によれば、NJP赤道儀のPモーションは±4秒以内。 天頂付近で500mmレンズのノータッチガイドが可能と書いてありました。

せっかくなので、自分のNJP赤道儀の精度を調べてみようと、TOA130S望遠鏡を取り付けて実際にピリオディックモーションを撮影、 測定したところ、私のNJP赤道儀のモーションは±5秒程度でした。右上の画像が私のNJPのピリオディックモーションです。 これ程度のエラーであれば、十分よい精度であると言えるのではないでしょうか。


NJP赤道儀の極軸望遠鏡

タカハシNJP赤道儀 NJP赤道儀に付属する極軸望遠鏡は、時角の計算が必要となるモデルです。 EM200のような早見タイプの極軸望遠鏡スケールが簡単でよいのですが、NJPは昔から時角計算が必要な極軸望遠鏡が付属しています。

この極軸望遠鏡は、P2Z赤道儀ほどではありませんが、若干覗きにくいのが難点です。 また、赤道儀の傾斜角微動に六角レンチが必要なことも残念な点です。 遠征先でそのネジに合う六角レンチを忘れてしまったら、極軸合わせができなくなってしまいます。 方位微動の範囲もとても小さいので、赤道儀設置の際には注意が必要です。


移動するには大変な赤道儀

元々据え置き型赤道儀として設計されたのかもしれませんが、郊外に持ち出して使用するには使いづらい点がいくつかあります。 上記しましたが、極軸合わせのしづらさは遠征先ではマイナスになります。 良く知っている撮影地ならば問題ありませんが、初めて訪れた場所では正確な北方向がよくわかりません。 そのため、暗くなる前に赤道儀を設置して、北極星が出てから北の方向が大きくずれていたことを気づいたとき、 赤道儀を一度分解して方位を合わせ直すことが必要になることがありました。

また、三脚やピラー脚との接合は3本のM10ネジで行いますが、これが気を遣う作業です。 NJP赤道儀の底は平らになっているので、赤道儀を載せた後、素早く六角レンチでこのネジを止めて固定しなければなりません。 しかしNJP赤道儀は重量がある上にバランスが悪く、手を離すと落下しそうになってしまいます。 ですので、赤道儀をピラーに載せる際には、いつも細心の注意を払う必要があります。 NJP赤道儀は重量があるので、EM200のように下からネジ一本で止めるというわけにはいかないのかもしれませんが、 できれば改善してもらいたかった点です。

その他には、鏡筒を取り付ける架頭部分の中央が飛び出ていて、凸凹しているのも残念な点です。 中央が飛び出ているので、マルチプレートなどをそのまま取り付けることができません。 以前は、いわゆるドーナツプレートというスペーサーを使ってマッチプレートを取り付けていましたが、 今は便利グッズのページに載せている、協栄産業さんで製作してもらった変換プレートを使用しています。


ストレートシャフト

タカハシNJP赤道儀用ストレートシャフト NJP赤道儀用の純正バランスウェイトシャフトは、ねじ込み式です。 ネジ式は重いバランスウェイトが不用意に落ちることがないので、機材をドーム内などに設置する用途に向いています。 しかし、遠征撮影のような用途では、機材の設置・撤収の都度ウェイトを回して取り付け、取り外さなければならず、 撮影者に大変な労力がかかります。

その機材設置の負担を減らすため、ほしぞら工房さんにてNJP用ストレートバランスウェイトシャフトを作っていただきました。 シャフトは総ステンレス製のため丈夫です。 その上、ウェイト棒の長さも550mmと純正に比べて長くなっているため、少ないウェイトでバランスを取ることができ、 一層便利になりました。 なお、バランスウェイト自体もねじ式のままでは使用できませんので、 ストレートシャフトの製造を依頼した際に、ウェイトのネジ穴をストレート穴に変更していただきました。

ちなみに、2007年に発売されたJP-Z赤道儀には、EM400赤道儀と同じストレートシャフトが使われています。 赤道儀と三脚との取り付け部分も変更されていて、EM-400赤道儀のように組み立て後でも方位回転ができようになっています。


回転台座

タカハシNJP赤道儀用回転台座 他の赤道儀に比べ、NJP赤道儀の水平微動の幅は狭いため、 明るい時間に赤道儀を設置してから北極星の位置がずれていることに気づくと、 全体を持ち上げるか、一度、天体望遠鏡を下ろしてから方向を修正する必要がありました。

赤道儀は大変重く、持ち上げるのには危険が伴うので、 水平微動が可能なパーツをテレスコ工作工房さんに作っていただきました。 右上がそのパーツの写真です。 2分割式になっていて、下側のパーツをまず三脚やピラー脚に固定します。 パーツはテーパー構造になっていますので、上側のパーツをはめ込み、 周囲に取り付けられた3本の固定ネジで固定します。 これなら赤道儀を上に載せた状態でも、3本のネジを緩めることで、方向を変えることができます。

なお、最終型のJP-Z赤道儀は、ピラー脚との接合部分がEM-400赤道儀と同じ構造になっているため、 ネジを緩めれば方向を変えることが出来ます。 ウェイトシャフトもストレートになっていますし、JP-Zは、 ユーザーの声を取り入れたNJPシリーズの完成型と言えるかもしれません。


無骨な赤道儀

いろいろとネガティブなことも書いてしまいましたが、NJP赤道儀は現在でも最高の精度を持つ赤道儀の一つです。 基本構造が設計されたのが古いため、最新型の赤道儀と比べると、 後付のモーターが出っ張っていたりとスマートさに欠ける部分はありますが、 職人がまじめに作った赤道儀という印象です。 その無骨さが私には魅力に感じます。

現在は、タカハシEM-400という2分割式の上位モデルが高橋製作所から発売されていますが、 このNJP赤道儀は、まだまだ天体写真ファンの間で高い人気を維持していくと思います。

タカハシNJPTemma2赤道儀のスペック

名称 NJPTemma2
赤経ウォームホイル歯数 244
赤緯ウォームホイル歯数 144
赤経ウォームホイル径 144mm
赤緯ウォームホイル径 86mm
極軸望遠鏡 固定内蔵式 11倍
傾斜可能角度 25-48度
電源 DC12V/DC24V
駆動周波数 200PPS
自動導入速度 175/350倍
搭載重量 30キロ
本体質量 25キロ

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