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デジタル一眼レフカメラ比較と天体写真

星空や天体の撮影用として、デジタルカメラが使用されています。 中でもデジタル一眼レフカメラが人気で、カメラレンズを使った星空撮影だけでなく、 天体望遠鏡に接続して星雲や系外銀河を撮るなど、天体撮影の多くの分野で使われています。 このページでは、天体撮影向けのデジタル一眼レフの選び方や、性能の比較について記載しています。

デジタル一眼レフカメラの天体写真適性

デジタル一眼レフカメラが市場に出始めた頃は、長時間ノイズや高感度ノイズが多く、 星空撮影には使い物になりませんでした。

その後、新しい機種が登場する度にデジカメのノイズは減少し、 最新のデジタル一眼レフカメラは、長時間撮影時のノイズだけではなく、 高感度ノイズの問題も大きく改善されています。

ニコンD70

ニコンD70の頃から天体撮影に使えるようになってきた

現行モデルのデジタル一眼レフカメラなら、 天体写真撮影でよく使用する、10分程度の長時間露出にも耐え得るほどの低ノイズです。 デジタルカメラは、天体専用の冷却CCDカメラに比べてハンドリングが良いことも利点で、 初心者でも使いやすいのが魅力です。

しかし、市販のデジタル一眼レフカメラは、 撮像素子センサーの前に取り付けられているフィルターの関係で、赤い星雲が写りにくくなっています。 そのため、赤い散光星雲の写真を好んで撮影する天体写真ファンは、 フィルターを天文用フィルターに交換した、改造デジタル一眼レフカメラで撮影しています。

今では、ライブビュー機能や14ビット階調を持ったデジタル一眼レフカメラが一般的になり、 天体撮影分野におけるデジタル一眼レフカメラの人気がますます高まってきました。 デジタル一眼レフカメラは、これから天体写真を始められる方にもお勧めできるカメラと言えるでしょう。

デジタル一眼レフカメラの選び方

天体撮影用のデジカメを選ぶ際、まず最初にチェックしておきたいのは、長時間ノイズの発生量です。 これは、デジカメノイズ比較ページにも比較写真を載せているとおり、 デジカメの機種ごとに大きく異なっています。

デジタルカメラでの天体撮影は、ノイズとの闘いとも言えますから、 デジカメのノイズ発生量が多いと綺麗な写真を得るのは難しくなります。

天体撮影用のデジカメを購入する際には、 できるだけ長時間ノイズの少ない機種を選ぶことが、良い天体写真を撮るポイントともいえます。

ニコンとキヤノンのデジタル一眼レフカメラ

キヤノンとニコン製のデジカメが天体撮影用として人気

新しく発売された最新のデジタル一眼レフカメラについては、長時間ノイズのレポートが天文誌によく掲載されます。 万全を期すなら、そのレポートをチェックしてから購入するのがよいでしょう。 本サイトでも、デジタル一眼レフカメラについて、ノイズの量も含めたレビューを掲載していますので参考にしてください。

ちなみに、入門用の天体写真撮影用として人気のあるデジタル一眼レフカメラは、 キヤノンやニコンの入門機種です。 これは、長時間ノイズが比較的少ないことと、低価格でフィルター改造しやすいことが大きな理由でしょう。 以前私が使っていたキヤノンEOSKissDXは、当時、たくさんの方が天体写真撮影用として使用していました。 最近、登場したキヤノンEOSKissX9も、引き続き天体写真ファンに注目されています。

キヤノンの中級機、EOS70DやEOS80Dも、天体撮影用として定番のデジタル一眼レフカメラです。 天体撮影には、AFは使用しないので、測距点の数はメリットではありませんが、 中級機種ならではの信頼性の高さが魅力です。

35ミリフルサイズセンサーが搭載されたキヤノンEOS6Dも、ノイズが少なく星景写真や天体撮影に使われています。 EOS6Dはリーズナブルなので、従来、定番カメラとされていた中級機種を凌駕しそうなほど人気があります。

ニコンD810A

ニコン初の天体撮影専用カメラ ニコンD810A

ニコン製デジタル一眼レフカメラの中では、昔は、ニコンD70やニコンD50が低ノイズデジタルカメラとして人気がありました。 その後、ニコンD80はソフトウェアでのノイズ低減処理がスムーズではなかったため、 ニコンからキヤノンへ移行する天体写真ファンが増えましたが、 再びニコンのデジタルカメラが天体撮影の分野で注目されつつあります。

中でも35ミリフルサイズセンサーが用いられた、ニコン初の天体撮影専用機、ニコンD810Aは、 星景写真の分野だけでなく、星雲や銀河の撮影にも使用されています。 フルサイズのため、APS-C機に比べて本体価格が高いのがネックですが、 長時間ノイズが少なく、高画素数を生かした解像度の高い画像が得られるということで、 ハイアマチュアを中心に人気があります。

天体写真専用の冷却CCDデジタルカメラ

デジタル一眼レフカメラが天体撮影に用いられる前から、 天体写真を撮るためのデジタルカメラとして、冷却CCDカメラが販売されていました。

冷却CCDカメラは、その名の通り、CCDセンサーを冷却することで、 ノイズの発生を極端に減らしたデジタルカメラのことで、 天文台等でも使用されています。

冷却CCDカメラは生産数が少ないため、大変高価なデジタルカメラですが、 モノクロタイプCCDセンサーが用いられた機種が用意されるなど、 天体撮影にとって魅力的な仕様になっています。 天体写真専用なので一般写真には使えませんが、 冷却による極低ノイズと、広いダイナミックレンジが魅力のデジタルカメラです。

冷却CCDカメラ

35ミリフルサイズセンサーが搭載された冷却CCDカメラ

バッテリーとメモリーカードを入れれば起動するデジタル一眼レフカメラと異なり、 冷却CCDカメラを使用するには、パソコンと、容量の大きな外部電源が必要になります。

また、カメラには視野を確認するためのファインダーが設けられていないため、 デジタル一眼レフカメラのように直接撮影対象を見ることはできず、 パソコンのソフトウェア上で構図を確認する必要があります。

星の位置をファインダーで直接確認できないデメリットはありますが、 冷却CCDカメラを使えば、数秒の露出でもパソコン上で星雲の形がわかるため、 慣れれば構図合わせがしやすいと感じられるのではないでしょうか。

モノクロセンサーが用いられた冷却CCDカメラを使ってカラー画像を得ようと思えば、 色分解フィルターが必要になり、少々手間がかかる部分はありますが、 天体望遠鏡と組み合わせて、究極の天体写真を撮りたい方には、冷却CCDカメラがお勧めです。

冷却CCDカメラの特徴は、冷却CCDカメラのページで詳しく述べていますので、左のリンクからご覧ください。 また、私が撮影に使用している冷却CCDカメラについては、 撮影機材のページで紹介していますので、そちらもご覧いただければ幸いです。

デジカメ対応レンズ

銀河や星雲を撮影する際には、天体望遠鏡を使用しますが、 天の川や星景写真を撮影する場合は、カメラレンズを主に使用します。

一般の風景に比べ、星は点像ですから、レンズの性能の優劣が目立ちやすく、 天体写真ファンは、星空撮影用のレンズ選びには、こだわりを持っています。

シグマのカメラレンズ

星空撮影に人気のシグマArtシリーズ

銀塩フィルムカメラから、デジタル一眼レフカメラへ移行した当初は、 デジタルカメラのセンサーの解像度に達していないレンズが数多く市販されていました。 今では、どのメーカーレンズもデジタル対応になりましたが、 星空の撮影には使いづらいレンズも存在しています。

点光源の星空を撮影するというのは、 レンズの諸収差(コマ収差・非点収差等)の発生量をテストしていると言えるでしょう。 レンズの性能が一目瞭然にわかるので、結像性能のよいレンズ選びの参考にもなるのではないでしょうか。

左リンクの各ページに、実際に私が星空撮影に使用したレンズを、撮影画像と共に掲載しています。 レンズ購入時のご参考になれば幸いです。

デジカメ向けの天体望遠鏡

デジタル一眼レフカメラが天体写真撮影の主流になりつつあった頃、 天体望遠鏡メーカーも光学系の設計変更を迫られました。

カメラレンズと同様に、従来の天体望遠鏡もデジタル対応の設計ではなかったため、 銀塩フィルムでは性能が良いと考えられていた高性能な望遠鏡でも、 デジカメで撮影すると、色収差が目立つようになったためです。

天体望遠鏡メーカーは、相次いでデジカメ対応の天体望遠鏡を発売開始しました。 また、デジタル対応と同時に、F値の明るい撮影専用望遠鏡の開発も行われました。

タカハシε-180ED

デジタル機材で復活したタカハシのεシリーズ

デジカメは、露出時間が長くなるにつれ、ノイズの発生量が多くなります。 ノイズの発生量を抑えるには、F値の明るい光学系を使って、短い露出時間で撮影するのが合理的でしょう。 そのため、デジタル一眼レフカメラが天体撮影に用いられるようになるにつれ、 F値の明るい天体望遠鏡が注目されるようになりました。 特に注目されたのが、タカハシε-160を始めとしたイプシロン光学系です。

最近では、主要な天体望遠鏡メーカーの製品であれば、 デジタル一眼レフカメラでの撮影を前提として設計しているので、 従来の望遠鏡と比べて色収差が少なく、シャープな光学系になっています。 しかし、オークションなどで中古品を選ぶ際には、デジタル機材に対応した光学系かどうか確認した方がよいでしょう。

撮影用の天体望遠鏡を選ぶ際は、撮影画像を書籍やインターネット上でチェックすることをお勧めします。 天文雑誌のギャラリーなどで、よく使われている天体望遠鏡は、多くの場合、 高性能でデジカメを使った天体撮影向きの望遠鏡であると言えます。

なお、天体望遠鏡は、同じ口径でもメーカーによって価格に差があります。 一概には言えませんが、やはり値段の高い望遠鏡はそれなりにしっかり作られていて、 写真撮影にも使いやすいものが多いと考えてよいでしょう。

望遠鏡の中には、「アストログラフ」と呼ばれる天体写真撮影の専用機として作られた望遠鏡も存在します。 究極の天体写真を撮りたい方は、このような望遠鏡を選ぶという選択肢もあります。

ミラーレスやコンパクトデジカメ

最近は、ミラーレス一眼カメラを使用して、星空を撮影する方が徐々に増えてきました。 以前は、ミラーレスはデジタル一眼レフカメラに比べてノイズが多く、天体写真ファンには敬遠されていましたが、 ソニーから35ミリフルサイズのセンサーが用いられたミラーレスカメラが発売された頃から、徐々に注目されるようになりました。

星空撮影用としてミラーレス一眼カメラを選ぶ際には、ノイズ発生量はもちろんですが、 最長の露出可能時間もチェックしましょう。 最近は少なくなりましたが、古い機種では、一度に露出できる時間に制限のある製品がありました。 そのようなデジカメは長時間ノイズが多いとも考えられますので、星空撮影用としては使いづらい可能性があります。

コンパクトデジカメでも、星空撮影モードを備えた機種が登場しています。 星空撮影モードで撮影すると、カメラ内の画像処理で比較明合成画像を作成してくれ、 自分で画像処理する手間がかかりません。 写りそのものは、デジタル一眼レフカメラに敵いませんが、旅先で手軽に星空を撮影したいときなどに便利なカメラでしょう。 星空撮影の人気が高まっていますので、今後、このような星空撮影用のコンパクトデジカメが増えてくるのではないでしょうか。

天体望遠鏡メーカー比較ページにも各望遠鏡メーカーの特徴を載せています。併せてご覧ください。

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