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キヤノンEOS40Dと冷却改造モデル

キヤノンEOS40Dは2007年8月に登場した一眼レフデジタルカメラです。 キヤノン10Dから続くこのシリーズは、キヤノンのデジタル一眼レフカメラの中で、中級モデルとしての位置づけを担っています。 今回のキヤノンEOS40Dは、キヤノンEOS30Dの発売から約一年半後に発表されました。

天体写真撮影用として、冷却改造されたキヤノンEOS40Dが2008年に登場しました。 この冷却改造モデルは長時間ノイズが非常に少なかったので、天体写真ファンの間で大きな話題となりました。 下の写真の左側がノーマル機、右側が冷却改造モデルです。 冷却改造EOS40Dのボディの横には、クーラーが取り付けられているのがわかります。Y.Tさんからいただいたデータを元にその性能を見てみましょう。

キヤノンEOS40Dと冷却改造40D


キヤノンEOS40Dの概要

キヤノンEOS40Dには、1,010万画素のCMOSセンサーが搭載されています。 キヤノンEOS30Dに使われていた820万画素の撮像素子と比べると、約1.2倍の画素数を有しています。 画像処理エンジンのDIGICUは、バージョン3のDIGICVとなり、ライブビュー機能も搭載されました。

天文ファンにはあまり関係がないですが、連射性能が上がったのがこのEOS40Dの特徴です。 EOS30Dの最高毎秒5コマから毎秒6.5コマへと大幅に向上しました。動く被写体を撮影する写真ファンから評価が高いカメラでした。

新たに登場したキヤノンEOS40Dですが、カメラの信頼性は高いものの、キヤノンEOSKissDXと同じ有効画素数しかありませんでした。 そのため、次に登場した廉価モデルのキヤノンEOSKissX2に画素数では抜かれることになってしまいます。


冷却改造キヤノンEOS40D

キヤノンEOS40Dが登場してしばらくすると、韓国のセントラルDSから冷却改造されたASTRO40Dが登場します。 その後、国内の天文ショップからもSEO-COOLED40Dが発売開始されました。 どちらのデジタル一眼レフカメラも、フィルター改造と冷却改造が行われた天体写真撮影専用モデルです。

このデジカメの冷却改造は、ペルチェ素子を使ってCMOSセンサーを冷却することで、長時間ノイズの低下を狙ったデジタル一眼レフカメラです。 天体写真では長時間ノイズの量が、撮影時の最も大きな問題になるので、デジカメのノイズが少ないということは大きなアドバンテージになります。 それを、撮像素子の冷却という方法で実現したのが、冷却改造デジタル一眼レフカメラです。 このキヤノンEOS40Dの冷却改造モデルは、外気温からおよそ15度〜25度撮像素子の温度を下げられるようになっています。

天体写真に理想的な冷却改造デジカメ、キヤノンEOS40Dですが、問題点もあります。 その一つとして上げられるのは価格が高いことです。 この記事の執筆時、キヤノンEOS40Dボディは9万円程度で売られていますが、冷却改造モデルは30万円以上の価格設定です。 また、消費電力が最大約3A前後と大きいため、大きな外部電源を別に必要とするのも難点の一つです。 ボディ自体もデリケートな構造になっていますので、取り扱いには注意する必要があるでしょう。


冷却改造キヤノンEOS40Dの長時間ノイズ

冷却改造されたキヤノンEOS40Dの長時間ノイズの量を下に示します。 下はISO400に設定し、露出時間2400秒で撮影したノイズ画像です。 撮影時の室温は約20度で、デジカメのセンサー温度はマイナス1度前後で撮影を行っています。 普通のデジタル一眼レフカメラなら、40分も露出するとノイズだらけで画像は使い物になりませんが、冷却改造デジカメではぱっと見た限りノイズが見あたりません。

キヤノンEOS40D,ISO400,2400sec

次に上の画像の中央部の等倍画像です。

キヤノンEOS40D,ISO400,2400sec

最後にこの画像をPhotoshopのレベル補正で強調してみました。レベル補正のレンジ幅を5分の1に縮小しています。

キヤノンEOS40D,ISO400,2400sec

ここまで強調するとノイズが若干画像に現れてきますが、それでも非常に少なくなっています。 キヤノンEOS40Dはそれほどノイズが少ないデジカメではありませんが、デジカメのセンサー温度が下がればノイズが減るということがよくわかります。 真冬の撮影でしたら、外気温が0度を下回ることもあります。 そうした状況であれば、お手持ちのデジタル一眼レフカメラでも、これと同じ程度の低ノイズ撮影を楽しめるでしょう。 ただ連続撮影しているとセンサー温度は上がってきてしまうので、センサー温度一定に低く保つ意味でも冷却改造のメリットはあると思います。


冷却改造デジカメの今後

このキヤノンEOS40Dの冷却改造モデルは価格が高いのがネックでした。 最近では、キヤノンEOSKissX2を使った安価な冷却改造モデルが登場して、天体写真ファンの間で徐々に人気が出つつあります。 特に冷却CCDカメラのカラーバージョンを使っていたユーザーが、この冷却デジカメに流れる現象が起こっています。 冷却改造デジカメは高価と言っても、冷却CCDカメラに比べると、冷却デジタル一眼レフカメラの方が価格がずっと安いですから、自然な流れともいえます。

天文ファンの低ノイズデジカメの欲求から生まれた冷却改造デジカメ「キヤノンEOS40Dアストロカメラ」。 今後は、星を撮影するデバイスの一つとして、冷却デジタル一眼レフカメラがより支持されていくのだろうと思っています。 より低消費電力で、安価な冷却改造デジタル一眼レフカメラが登場するといいですね。

キヤノンEOS40Dのスペック

名称 キヤノンEOS40D
有効画素数 約1010万画素
撮像画面サイズ APS-C(22.2x14.8mm)
記録メディア CFカード
連続撮影枚数 最高6.5コマ/秒
ファインダー視野率 95%
ISO感度設定範囲 ISO100〜3200
液晶モニター 3.0型,約23万ドット
ライブビュー機能 あり
重量 740グラム

画像提供:Y.Tさん

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