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ペンタックス天体望遠鏡の特徴

ペンタックス天体望遠鏡を使った印象や、メーカーの特徴をまとめたページです。 作者の見解や印象も多分に入っていますので、軽い気持ちで読んでいただければ幸いです。

ペンタックス天体望遠鏡

ペンタックス望遠鏡 ペンタックスは、デジタル一眼レフカメラのK20Dシリーズや、コンパクトデジカメOptioシリーズで有名なカメラメーカーです。 正確には、2006年からペンタックスはHOYA株式会社のデジカメ方面での一事業部になっています。 元は旭光学工業株式会社と言いました。

ペンタックスと言えば、上記の通りデジタルカメラで有名ですが、元々は天体望遠鏡を作るメーカーでした。 現在でも数は少なくなりましたが、ラインナップはいくつか残っており、高い性能を有した望遠鏡として天文ファンから厚い信頼があります。 右上写真の私が使っていたペンタックス100SDUFUもその一つです。


時代を先取りしたPentaxSDPシリーズ

ペンタックス望遠鏡シリーズの中で最も人気が高いのが、SDPシリーズと呼ばれる望遠鏡です。 最大口径のペンタックス150SDPから125SDP、105SDPと三種類揃っています。 発売されたのは1990年代ですが、現在のデジタル機材でも十分使える光学設計になっています。 早々と未来を予測した設計の望遠鏡として、当時は大変な人気でした。

ペンタックスSDPの魅力は、リアコンバーターと呼ばれるコンバーションレンズを用いることで、 3つの焦点距離で撮影できることでした。どの焦点距離でも性能は素晴らしく、誰もがいつか はペンタックスSDP望遠鏡を購入しようと当時は思っていたほどです。残念なことに、現在こ のリアコンバーターレンズは生産終了してしまいました。望遠鏡は発売を続けているに不思議なことです。

※2009年1月にペンタックスは天体望遠鏡の生産から撤退しました。


高精度の赤道儀

ペンタックスのもう一つの魅力は、高精度を誇る赤道儀でした。 中でも搭載重量40キロのMS-5型赤道儀(現在はMS-55z)は、当時100万円近い価格にも関わらず大ヒットしました。 今でもこの赤道儀の信頼性は高く、一種の伝説のようになっています。

大型のMS-5型以外にも、中型のMS-4型、小型のMS-3型の3種類ラインナップしていましたが、 現在は大型と小型の2種類になってしまいました。 中型のMS-4赤道儀が生産終了したのは、残念なことですが、 発売開始当初から、同クラスのタカハシEM200に人気を奪われていたので、この生産終了は仕方がなかったのかもしれません。


価格は高いペンタックス

性能も製品の作りも良いペンタックス望遠鏡ですが価格は非常に高く、製品によっては タカハシ望遠鏡以上の価格が付けられています。しかし信頼性や性能は「タカハシ以上」と言わ れるほど高かったので、銀塩フィルム時代はとても多くの人が使っていました。 撮影に行けば、誰かが必ずペンタックスを使っていたほどです。

ペンタックスSDPが登場してから10年以上が経ちますが、新製品は登場していません。 デジカメが写真撮影に使われるようになり、他のメーカーは新製品を矢継ぎ早に出してきました。 それと共に天文ファンは、他のメーカーのデジカメ対応製品へと心変わりしています。 ペンタックスは、非常に高い技術を持ったメーカーだっただけに残念なことです。 いつかまた、ペンタックスの新型望遠鏡が出ることを願っています。