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ビクセン天体望遠鏡の特徴

ビクセン天体望遠鏡を使った印象や、メーカーの特徴をまとめたページです。 個人の見解や印象などが大いに入っていますので、軽い気持ちで読んでいただければ幸いです。

株式会社ビクセン

ビクセンVC200LSXP天体望遠鏡 ビクセンは、天体観測初心者からハイアマチュアまで、広く名前が知られている天体望遠鏡のトップメーカーです。 日本だけでなく海外でも高い評価を得ており、ビクセン天体望遠鏡について語るフォーラムも海外にいくつもあります。 初心者用からハイアマチュア用まで、幅広い製品をラインナップしている天体望遠鏡メーカーです。

ビクセン製の天体望遠鏡は、日本メーカーらしい信頼性の高さとエレクトロニクスの技術を生かした製品が多く、 楽しく天体観測をすることを第一に製品作りが行われているように思います。 ビクセンは、ハレー彗星が回帰したときに、赤道儀に新しいコントローラー「マイコンスカイセンサー」を投入しました。 他社よりもいち早く赤道儀の自動導入化を計るなど、最新技術をどんどん取り入れている先進的なメーカーです。


性能と価格のバランスがよいビクセン天体望遠鏡

性能と価格のバランスの良さが、ビクセン天体望遠鏡の優れた点でしょう。 EDレンズを使ったアポクロマート屈折望遠鏡などの高性能天体望遠鏡も、 幅広いラインナップで手に入れ易い価格帯に設定されています。

大ヒットしたポルタ経緯台やSX赤道儀など、今までになかった新製品を投入してくるのもビクセン天体望遠鏡の魅力です。 エレクトロニクス関係にも強いので、ネットからのダウンロードで製品のソフトウェアバージョンアップが可能など、 現在のネット環境に適した製品作りをしているメーカーです。

ビクセンは、わかりやすいマニュアルやメールで送られてくる月報など、 これから天体観測を始めてみようとする方向けに様々なサービスを行っています。 また、カスタマーサポートの対応もよく、修理や故障などにも素早く対応してくれるのは大変ありがたいことです。 こうしたサポート体制や初心者に親しみがわくマーケティングは、これからの天文業界になくてはならない存在だと思います。


天体写真ファンから望まれる高性能機

ビクセンは、高い性能を持つ天体望遠鏡や赤道儀を作るメーカーではあるのですが、 初心者から中級者向けの使い勝手の良い製品ラインナップが多く、 ハイレベルの天体写真ファンに敬遠されがちなメーカーです。

そのため、天体観測を始めた頃はビクセン天体望遠鏡を使って、 天体写真に熱中し出すとタカハシ製品に移っていくという流れがあるように思います。 ビクセン天体望遠鏡を使う天体写真ファンの間では、世界のハイアマも満足させる性能を持つ、 新型ビクセン天体望遠鏡の登場が望まれています。

また、「ビクセン天体望遠鏡と言えば、これ!」というロングセラー製品を作って、その変革を長く 楽しめるような製品作りをして欲しいと思っています。


ついに登場した高性能機

AXD赤道儀 ビクセンは、2010年冬にAXD赤道儀が発表しました。 ビクセン渾身の作とも呼べる赤道儀で、AXD赤道儀だけで1冊の立派なカタログになっていることからも、 社の力の入れようが伺えます。

このAXD赤道儀のモーターには、以前からビクセン製品に使われているDCモーターではなく、 ステッピングモーターが使われています。 これは天体写真ファンからの熱い要望に対するビクセンの回答ということでしょう。 新しいコントローラー「スターブックTEN」の操作性と相まって、レスポンスの良い赤道儀の動きを実現しています。

この他にも先進的なV-PEC機能などが盛り込まれたAXD赤道儀ですが、 そのためもあって、販売価格が100万円と非常に高くなってしまいました。 前機種のアトラクスと比べると、その価格は実に2倍。 タカハシのEM-400赤道儀とほぼ同じ価格です。

AXD赤道儀が登場した後、ビクセンはSXD赤道儀を改良したSXP赤道儀を2011年に発売開始しました。 こちらも価格が一気に10万円ほどアップしたものの、SXD赤道儀で問題だった点が改良されていたので、 ハイアマチュアから人気を博しています。

このAXD赤道儀とSXP赤道儀で、ビクセン製赤道儀の人気は一気に向上しました。 しかし残念なのは、この高性能赤道儀に載せるに相応しい写真用望遠鏡が、 製品ラインアップに用意されていないということです。 ビクセンにはAX103Sという3枚玉アポクロマート屈折望遠鏡はあるものの、 明るさが暗いので天体写真ファンには敬遠されがちです。 そのためでしょう、ビクセン製赤道儀にタカハシ製の鏡筒を載せて、 天体写真撮影を楽しんでいるユーザーが多く見かけられます。 是非、ビクセンにも高性能な写真用鏡筒を発売して欲しいところです。


天体写真初心者に人気のポルタ

SXP赤道儀の発売と同時に、ビクセンはポータブル赤道儀「ポラリエ」を発売開始します。 これが最近のポータブル赤道儀ブームに乗って、大ヒット製品となりました。 特に星空撮影を始めてみようという初心者の間で人気モデルとなり、星空撮影の普及に貢献した製品と言えます。

このポルタとSXP赤道儀の成功のお陰で、最近のビクセンは元気で注目度が高い望遠鏡メーカーです。 これからも魅力あふれる製品を発表していただいて、いつまでも初級者から上級者まで愛されるビクセン製品であって欲しいと願っています。


ペンタックスの技術を取り入れた新鏡筒

VSD100 3.8鏡筒 AXD赤道儀を発売開始してしばらくした頃、ビクセンはペンタックスの技術を取り入れた新型望遠鏡を開発していると発表しました。 そして登場したのが、V−SDP125と名付けられたペッツバール型天体望遠鏡です。 残念ながらこの望遠鏡は、CP+等で展示されただけで市販の予定はありませんでしたが、 天体写真ファンの注目を集めたことには間違いありません。

V-SDP125が展示された後、ビクセンはペンタックスSDUFを彷彿させるシルエットを用いた広告を天文雑誌に出しはじめました。 「今秋、降臨」というキャッチフレーズと相まって、天文ファンの間では、どんなスペックで登場するのだろうと話題を呼びました。

最終的に『VSD100 F3.8』と名付けられたこの写真撮影用鏡筒は、 アイソン彗星が最も太陽に近づく、2013年11月29日発売開始されることになりました。 直焦点でF3.8という明るさと、ペンタックス譲りの頑丈なヘリコイドが魅力の鏡筒ですが、 販売価格が62万円(税別)と予想以上に高かったこともあり、天文ファン間では様々な意見が飛び交うようになりました。

今までの「コストパフォーマンスに優れたビクセン製品」、というブランドイメージからすると、 このVSD100鏡筒とAXD赤道儀は、高価すぎるというのにもうなずけます。 トヨタ自動車のレクサスブランドのように、VSD鏡筒とAXD赤道儀だけ別ブランド名で発売すると、 ビクセンというブランドイメージはそのままで、高級機も販売でき、全体としてバランスが取れたような気がします。