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天体望遠鏡の選び方

「月のクレーターや土星の環を自分の眼で観望してみたい!」と思うようになると、 欲しくなるのが天体望遠鏡です。 しかし、天体望遠鏡には様々な価格の製品があって、いい加減な作りの望遠鏡を購入すると、 作りが粗雑すぎて期待通りに見えないことが起こります。

このページでは、私の経験から天体望遠鏡購入時にチェックすべき点や、お勧めできる製品を書いています。 わかりやすい表現で書いていますので、天体望遠鏡の選び方のページが、望遠鏡ご購入時の参考になれば幸いです。

高倍率アピールの天体望遠鏡は避けよう

安価な天体望遠鏡のイメージ 天体望遠鏡は玩具の一ジャンルというイメージがあるためか、 オモチャ屋さんや通信販売等を通じて、非常に安価な製品が販売されています。 これらの製品は、たいてい倍率の高さを売り文句にしており・・・

「超高倍率!250倍で土星の環がよく見える」

などと広告に書かれています。 このような天体望遠鏡は、天体観測にお勧めできる望遠鏡でしょうか。

まずはじめに、天体望遠鏡を使ったことがない方は、どうしても倍率を気にしてしまいがちです。 実際、私も初めて望遠鏡を買うまではそうでした。 高い倍率の方が、夜空の小さな星を大きく見れそうですものね。

しかし倍率を上げると言うことは、見える像がだんだん暗くなると言うことで、無限に倍率を上げることはできません。 また、倍率を上げれば、星がよく見えるというわけでもありません。 それよりも対物レンズの大きさ(一番前のレンズの大きさ)が重要です。 この対物レンズが大きいと、たくさんの光を集めることができます。 星の光は淡いですから、たくさん光を集めた方がよく見えるのです(この光を集める能力を「集光力」と呼んでいます)。

たくさん光を集めれば、望遠鏡が作り出す像も明るくなるので、倍率を高くすることができます。 それに、そもそも天体望遠鏡の倍率は、接眼レンズというレンズを交換すれば、ユーザーが自由に変更可能です。 ですから、購入するときに倍率は、それほど気にする必要はありません。

となると、こういった高い倍率だけを売り文句にしている天体望遠鏡は、 少々怪しい製品だと言うことがわかると思います。 こういう天体望遠鏡は、たいていの場合、買っても期待通りの性能が発揮できない製品であることが多いのです。

天体望遠鏡は高いの?

天体望遠鏡のレンズ 倍率を売り物にする安い天体望遠鏡は、駄目と言うことはわかりました。 ということは、天体望遠鏡の価格は高いものなのでしょうか。

天体望遠鏡は、カメラレンズや眼鏡と同じ「光学製品」の一つです。 カメラレンズや眼鏡のレンズと言えば、非球面レンズや薄型レンズなど、精度が高く作られているイメージはありませんか?

「安価な製品は精度が悪そうで、ちょっと恐いなぁ・・・やっぱり高い方を買おうかなぁ。」という 気持が沸いてこないでしょうか。

そうなんです。天体望遠鏡のレンズも同じなんです。 星の見え味を決める上で、望遠鏡を作るときの精度はとても重要になってくるのです。 ですから、天体望遠鏡で月や惑星観望を本格的に楽しもうと思えば、精度の良いレンズを使った天体望遠鏡が必要で、 それになりの出費は必要になってくるのです。

それなりの出費というとドキドキしてしまいますが、 最近は作りがよくて、比較的安い製品が数多く販売されるようになりました。 天文ファンにとってありがたいことですよね。 今なら数万円の予算があれば、月や惑星観望を楽しめる天体望遠鏡一式を購入することができます。

天体望遠鏡購入前の心構え

天体望遠鏡がある程度の価格であることはわかりました。 「よし!天体望遠鏡を買おう!」と思って望遠鏡販売店に行く前に、ちょっと気持ちを整理しておきましょう。

望遠鏡で見た月のイメージ

まず天体望遠鏡で星空を観望している自分を思い浮かべてください。宇宙の写真集やカタログに出てくるような、 真っ赤なオリオン大星雲や、 美しいアンドロメダ銀河、探査衛星から見たような惑星の姿を、 購入した天体望遠鏡で見えると思っていませんか。

実は天体望遠鏡を使っても、天体写真のように星雲や銀河を見ることはできません。 星雲なら白くボヤッと見えるだけですし、惑星も探査衛星ほどシャープには見えないんです。 もちろん意地悪で言っているわけではなくて、あまり期待しすぎてしまうと、 ショックでせっかく始めた天文趣味を止めてしまうかもしれないからです。

望遠鏡で見た土星のイメージ

でもだからといって、天体望遠鏡の意味がないわけではもちろんありません。 天体望遠鏡を使えば、自分の眼で、今その瞬間のリアルな映像を見られるのです。

テレビやネットの画像ではなく、今実際に宇宙で起こっていることを、 リアルに、自分の眼で見ることができるのです。 すごいことだと思いませんか。

それに、対象によっては、天体写真並に見えるものもあります。 月のクレーターなら、右上の月の写真のようなイメージで、月面クレーターや山脈の凹凸を観察することができます。 土星の環も初めてみると驚くことでしょう。 木星の縞模様をじっくり見るには、少し経験が必要かもしれません。 何度も観察して、見慣れてくると、だんだん細部まで見えてくるんです。 天体観測は、とても奥深い趣味だと思います。

天体望遠鏡の形式

天体望遠鏡は、星からの光の集め方によって、いくつかの種類に別れています。 大きく分けると、「屈折式」と呼ばれる形式の天体望遠鏡と「反射式」の2種類になります。 天体望遠鏡を選ぶ上で、まずはじめに迷うのが、どちらの形式を選ぶかでしょう。 どちらのタイプも一長一短がありますので、特徴を見ていきましょう。

屈折式天体望遠鏡

ビクセンポルタ屈折式天体望遠鏡 屈折式は、星からの光を集めるのに、レンズ(対物レンズ)を使用した天体望遠鏡です。 虫眼鏡などを想像すると、光を集める様子がイメージし易いのではないでしょうか。

このタイプの望遠鏡は最もポピュラーで、初心者からベテランまで人気があります。 望遠鏡が指している向きをイメージしやすいので、初めての方でも取り扱いがし易いのが特徴です。

望遠鏡の光軸という光の軸もずれることは滅多になく、ほぼメンテナンスフリーで使うことができます これから天体観測を始めてみようと思っている方に、一番お勧めできる天体望遠鏡の形式です。

ちなみに、屈折式望遠鏡の場合、対物レンズに使われているレンズの種類によって、価格に大きなばらつきがあります。 色収差が少ない高性能レンズ(EDレンズなど)を使った機種になると、口径が同じでもグンと値段が上がります。

気軽な天体観望には、普通のレンズ(アクロマートレンズ)で十分だと思います。 少し余裕があってこだわる方とか、今後は天体写真を撮って楽しもうという方には、 EDレンズなどを使ったタイプの屈折望遠鏡(アポクロマート屈折望遠鏡)をお勧めします。

反射式天体望遠鏡

ビクセンポルタ反射式天体望遠鏡 光を集めるレンズの代わりに、放物面鏡と呼ばれる凹面のミラーを使ったタイプの天体望遠鏡です。 放物面鏡と平面鏡を組み合わせたニュートン式が、反射望遠鏡の代表的な形式です。

反射望遠鏡は、屈折式と比べると、大きな口径が安価で手に入ります。 ただ覗き口が望遠鏡の横から出ているので、見ている方向と望遠鏡の向きが一致しません。 そのため、取扱いに慣れていないと、自分が見たい天体を視野内に導入しにくい形式です。

また、反射望遠鏡は、振動などで光軸がずれやすく、大きくずれてしまうとせっかくの性能が発揮できません。 自分でいろいろメンテナンスするのが好きな人向けの望遠鏡です。

反射望遠鏡の利点としては、見た像に色収差が発生しないということが上げられます。 星の周りに色収差が出やすい屈折式に比べて、色づきのないすっきりした像を結んでくれます。

その他のタイプ

上記の他にも、屈折と反射を組み合わせたような、シュミットカセグレン式や、 マクストフカセグレン式という天体望遠鏡も市販されています。 どちらの形式の望遠鏡も、大きな口径の割にコンパクトで、置き場所に困らないのが特徴です。

「できるだけコンパクトな天体望遠鏡が欲しい」とか「卓上で使えるタイプがいい」という方には、 お勧めの天体望遠鏡です。 ただ光学系が複雑になるので、できるだけ有名メーカーの製品を買うことが大切です。 粗悪な製品を買うと、期待通りの性能が全く発揮されていないことがあり得ます。

望遠鏡の価格について

天体望遠鏡の価格について、改めてご紹介しておきましょう。 天体望遠鏡は、基本的に口径が大きいほど価格が高くなります。

例えば、屈折式で比べた場合、口径8センチなら5万円程度ですが、口径10センチになると10万円前後になります。

また、反射式は屈折式に比べて、同じ口径なら価格が安くなります。 これは、レンズよりもミラーの方が、直径の大きなものを作りやすいためです。

同じ口径でも、レンズにEDレンズが使われていたり、望遠鏡の造りがしっかりしていると、価格が高くなります。 カメラレンズでも、一般モデルと高級モデルが用意されていますが、 あれと同じようなイメージです。

天体望遠鏡を載せる台について

天体望遠鏡で星空を観望するには、望遠鏡を載せる台(架台)が必要です。 さすがに長くて重い望遠鏡を、手に持って観望するのは不可能ですよね。

たいていの入門機種は、天体望遠鏡本体と架台のセットで販売されています。 ですので、気に入った天体望遠鏡を選ぶと、自然と架台のタイプも決まってしまいますが、 架台のそれぞれの特徴を見ていきましょう。

ビクセン ポルタ

入門用の天体望遠鏡と架台は、セット販売されていることが多い

ちなみに、望遠鏡を載せる架台はとても重要な役目を担っています。 月のクレーターを拡大して見ているときは、100倍以上の倍率で見ているわけですよね。 少し風が吹いただけでグラつく架台を使っていると、像が揺れて綺麗に見ることができません。 揺れた像を見ていると、酔ったり、イライラしてしまうかもしれません。

ですから、天体望遠鏡を支えることができる、しっかりとした架台を選ぶことが重要です。 架台選びは、天体望遠鏡本体以上に重要ポイントと言えるかもしれません。 まずは架台を選んでから、載せる天体望遠鏡を選択するのも、選び方の一つだと思います。

経緯台式

経緯台式

カメラの雲台に似た上下左右に動くタイプの架台です。 天体望遠鏡の動きがイメージしやすいので、初心者用の架台として、 以前からよく販売されている架台形式です。

しかし最近は、フリーストップ型(下)の方が人気があります。 経緯台式は良い製品もありますが、強度が弱く、使いづらい製品も販売されています。 できるだけ、実際に販売店で触って、動きを確かめてみるのがよいでしょう。

経緯台式を選ぶなら、本体や三脚が大きめで重く、がっしりしたタイプがお勧めです。 大型のカメラ用三脚を選ぶときの注意点と同じです。 製品としては、ケンコー製のNew KDSマウントやミザール製の経緯台が人気があります。

フリーストップ経緯台式

フリーストップ経緯台式

望遠鏡を手で持って自在に動かすことができ、手を離した位置で固定される便利な経緯台式です。 フリーストップなので、自分の向けたい方向に素早く向けて、そのまま観望することができます。

以前から人気のある架台形式で、ベテラン天文ファンにも観望用機材として評価されています。 これから天体観測を始めてみようと思う方に、お勧めできるタイプの架台の一つです。 このタイプの人気の火付け役としては、「ビクセンのポルタ経緯台」があります。

なお、ビクセンポルタには、ポルタIIとミニポルタ、それにモバイルポルタという3種類がありますが、 強度の面ではポルタIIが優れています。

モーター制御の経緯台式

コンピューター制御経緯台

自動導入機構が付いた、モーター制御の架台です。 スマートフォンやタブレットとWifiで接続できる機種もあります。

架台の形式としては、経緯台ですが、2つの回転軸にモーターを取り付け、 天体の位置を記録したコンピューターを取り入れることで、 天体の自動導入機能や自動追尾を実現したハイテクタイプです。

経緯台ですが、2つのモーターを動こすことで、 星空追尾機能も搭載しています(望遠鏡の視野の中から星が逃げません)。 最も新しいタイプの経緯台です。

モーター制御の経緯台式は、コンパクトさをアピールする製品が多いので、 屈折望遠鏡や反射式の望遠鏡が搭載されることは希です。 たいていの場合、安価で軽量なマクストフカセグレン式がセットになっています。

自分で天体望遠鏡を動かして目標天体を探す用途には不向きですので、天体観測用というよりも、 レジャー向けの機種と言えるかもしれません。 ですので、キャンプやアウトドア時に気軽に使用するには、魅力的な機種だと思います。 具体的な製品としては、スカイウォッチャー社のAZ-GTiが人気があります。

なお、こうした機種は、本当に天体観測が初めての方が購入されるよりも、 ある程度、天体観測にある程度詳しい方が、気軽なサブ機として追加されることが多いように思います。

赤道儀式

ドイツ式赤道儀 星の日周運動を追いかけるために作られた架台が、赤道儀です(「せきどうぎ」と読みます)。

赤道儀は、構造によって、ドイツ式やフォーク式などいろいろなタイプに分かれていますが、 日本では右写真のようなドイツ式赤道儀が一般的です。

動きが垂直水平ではなく、赤緯・赤経と呼ばれる天球の軸に合わせて動くため、 初めての方は、使いづらく感じてしまうかもしれません。 しかし、使い方に慣れてしまえば、天体を視野の中に保持できるので、便利に思えてくるでしょう。 この赤道儀は、長時間同じ天体を観測したり、天体写真を撮るには必須の機器で、私も愛用しています。

天体観測に慣れてきて「天体写真も撮りたいな」と思うようになったら、 購入を検討されてみてはいかがでしょう。

天体撮影用の赤道儀を選ばれる際は、なるべく実績がある製品を選ぶのがポイントです。 経緯台並の価格の赤道儀も販売されていますが、そのような製品は強度・精度共に悪く、 天体写真の撮影に使用することはまず不可能です。 大きさも様々な種類がありますから、載せる機材に応じて選ぶ必要があります。

お勧めの天体望遠鏡の大きさは

天体望遠鏡の対物レンズ 天体望遠鏡の性能は、光を集めるレンズやミラーの大きさ(口径)で決まります。

口径が大きい方がよく見えるので、天体観測には理想的なのですが、 大きくなると重量も増し、取り扱いが大変になりますし、価格も高くなります。

天体望遠鏡は、架台まで含めると案外とかさばりますので、 初めからあまり大きな口径の製品は選ばない方がよいと思います。

天体観測をこれからはじめる方向けに、口径6センチクラスの屈折望遠鏡が販売されているのをよく見かけます。 しかし、6センチの口径ですと、集められる光量(集光力)が少なく、惑星や月を見ても物足りなく感じると思います。 できれば、8センチクラスの天体望遠鏡を購入して、末永く愛用するのが理想だと思います。

反射式の場合は、口径が8センチ程度の製品は販売されておらず、 一番小さいものでも、10センチ程度の大きさがあります。 一般的に販売されている中で、初心者用としては13センチのものが人気があります。 価格帯としても口径8センチの屈折望遠鏡と同じですので、この程度の大きさが手に入れやすいでしょう。

まとめると、屈折望遠鏡なら8センチクラスを、 反射望遠鏡だと13センチクラスをお勧めします。 その他のシュミットカセグレン式やマクストフカセグレン式の場合は、10センチ程度を目安にして、 大きさを確かめてから、購入されることをお勧めします。

マルチに楽しみたい方には

「長く大きな天体望遠鏡を使って、星だけ観るのはちょっと・・・」という方には、 デジスコ撮影で人気のあるフィールドスコープがお勧めです。

最近のフィールドスコープは光学系が優れているので、月面観望も楽しむことができます。 接眼レンズを交換できて、高倍率を得られるタイプなら、月面のクレーターや惑星観望も楽しめます。

フィールドスコープは、元々フィールドで使用することが前提なので、軽くてコンパクトなボディが魅力です。 カメラ三脚やビデオ三脚に載せることができますので、気軽に野山に持ち出せるのも大きな利点です。 夏山のキャンプに持ち出して、星空観望するには最適な望遠鏡かもしれませんね。

いずれは天体写真撮影・・という方には

デジタルカメラの性能が向上し、どなたでも比較的簡単に、月や星雲の写真撮影が楽しめるようになりました。

天体撮影には、赤道儀が必須と思われがちですが、口径8センチの天体望遠鏡とポルタIIのセットでも、 デジカメを使えば月のクレーターを撮影することができます。

しかし、「望遠鏡の扱い慣れた後は、もっと本格的に天体写真も撮りたくなるだろう」と思われる方は、 今後のステップアップも考慮に入れて、天体望遠鏡を選んでみてはいかがでしょう。

赤道儀式がお勧め

天体写真を本格的に撮影する予定なら、天体望遠鏡を載せる架台は赤道儀式がお勧めです。

経緯台式でも明るい月は撮影できますが、高倍率にすると視界の中からすぐに動いてしまいますので、 ゆっくりと撮影することができません。 赤道儀式なら、視界の中に天体がとどまるので、じっくりとピント合わせできます。

また、月よりもずっと暗い、 木星や土星といった惑星も撮影できるようになります。 赤道儀式にデジタル一眼レフカメラを望遠レンズを載せれば、 色鮮やかな星雲や星座の撮影も楽しめます。

天体撮影にも使える望遠鏡

天体望遠鏡のカタログを見ると、口径が同じ屈折望遠鏡でも、価格に大きな差があることがあります。 これはEDレンズが使われているかだけでなく、望遠鏡の作りにも差があるためです。

天体写真撮影に使える望遠鏡には、たいていの場合、 フラットナーやレデューサーと呼ばれるコンバーションレンズ(補正レンズ)がオプション設定されています。 そのようなオプションが用意されているかどうかで、判断すると間違いが少ないでしょう。

また、望遠鏡ショップによっては、天体撮影に使用できる望遠鏡と、 フリーストップ架台のオリジナルセットを販売していることがあります。 まずは、天体観望を楽しむ場合でもこうしたセット品を購入しておけば、 後々赤道儀だけを買い足すことで、本格的な天体撮影を楽しむことができるようになります。

望遠鏡の選び方 まとめ

天体望遠鏡と一口に言っても、とても多くの種類がありますが、はじめての天体望遠鏡なら、 やはり、口径8センチ前後の屈折望遠鏡が使いやすいと思います。 このぐらいの大きさなら、小学校高学年ぐらいのお子さんでも、一人で取り扱うことができると思います。

望遠鏡の架台は、フリーストップ式が便利でしょう。 それも廉価版ではなく、強度の有るタイプがお勧めです。 できれば、天文ショップや大型カメラ店に出かけて、実際に触ってみることをお勧めします。

反射式は、2台目の望遠鏡に向いていると思います。 私もはじめは屈折式望遠鏡から天体観測に興味を持ち、もう少し大きな口径で月や惑星を見たくなって、 反射望遠鏡を購入しました。 天体観望や屈折式に慣れていると、反射望遠鏡でもスムーズに扱えると思います。

天体望遠鏡の具体例

ビクセン ポルタU A80Mf
ビクセン ポルタIIA80Mf

大人気のポルタ経緯台に、口径8センチ屈折天体望遠鏡を載せた初級者に人気があるモデル。レンズはアクロマートですが、 焦点距離が910mm(F11.4)と長いので、色収差もそれほど感じられず、シャープな像を結びます。

月のクレーターは迫力があり、土星の環も確認できます。これから天体観測を初めてみようという人にお勧めのセットです。

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ビクセン ポルタU R130Sf
ビクセン ポルタU R130Sf

ポルタ経緯台セットの中で唯一のニュートン反射望遠鏡セット。口径が13センチと大きいので、淡い天体を見るのに適しています。反射望遠鏡は光軸ズレが厄介ですが、 大きな口径が魅力です。反射望遠鏡なので色収差が全くないスッキリした像を結びます。

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ビクセン ミニポルタ A70Lf
ビクセン ミニポルタ A70Lf

大人気のポルタ経緯台をコンパクトにした安価なモデルがミニポルタシリーズです。天体望遠鏡は口径7センチのアクロマート屈折望遠鏡です。 ミニポルタは価格の安さが魅力ですが、やはり強度はポルタに劣ってしまいます。架台の強度は重要ですので、できればポルタを選びたいところです。

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Vixen アポクロマート屈折式天体望遠鏡 ポルタII ED80Sf
ビクセン ポルタII ED80Sf

大人気のポルタ経緯台に、口径8センチの屈折天体望遠鏡を載せたモデルです。 こちらの屈折望遠鏡のレンズには、EDレンズが用いられていて、色収差が抑えたアポクロマート設計になっています。 最近、専用レデューサーレンズが発売されたので、赤道儀に載せて天体撮影も楽しめる望遠鏡です。

通常の8センチのモデルと比べると、鏡筒の長さが短くなっているのでコンパクトで、郊外にも持ち運びやすいでしょう。 EDレンズが使用されているため、価格が高くなっていますが、 今後、星雲や星団の撮影も行ってみたいと考えているなら、こちらのモデルがお勧めだと思います。

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ビクセン 天体望遠鏡 AP-A80MfSM
ビクセン AP-A80Mf・SM

ビクセンAP赤道儀と8センチ屈折望遠鏡を組み合わせた「AP-A80Mf・SM」は、 AP赤道儀セットの中で、最もコストパフォーマンスに優れた一台です。 赤道儀には、一軸モータードライブとコントローラーSTAR BOOK ONEが付属しているので、 望遠鏡やカメラレンズを使った天体写真撮影を楽しむことも可能です。

このセットに付属している口径8センチの屈折望遠鏡は、上のポルタII A80Mfと同じ天体望遠鏡です。 ですので、見え味は全く同じです。架台だけが赤道儀式になったと考えるとよいでしょう。

なお、このA80MfとAP赤道儀のセットには、モータードライブが付属しない「AP-A80Mf」というバージョンも用意されていますが、 モーターは別途購入すると割高になってしまいます。 赤道儀にモータードライブは不可欠ですので、最初から付属しているセットをお勧めします。

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