三鷹光器製天体望遠鏡の特徴

三鷹光器の天文機器を使った印象や、メーカーの特徴をまとめたページです。 作者の見解や印象も多分に入っていますので、軽い気持ちで読んでいただければ幸いです。

三鷹光器の天体望遠鏡

三鷹光器は、東京三鷹市にある精密機器メーカーで、宇宙観測機器や天文機器を製造していることで知られています。 GNシリーズという天体望遠鏡を製造販売していますが、現在は公共天文台向けの大型機器のみに絞られています。

三鷹光器の天体望遠鏡は、国立天文台などに多く納入されていることから、 アマチュア天文ファンの憧れの望遠鏡となっていました。 銀塩写真最盛期には、アマチュア向けのGN-170という小型赤道儀が作られ、天体写真ファンの間で人気を博しました。


三鷹光器GN-170

三鷹光器GN-170 三鷹光器のGN-170赤道儀は、オートガイダーが市場に登場する以前に発売開始されました。 追尾精度が非常に高い赤道儀として知られ、ウォームホイールの歯数は430枚もありました。 ピリオディックモーションは、大型のペンタックスMS-5赤道儀と並ぶ±3.5秒以内という性能でした。

このGN-170は当時の天文ファン憧れの赤道儀でした。 当時の販売価格は三脚込みで60万円ほどでしたが、現在ではプレミアがついて定価以上の価格で取引されているようです。 職人魂を感じる造りの良さにほれぼれする赤道儀です。


オートガイダーの時代

三鷹光器のGN-170は、素晴らしい追尾精度と造形美を持った赤道儀です。 しかしオートガイドの端子や自動導入などには対応しておらず、現在のデジタル撮影環境からすると少々物足りなくなっている感があります。 実用的な赤道儀を中古市場で探すなら、この辺りを考えておいた方がよいかもしれません。

現在の赤道儀をはじめとする精密機器は、こうした工作精度の良さよりも、 ソフトウェアとの親和性、つまり使い勝手を重視して製造されています。 これにより製造に伴うコストは下げられ、GN-170のような職人魂が感じられる精密機器が減っているのは残念ですが、 それが時代の流れだとも思います。 GN-170赤道儀を改めて見ていると、日本人が忘れてきたものを感じることがあります。 撮影に使用するよりも、所有することに意味を見いだすべき赤道儀なのかもしれません。