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BORG ボーグ天体望遠鏡の特徴

使用者から見た天体望遠鏡各メーカーの特徴を書いたページです。 個人の見解や印象などが大いに入っていますので、軽い気持ちで読んでいただければ幸いです。

ボーグ天体望遠鏡

ボーグ89ED屈折天体望遠鏡 ボーグ天体望遠鏡は、株式会社トミーテックが販売している天体望遠鏡の名前です。 トミーと言えばオモチャを製造している会社ですが、そんなトミーがハレー彗星がやってくる少し前に、 ファミスコ60Sという小さな天体望遠鏡を発表しました。 当時は、「オモチャ会社が天体望遠鏡を作った」と天文界の話題になりました。 これがボーグ(BORG)望遠鏡の始まりです。

ボーグ望遠鏡はファミスコ60Sを発売した後、ラインナップを徐々に広げていきます。 最初はベテラン天文ファンに敬遠されがちでしたが、ボーグ望遠鏡が持つ独特のその構造から、徐々に人気が広がっていきました。 特に2000年頃は、ベテラン写真ファンがBORG125ED望遠鏡を使って、 銀塩天体写真の秀作を数多く誌面に発表して天体写真マニアからも人気を得ていました。

カメラがデジタルに移り変わり始めた頃、トミーテックはミニボーグという小型の望遠鏡を発表して、 こちらも新たなタイプの望遠鏡として人気を博します。 最近では野鳥撮影にボーグ天体望遠鏡を使って撮影する方も増えてきたようで、 幅広い趣味の方から人気を得ているボーグ望遠鏡です。


パーツを組み合わせるボーグ天体望遠鏡

ボーグ天体望遠鏡の大きな特徴の一つは、数多くのパーツをラインナップしていることです。 ありとあらゆるアダプターをカタログ化していて、ボーグ天体望遠鏡は持っていなくても、 天文ファンならボーグのパーツは一つは持っているほどです。

そのパーツの自由度から、ボーグ天体望遠鏡は自作ファンにも人気があります。 アダプターだけでなく、自作では作りづらい望遠鏡の接眼部も販売していますので、自作鏡筒にボーグパーツを 使っている方も数多くいらしゃいます。

また、ボーグ望遠鏡は鏡筒重量が軽いのも美点です。 そのため、同じ口径の望遠鏡でも、一ランク小さい架台にも載せることができます。 またパーツを組み合わせてできているので、持ち運ぶときには分解し、 観望・撮影前に組み立てるという使い方も可能です。 海外に遠征撮影に行かれる方には最適でしょう。 BORGは、マルチに使える多目的望遠鏡と言った位置づけです。


初心者にはややこしいパーツ

こうした応用力があるボーグ天体望遠鏡ですが、あまりにも組み合わせが多いので、初心者には逆に わかりづらい面があります。特にパーツの組み合わせによっては、ピントがでないこともあります。 これを防ぐには、最初から一式セットになったものを購入するか、詳しい人に聞くしか方法がありません。

また、一つずつのパーツの価格は安いものの、望遠鏡全体としてみると他社と変わらないか、 逆に高価になってしまうことがあります。 ですから購入するときには、パーツの合計価格を考えて購入しなければなりません。 それを考えずに主要部分だけを先に買うと、実際に望遠鏡として使用するには、数多くのパーツが必要になることがあります。 できれば、専門のスタッフがいる販売店で相談しながら買うのがベストでしょう。

それから、パーツの種類によっては、パーツとパーツが噛んでしまって外れなくなることがあります。 特に7900番台の厚さの薄いパーツは要注意です。 私も噛んでしまってどうしても外れないので、何度か同じパーツを買い直した経験があります これはメーカーの信頼問題にも繋がりかねませんので、できれば早急に改善して頂きたい点です。