天体写真の世界 > 天体望遠鏡の選び方 > 初心者向きの天体望遠鏡

初心者にお勧めの天体望遠鏡

天体写真展を通じて、たくさんの方と星についてお話しできる機会に恵まれました。 その中で、これから天体観測を始めるお子さん用の天体望遠鏡について、多くのご質問をいただきました。

天体望遠鏡の選び方でも触れていますが、ここではより初心者の方向けに選び方のコツを記載してみました。天体望遠鏡 選びの参考になれば幸いです。


丈夫な架台の天体望遠鏡を

初心者の子供向け天体望遠鏡というと、簡単な造りの安価な製品を選びがちです。 しかし選択はそれは大きな間違いに繋がるかもしれません。

子供さんの行動を見ていればよくわかりますが、子供達は何もわからないので、天体望遠鏡の接眼部を持って 向きを変えようとします。まだ力加減も上手くできないので、弱い架台だと思った以上に方向が変わってしまいます。 これでは、いつまで経っても目標の天体を望遠鏡に導入できません。見たい星が見えないと天体観測は楽しめませんよね。

これを防ぐためには、なるべくしっかりした架台を選ぶように心がけましょう。 店頭で天体望遠鏡を見る機会があれば、ほんの軽く天体望遠鏡を揺らしてみてください。 揺らすとグラグラして、いつまでも振動が収まらないモデルは避けた方が無難です。


安価な赤道儀は避けよう

星を追いかける赤道儀式という架台があります。 この架台は非常に精巧に作る必要があるため、いくら安くとも架台だけで数万円以上のコストはかかってしまいます。

ところが中には、普通の架台並みの値段で売られているモデルがあります。 こういう赤道儀は非常に強度が弱く、せっかく購入しても赤道儀として使えないばかりか、普通に使うの にも苦労してしまいます。機能が多い割に安くて魅力的ですが、避けたいモデル一つです。


フリーストップマウントがお勧め

ビクセンミニポルタ 天体望遠鏡の選び方でも触れていますが、やはりフリーストップ型のマウントが一番のお勧めです。 それは天体望遠鏡を持って向きを変えて、手を離したところでストップするからです。 感覚的に使えるので、より子供向きと言えるでしょう。

しかしフリーストップで便利と言っても、できれば微動装置は付いたモデルを選びましょう。 最初からフリーストップを使って、一発で目標の天体を入れられることは希です。 ある程度目標に近づいたら、微動装置を使って見たい天体に近づけていける方が便利です。 特に高倍率で惑星を見ているときならなおさらです。

このフリーストップ式で一番人気があるのが、ビクセンのポルタ(PORTA)シリーズです。 微動ハンドルも付いているので、これから天体観測を始めるには十分な装備だと思います。 ベテラン天文ファンにも人気があるシリーズです。

なお、最近になってポルタはポルタUになり、新たにミニポルタという廉価版が登場しました。 どちらもフリーストップで使いやすい架台ですが、ポルタUの方が強度が高いので、できればこちらのモデルが お勧めです。

ビクセン以外では、ケンコーのNewKDSマウントがお勧めです。こちらは厳密にはフリーストップマウントではな いようですが、クランプを調整すれば同じように使用できます。カメラやフィールドスコープも載せることができるので、 汎用性を求めている方にお勧めの架台です。


屈折天体望遠鏡がお勧め

屈折式天体望遠鏡 架台選びの次は肝心の天体望遠鏡選びです。天体望遠鏡には大きく分けて、屈折式と反射式の二つがありますが、 やはり最初は屈折式がお勧めです。 というのは、屈折天体望遠鏡の方が強度の高い製品を作りやすいからです。

また、反射望遠鏡だと光軸合わせの必要がありますが、屈折望遠鏡はほとんどメンテナンスフリーの魅力があります。 それに後ろから覗くので、目標を感覚的に視野内に導入しやすいというメリットもあります。

どうしても口径が大きい反射望遠鏡に魅力を感じてしまいますが、光軸がずれた反射望遠鏡よりも、ずっと小さい屈折式の 方がよく見えるものです。天体望遠鏡に慣れてきて、もっと使いこなしたいと思ったら、反射望遠鏡を考えてみてはいかが でしょう。

天体望遠鏡の具体例

ビクセンポルタUA80Mf
ビクセン天体望遠鏡ポルタII A80Mf

ビクセンポルタシリーズの中でも一番人気があるモデルです。8センチの屈折望遠鏡は使い安い大きさです。 天体望遠鏡本体は長いですが、焦点距離が長い方が綺麗な像を見せてくれます。 性能と価格がマッチしたお勧め天体望遠鏡だと思います。 なお、このポルタUA80fの前モデルである、ポルタA80Mfも性能は全く同じです。こちらの方が安いので、在庫があれば 旧型がの方がお得だと思います。

Amazon