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キヤノンEF8-15mmF4LフィッシュアイUSMレビュー

キヤノンEF8-15mm F4L フィッシュアイ USMレンズ キヤノンEF8-15mm F4L フィッシュアイ USMは、 35mmフルサイズデジタル一眼レフカメラと組み合わせると、全周魚眼で撮影できるズームレンズです。

キヤノンEF8-15mmF4Lフィッシュアイレンズは、キヤノン初の全周魚眼レンズということもあり、2011年7月の発売開始と共に注目を集めました。 この魚眼ズームレンズには、UDレンズと非球面レンズが使われており、諸収差を良好に補正しているとのことです。 レンズの周囲にはキヤノンLレンズの証である赤いラインが引かれ、高級の感ある外観になっています。

超広角のフィッシュアイレンズとしては、実売12万円前後と高価なレンズですが、 8ミリから15ミリという使いやすい画角を魅力に感じて星空撮影用として購入しました。 実際にこのレンズで星空を撮影しましたので、星空撮影時の使い勝手と星像について、以下に検証してみました。


キヤノンEF8-15mmF4L USMの概要

キヤノンEF8-15mmF4L USMレンズは、本格的な魚眼撮影を楽しめるレンズで、 キヤノンEFレンズのラインナップの中では、最も広い画角を持つレンズです。 レンズには、UDレンズと非球面レンズが採用されており、諸収差を補正すると共に、 レンズには、フレアを防ぐSWCコーティングが施されています。

キヤノンEF8-15ミリF4Lフィッシュアイレンズの大きさは約83ミリ×φ78.5mmで、重さは約540gです。 星空撮影によく使用されているキヤノンEF24mmF1.4LIIレンズと比べると、 大きさ、重さ共に一回り小さくなっています。

レンズには、脱着可能な花形フードが取り付けられています。 レンズキャップは、右下写真のように、フードの上から被せる方式になっていますが、 固定力が弱く、カメラバックの中でキャップが外れてしまっていることがありました。

曲率が大きなレンズが第一レンズに用いられているため、レンズ前面にフィルターをねじ込むことはできません。 そのため、フィルターは、レンズ後部挟み込み式となっています。 星空撮影でソフトフィルター等を使用する場合は、シートフィルターを所定の大きさにカットし、 このホルダーに差し込むことになります。 なお、レンズは防塵・防滴構造となっています。 また、フッ素コーティングも施されており、通常のレンズと比べて汚れが付きにくくなっています。

EF8-15mmF4LフィッシュアイUSMのレンズ前面 EF8-15mmF4LフィッシュアイUSMのカメラマウント部分
EF8-15mmF4LフィッシュアイUSMの胴体部分 EF8-15mmF4LフィッシュアイUSMのキャップをはめたところ

一般撮影での印象

虹の写真 私の場合、キヤノンEF8-15mmF4L USMレンズは星空の撮影用に購入したため、 風景や一般撮影でこのレンズを使用することは希なのですが、 たまに一般撮影に使ってみると、抜けが良く、クリアな画像を楽しめるレンズです。

最短撮影距離が0.15mと短いので、引き立てたい被写体に思い切り近づいて写せば、 魚眼効果と相まって、インパクトのある写真が撮れるのではないでしょうか。 また、全周魚眼の広写野を生かして、一風変わった構図を表現できるのも魅力だと思います。

右上は、このレンズで撮影した虹の写真です。 地平線を画面中央に配し、魚眼効果がわからないような構図にして撮影しました。


星空撮影での印象

キヤノンEF8-15mmF4LフィッシュアイUSMとキヤノンEOS5DMarkIIを使用して星空を撮影した際の星像と印象をご紹介します。

下の写真は、レンズの焦点距離を8mm、絞りをF4.5に設定し、レンズを天頂に向けて撮影した全天星空写真です。 全天写真の下には、その画像の中央部と周辺部をトリミングしたピクセル等倍画像を掲載しました。 なお、輝星を目立たせるために、LEEソフトフィルターNo2を装着して撮影しています。

キヤノンEF8-15mmF4Lで撮影した全天星空写真

各部ピクセル等倍画像

ピクセル等倍画像

※周辺減光補正などの画像処理はしていません。
撮影にはポータブル赤道儀を使用しています。

写真に光害の影響が出ているため分かりづらいですが、 全天写真をご覧いただくと、周辺減光はそれほど大きくないことがわかります。 また、ピクセル等倍画像で確認すると、写野周辺部でも星像はほぼ円形を保っており、 色収差もほとんど感じられません。 この結果から、焦点距離8ミリで撮影する場合、絞り値F4.5で実用になる印象を受けました。

レンズ焦点距離15ミリで撮影

次に、レンズの焦点距離を15ミリに固定して、 絞りF4.5で撮影したときの星空写真と、その画像のピクセル等倍画像を示します。 撮影機材は上と同じく、キヤノンEOS5DMarkIIで、LEEソフトフィルターを使用しています。

全天星空写真

各部ピクセル等倍画像

全天星空写真

※周辺減光補正などの画像処理はしていません。
撮影にはポータブル赤道儀SWAT-200を使用しています。

まず全体写真を見た場合、画面の最四隅で減光が発生していますが、全体としては周辺減光は少なめだと思います。 次にピクセル等倍画像を見ると、周辺部では、収差の影響で、星の形が三角形に変形しているのがわかります。 放射状に大きく流れているわけではないため、それほど目立ちませんが、 全面に点像を結ばせたい場合は、もう少し絞って撮影した方がよさそうです。


キヤノン EF8-15mmF4Lで全天星空撮影

キヤノン EF8-15mmF4Lレンズで撮った全天星空写真 キヤノン EF8-15mmF4LレンズとキヤノンEOS5DMarkIIを組み合わせて、 天頂で輝く夏の天の川銀河を撮影しました。 撮影場所は、星空が綺麗な場所として知られるニュージーランドのテカポ湖です。

全天の星空写真は、少々特殊な星空写真と言えるかもしれませんが、 撮影地の星空の状況がよくわかるので、新しい撮影地を訪れたときには、忘れずに撮影するようにしています。 一定期間を置いて継続的に撮影すれば、光害の影響の移り変わりを示す客観的なデーターとして使えるかもしれません。

ところで、銀塩フィルムが全盛の頃、全天星空写真は自作のカメラでよく撮影されていました。 人気があったのは、ペンタックス67用の35ミリフィッシュアイレンズと自作4×5カメラの組み合わせと、 シグマ15ミリフィッシュアイレンズとブローニー版フィルムが使える自作カメラの組み合わせでした。 私は主に後者の組み合わせで撮影していましたが、その頃と比べると、デジタルは撮影の成否がすぐわかるのがありがたいです。


まとめ

キヤノンEF8-15mm F4Lレンズは、周辺部で若干星像が流れるものの、 ほぼ均質と言える星像を結び、星空撮影に向いている印象を持ちました。 ただ開放F値が4と若干暗いため、星の位置をファインダー越しに確認するのは難しいと感じました。 構図を合わせる場合は、試写する必要がありそうです。

キヤノンEF8-15mm F4Lレンズは、高性能なガラスやコーティングが用いられているため、星像はシャープです。 ピント位置によっては、若干の色収差が感じられることもありましたが、目立つ量ではありませんでした。 ポータブル赤道儀と組み合わせて、いて座からはくちょう座にかけての夏の天の川を写す際など、 広がりのある星空を写す際に重宝するレンズだと思います。

35ミリフルサイズデジタル一眼レフカメラと組み合わせれば、全天写真を撮影できるのもこのレンズの魅力です。 星空撮影に適した魚眼レンズの一つだと思います。

キヤノンEF8-15mm F4L フィッシュアイ USMのスペック

名称 キヤノン EF8-15mm F4L フィッシュアイ USM
焦点距離 8-15mm
レンズ構成 11群 14枚
絞り羽枚数 7枚
最短撮影距離 0.15m
フィルター径 挟み込み
大きさ 83mm×78.5mm(最大径)
重量 540g

キヤノン EF8-15mm F4L フィッシュアイ USMの価格
キヤノン EF8-15mm F4L フィッシュアイ USM

全周魚眼から対角魚眼までカバーするキヤノンのフィッシュアイレンズです。 開放F値が4なのが残念ですが、星像が良好なので、広い写野とともに、星空撮影に使い易いレンズです。 天の川銀河の広がりなど、超広角が必要な場面で重宝するレンズだと思います。

星空撮影用の魚眼レンズとしては、シグマの15mm F2.8EX DGフィッシュアイレンズが人気ですが、 シグマレンズと比べると、このキヤノンレンズの方が星像がシャープに思えます。 ただF値はキヤノンの方が暗いので、ファインダー像はシグマの方が明るく見やすいです。 高価なレンズですが、ズームレンズですので、単焦点レンズ2本分の画角を楽しめると考えるとお買い得かもしれません。

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