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冷却CCDカメラとは

天体写真の撮影に使用しているSBIG製冷却CCDカメラの使用感をまとめたページです。 これから冷却CCDカメラを使って、天体写真撮影を始めようとしている方向けに、 購入前に知っておきたい点などを箇条書きにしてみました。

冷却CCDカメラ外観


冷却CCDカメラの外観

上の写真は、中判銀塩カメラのペンタックス67とSBIG製の冷却CCDカメラ、ST2000XMを並べておいた様子です。 このSBIG製ST2000XMの撮像素子には、200万画素のモノクロCCDチップが使われています。

冷却CCDカメラの実物を初めて見たときは、本体が思ったより大きくて驚いたのを覚えています。 写真からもおわかりいただけるとおり、ペンタックス67と同じくらいの大きさがあることがわかります。 重さもペンタックス67と同程度なので、望遠鏡に取り付ける場合は、この重さに耐えられる接眼部が必要だと思います。


冷却CCDカメラのフィルターホイールについて

ST2000XMST2000XMはモノクロタイプの冷却CCDカメラです、 そのため、カラー画像を最終的に得ようと思えば、 RGBフィルターを使って撮影し、パソコン上で3色合成しなければなりません(テクニカルパンによる三色合成をされていたらよくご存じだと思います)。 冷却CCDカメラ前面には、RGBフィルターを取り付けられるフィルターホイールを接続して使用しています。

RGBフィルターフィルターホイール自体は、冷却CCDカメラ に固定できますので、取り付けると冷却CCDカメラに一体化されます。下の写真はフィルターホイールを取り付けた冷却CCDカメラです。 右写真はフィルターホイールの前面フタを外した状態です。中には5枚のフィルターがセットされているのがわかると思います。

このフィルターホイールは、下の小さなモーターにより電動で回ります。 実際の撮影時には、パソコンソフト上で指定フィルターをクリックしてフィルター交換します。 自動的に撮影フィルターを撮像素子の前面にセットしてくれますので、大変便利です。


冷却CCDカメラのセルフガイド機能について

冷却CCDのチップ SBIG社の冷却CCDカメラには、セルフガイドという機能が付属しています。 これはオフアキシスガイドのようなもので、冷却CCDカメラ本体に撮影用のCCDとガイド用のCCDが入っていることで実現されている機能です。

右上にST2000XMに使われているCCDチップの写真を載せてみましたが、上の大きなCCDが撮影用のCCDで、下の小さなものがガイド用のCCDです。 この二つのCCDチップによって、撮影しながらガイドしていくわけです。 特に大きい方が撮影専用と決まっているわけではないので、ソフトウェア上で逆にしたりすることも可能です。 また、大きいCCDだけ使って、デジタル一眼レフカメラで撮影する際のオートガイダーとして使用することも可能です。

セルフガイド機能は、新たにガイド鏡を載せる必要がありませんので、とても便利な機能だと思います。


冷却CCDカメラの感度

冷却CCDカメラの感度は「量子効率(QE)」という言葉で表されます。なんだか難しい言葉ですが、効率がよいほど高感度であるとい うことだけに注目すればよいと思います。

下のグラフが私の使っているST2000XMの感度表ですが、光の波長によって感度が異なることがわかります。私の冷却CCDカメラには、 最新のKAI2020MというCCDチップが使われています。このチップの感度を見ると(赤色の方)、長波長側は感度が低い ことがわかります。ですので、赤色散光星雲に対しては、感度が低いということがこのグラフから読み取れます。

この量子効率特性は、CCDチップの形式や製造メーカによって著しく異なるので、自分が欲しい特性のものを選べばよいと思います。 ただし感度の良さと比例して冷却CCDカメラの値段もグーンと上昇しますので、その辺りは値段との兼ね合いというところでしょうか。 SBIG社で人気が高いST-10XMなどは非常に高い感度を誇っていますが、価格はST2000XMの倍程度です。また、ABG(アンチブルーミングゲート)という 機能がないカメラほど感度が高い傾向があります。

冷却CCDの感度


冷却CCDカメラの価格

冷却CCDカメラの購入を考えた際、その決断を躊躇させるのは高い価格でしょう。廉価版のデジタル一眼レフカメラが6万円ほどで買える時代に、 冷却CCDカメラは軽く30万円ほどもします。フルサイズCCDを使った冷却CCDカメラなら、100万以上と軽自動車並みの価格です。 数多く売れるデジカメと比べてもいけませんが、高い価格と天体専用と言うことを考えるとなかなか手が出にくいカメラです。

また、冷却CCDカメラは内外価格差が大きい商品の一つです。 同一商品のアメリカと日本の価格を比べると、倍以上の開きがあることも希ではありません。 こうした内外価格差が、日本国内での冷却CCDカメラの普及を妨げている可能性は少なからずあるでしょう。


冷却CCDカメラを使った撮影時に必要なもの

撮影時に必要なものとしては、冷却CCDカメラ本体(カラー撮影するならRGBフィルターも)、 USBケーブル、電源ケーブル、オートガイドケーブル、パソコン、電源(バッテリー)ぐらいだと思います。 今までにST5などを使って、オートガイド銀塩撮影されている方でしたら、冷却CCDカメラ以外は買い足す必要がないと思います。 実際USBや電源ケーブルは、冷却CCDカメラに付属していることがほとんどですので、本体以外で買う必要があるものは、フィルターや電源ぐら いでしょう。


冷却CCDカメラ使用の第一歩

冷却CCDカメラはパソコンのUSBデバイスですので、パソコンに繋いだときにパソコン側がカメラを認識する必要があります。 ですから、必ずカメラを繋げる前に、パソコンにデバイスドライバや制御ソフトをインストールしましょう。 それから初めて冷却CCDカメラが使えるようになります。

冷却CCDカメラが使えるようになったら、フィルターワーク、セルフガイドなどは後回しにして、夜になったら望遠鏡に繋いで適当に 撮影してみましょう。初めは明るめのメシエ天体などをモノクロで写してみるのがよいと思います。都会の星空の元でも明るい銀河などが写 って、ビックリすることと思います。

私も初めはなにもわからず怖かったですが、それほど特殊な機器ではないと思います。気軽に使ってみるのがよいと思います。下の写 真は冷却CCDカメラを購入して、家から初めて撮ったおおぐま座の銀河です。

初めての冷却CCDカメラの写真


モノクロCCDとカラーCCDの違い

冷却CCDカメラには、モノクロタイプとカラータイプがあります。一般撮影用のデジタルカメラは、 ほとんどがカラータイプを用いていますが、天体用の冷却CCDではモノクロタイプが未だに主流です。 モノクロCCDとカラーCCDでは、どこが違うのでしょう。相違点を箇条書きにしてみました。

天体写真で多く用いらているモノクロCCDでも、フィルターワークによってカラー画像を得ることが可能です。 モノクロCCDカメラでも研究用に使う目的でなければ、やはりカラー写真にしたいのが人情だと思いますから、ほとんどのモノクロ冷却CCDカメラユーザ は、手間と時間をかけてフィルターワークに挑戦しているはずです。

このフィルターワーク撮影は、同じフレーミングで何回も撮影する必要があります。ですので、被写体が静止している必要があります。その点にお いて、天体撮影はモノクロ冷却CCDカメラ向きの撮影対象と言えます。それに反して、人物などの一般撮影では、全く同じフレーミングで 撮ることはほとんど不可能です。そのこともあって、デジタル一眼レフカメラではカラーCCDを採用しています。

カラーCCDに用いられているCCDには、CCDを構成するピクセル一つずつにカラーフィルタが取り付けられています(単板カラー式と呼ばれています)。 このカラーフィルタの配列は、ベイヤー配列というG画素が多くなった形式で、この特殊なフィルタ配列により正確な色を再現できるようになっています。

モノクロCCDとカラーCCDを比べた場合、仮に両方のCCDサイズが同じだとしても、カラーCCDの場合にはピクセルごとにRGBフィルタが装着されている ため、1ピクセルに当たる光量が減ってしまいます。結果として、同じSN比を得るためには、露出が長くかかってしまうことになります。

カラーCCDの良い点は、一度の撮影でカラー情報を得られることです。自転しているためいつも同じ面を向 けていない惑星(特に自転が早い木星)の拡大撮影には、非常に優れた特性を示すものと思います。実際に惑星撮影に絶大な人気を誇るToUcamProもカラーCCDカメラの一つです。

モノクロCCDに比べてカラーCCDは単色で光る対象に弱いという欠点があります。例えば光害地でHαフィルターを使って星雲を撮った場合、カラーCCD上で はHα光に感光するのは、Rフィルタが装着されたピクセルだけです。その結果、G,Bフィルタ分の画像は画像補完によって処理されますから、最終的には粗い画像になってしまいます。

また、カラーCCDと極めてシャープな望遠鏡で星雲を撮影した場合、シンチレーションが非常に落ち着いていれば、焦点が1ピクセル上に集中してしまう ことがあります。その結果、その星の色はそのピクセルのカラーフィルタの色に依存してしまい、偽色が発生してしまいます。これを防ぐために一般のデジタルカメラ には、ローパスフィルターが付いています。ローパスフィルターは、この焦点の集中を防ぐために像をわずかに甘くする作用があります。それによって偽色 の発生を抑えているのですが、それでも完全とは言えず、偽色が認められることもあるようです。

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