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プロボックスをユーザー車検

プロボックスを兵庫陸運部(神戸陸運局)に持ち込み、ユーザー車検を受検しましたので、 備忘録を兼ねて、読みやすいようにまとめました。 なお、トヨタプロボックスは、4ナンバーの自家用貨物自動車ですので、 新車時の2年目車検以降は、毎年車検が必要になります。

ユーザー車検の前に定期点検

ユーザー車検の受検前に、定期点検整備を行う必要があります。 定期点検の項目は、省令に定められた自動車点検基準に従って行います。

ただ、別表第6の自家用乗用自動車と異なり、自家用貨物自動車は別表第5に基づき、 点検整備を実施しなければなりません。 省令に点検項目が載っていたので、下の定期点検簿を自作し、これに基づき点検整備を行いました。

自家用貨物自動車用 別表第5

自家用貨物自動車の定期点検記録整備簿 別表第5関係

点検項目は多岐にわたっていますが、車に該当する機器がない場合もありますので要注意です。 私のプロボックスの場合は、パワーステアリング機構が、電動パワーステアリング(EPS)ですので、 パワステのベルトやオイルの点検は必要ありませんでした。

ところで、上記の別表第5に基づく定期点検記録簿のPDFファイルを、下のアドレスにアップロードしました。 ダウンロードいただき、ユーザー車検の点検整備にご活用いただければ幸いです。

定期点検整備記録(別表第5) ダウンロード

※定期整備点検はユーザー車検後に実施してもOKですが、 車検前に実施しておくと、車検に通りやすいと思います。

ユーザー車検の予約点検

定期点検が終了してから、ユーザー車検の予約を行いました。 予約は、独立行政法人自動車技術総合機構が管理している「自動車検査インターネット予約システム」から行います。

ユーザー車検予約画面

上は予約画面の一例です。 予約は午前と午後と分かれていますが、ほとんどの人は、再検査が必要になった場合を考え、 時間に余裕がある午前を選択します。

ユーザー車検の予約は2週間前から可能です。 車検は、全国どこの検査場でも受けられますが、最寄の検査場が便利でしょう。 私は神戸ナンバーですので、兵庫陸運部で予約しました。 なお、「車検」は「継続検査」のことですので、予約時は、継続検査の項目を選択しましょう。

ユーザー車検の費用

4ナンバーのプロボックスのユーザー車検に必要な費用は、以下の表の通りです。 参考までに、車中泊用として人気のあるハイエースと価格を比べてみました。

車種 プロボックス ハイエースバン
(4ナンバー)
自賠責保険料 15,050円(1年) 15,050円(1年)
自動車重量税 6,600円
(エコカー:5,000円)
12,300円
(エコカー:7,500円)
印紙代 1700円 1700円
合計 23,350円(エコカー:21,750円) 29,050円(エコカー:24,250円)

上の金額は、ユーザー車検のみにかかる費用ですので、 部品交換費用や定期点検整備を業者に依頼した費用は含まれていません。

※2020年4月1日から自賠責保険料が17,350円から15,050円に値下げされました。

継続検査に必要な書類

車のオーナーが自ら実施するユーザー車検ですので、車検時に必要な書類は、 全て自分でそろえる必要があります。 車検時に必要な書類は、以下の7点です。

1.自動車検査証(いわゆる車検証)
2.自動車税納税証明書(毎年5月に支払っている証明書)
3.定期点検整備記録簿(車検後に検査する場合は不要)
4.自賠責保険証明書(現在のと新しいのが必要)
5.自動車重量税納付書
6.継続検査申請書(3号様式)
7.自動車検査票

1〜3番までは、既にお手元にあると思います。 4番の自賠責に関しては、現在の証書を持参すれば、新しい自賠責は、 兵庫陸運部と同じ敷地内にある自動車協会で申し込むことができます。 5〜7番は、すべて車検場で入手できます。

あと忘れてならないのは、ユーザー車検予約時に発行される予約番号です。 検査票に予約番号を記載する必要があるので、忘れずにメモしていきましょう。

あと当日は書類が多く混乱するので、A4ペーパーを挟めるバインダーを持参すると便利です。

兵庫陸運部とユーザー車検当日の流れ

兵庫陸運部の敷地内には、下写真のように、 兵庫陸運部(神戸陸運部)と兵庫県自動車会館のビルが建っています。

兵庫陸運部の敷地内

車検当日の流れは以下の通りです。

検査受付

継続検査に必要な書類を用意します。 行政書士がいる代書屋に依頼も可能ですが、 兵庫陸運部の場合は、敷地内にある兵庫県自動車会館で必要書類は売っていますので、 記載例を見ながら記入すると良いでしょう。

必要書類の記載が終わったら、兵庫県自動車会館の窓口で印紙と証紙を購入してから兵庫陸運部に移動し、 ユーザー車検の受付窓口に書類一式を提出します。 この時、担当者から「車を動かして何番検査場に入ってください」と言われると思います。

コースで車検を受ける

受付が終わったら、書類を挟んだバインダーを持って車に乗りこみ、 車を動かして、検査場の指定コースの最後尾に車を移動します。

兵庫陸運部の検査コースは6つの行程(ブロック)に分かれていて、 全ての検査にパスすれば合格です。 1つでもパスしなければ不合格になりますが、当日なら3回までは無料で再検査を受けられます。 各ブロックの詳しい内容は下でご説明します。

なお、混んでいる時期(3月末など)は、車検場にはかなりの数の車が並びます。 私が訪れた4月第一週も混雑していて、検査場に入るまで、1時間近く待ちました。

車検証の交付

検査に合格したら書類をそのまま持って、事務所の継続検査窓口に提出します。 書類に不備がなければ、新しい車検証とフロントガラスに貼るステッカーを交付してもらえます。

各ブロックの検査内容

慣れない書類の記入も大切ですが、ユーザー車検の要はブロックごとの車両検査です。 以下に各ブロックの検査の概要と、検査合格のポイントを記載しました。 なお、検査官や案内の声が聞こえるように、運転席の窓ガラスは開けておきましょう。

第1ブロック:外観検査と同一性の確認

このブロックでは、車検を受ける車の外観やエンジンルームをチェックされます。 具体的な検査項目は以下の通りです。

外観からの検査
ナンバープレートの確認
フロントガラスの傷
運転席と助手席の窓のフィルムの有無
車高や車幅、全長からはみ出しているもののチェック
フォグランプなどの取り付け状態
タイヤのチェックとナットの締め付け
ハザードランプ、ウィンカー、ランプ類の動作チェック(室内外)
ワイパーとウォッシャーの動作確認
ホーンのチェック
運転席のウィンドウの動作確認

エンジンルームや車内からの検査
エンジン形式と車台番号のチェック
オイルや水漏れ
ホースやバッテリー配線のチェック
室内の警告灯のチェック
サイドブレーキの動作確認
シートベルトのチェック
発炎筒の有効期限

検査官によって多少異なるかもしれませんが、チェック項目は以上です。 文章だけ読むと、非常に大変に感じられますが、検査官は手際よくチェックしていくので、 あっという間に終わります。

ユーザー車検の自動テスター

実際の検査の流れとしては、検査場に入る直前になると、検査官が車に近づいてきますので、 バインダーごと書類を渡しましょう。

検査官は、書類を受け取るとすぐに車の前に回りこみ、ウィンカーやライト点灯を指示しますので従いましょう。 その後、エンジンルームを開け、車内を見てもらえば終了です。

検査合否のポイントとしては、ライト類を確認しておくことだと思います。 特にリア側のランプ切れに気づかない場合が多く、私も一度、ハイマウントストップランプの玉切れで、 再検査になったことがあります。 また、タイヤのホイールキャップは、検査場に入る前に外しておきましょう。

第2ブロック:サイドスリップ検査

タイヤの向きやサスペンションの取り付け角度を確認する検査です。

ユーザー車検の検査場写真

検査場の信号が青に変わり、ゆっくり前に進んでいる間に検査は終了します。 気づかないうちに検査が終わってしまった、というのが素直な印象です。

検査合格のポイントは、タイヤが白線の内側を通るように誘導することと、 検査中はハンドルを切ったり、ブレーキを踏んだりしないことです。 もし、サイドスリップ検査が不合格になった場合は、自分で調整するのは難しいでしょう。 整備工場に行くのをお勧めします。

第3ブロック:スピードメーター、ブレーキ、ヘッドライト検査

神戸陸運局では、スピードメーターから前輪後輪のブレーキ、 ヘッドライトをマルチテスターで検査します(検査ラインによって若干異なります)。 これらの検査が、ユーザー車検の最難関ではないでしょうか。

サイドスリップ検査の後、車の前輪がローラーの指定位置に来るように停車します。 停車後、スピードメーター検査が始まります。 徐々に速度を上げ、スピードメーターが40キロになった時点でパッシングを行います。

ユーザー車検のヘッドライト検査

スピード検査の後、ヘッドライトの検査が始まります。 ロボットのようなテスターが、自動的に左右のヘッドライトの明るさや照らす方向を調べるので、 画面の指示に従いましょう。 なお、以前はハイビームで検査を行っていましたが、今はロービームで光軸を調べます。 ロービームで不合格の場合は、ハイビーム検査に切り替わることがあります。

次に前後ブレーキの検査です。画面の合図に合わせて、ブレーキを踏み込みます。 画面では「ゆっくりと踏む」と出ますが、力強く思いっきり踏みこみましょう。

続いて、駐車ブレーキ(サイドブレーキ)の検査も行います。 こちらも画面の合図に合わせて、力いっぱい駐車ブレーキを踏み込みます(もしくは引く)。

合格ポイントですが、スピード検査は、スピードメーターが大きくずれていない限りは問題ないでしょう。 スピードメーターに不安がある場合は、GPSロガーなどを使用して移動速度とメーターを比較しておくと安心です。

ユーザー車検のスピードメーター検査

ヘッドライトのテストは、光軸が合っていないと必ず落ちます。 自分で調整も可能ですが、光軸を確認する機器がないとなかなか難しいです。 テスター屋や整備工場で調整してもらうのがベストと思います。 ちなみに、私のプロボックスも右のライトは、ロービーム不合格で、ハイビームで合格となりました。

ブレーキ検査は、画面の合図に合わせて力いっぱい踏み込めば、まず合格します。 慣れない場合は、検査前の駐車場に車をとめて、力いっぱい踏み込む練習をしておくとよいかもしれません。

このブロックは、検査項目が多い上、画面の指示が早いので、焦ってしまうことも多く、 ユーザー車検で最も不合格が出やすいブロックです。 「不合格なら再検査でいいさ」という気持ちで受検するのが、合格の秘訣かもしれません。

第4ブロック:下回り検査

下回り検査は、ピットと呼ばれる場所で、地下にいる検査官が実施します。 右側の電光掲示板の指示に従い、ハンドルやブレーキなどを操作します。 突然車が揺れることがありますが、足回りのガタを見るために振動を与えているためです。

検査のポイントとしては、検査官はオイル漏れなどを見ているので、 ユーザー車検前の整備点検では、エンジンオイルに漏れがないかをチェックしておきましょう。

ドライブシャフトに付いているブーツが損傷していて、不合格になるケースがありますので、 検査前に一度は車の下回りを確認しておくと安心です。

第5ブロック:排ガス検査

車から降りて、コース右側に置かれた「プローブ」と呼ばれる金属製の細いパイプを、 自分でマフラーに差し込みます。 プローブを差し込むと、検査器の表示が「計測中」に変わり、しばらくすると合否判定が表示されます。

ユーザー車検排ガス検査

プローブを奥まで差し込みすぎると、濃度が高くなる恐れがあるので注意が必要です。 また、計測中はプローブを動かさず、しばらく持っているようにしましょう。

第6ブロック:総合判定

車検ラインの出口のボックスに検査官がいるので、 バインダーが入った用紙一式を手渡し、全ての検査結果を確認してもらいます。

合格していれば、検査完了の印が押され、書類を返してくれますので、 それを継続検査の受付に持っていけば、新しい車検証を発行してくれます。

不合格があれば、その箇所と理由を確認して、整備後に再び検査ラインに並びましょう。

スピードメーターの誤差について

車にGPS計測器を取り付けていると、車のスピードメーターとGPSに表示される速度にズレがあることに気づきます。 プロボックスのスピードメーターの場合は、GPSの表示速度に比べ、 4.5km/hほど早く表示されます。 一般的に、車の速度計は、実際の走行速度よりも約5km/h速く表示されることが多いようです。

タイヤの磨耗や空気圧の変化の影響もあるため、スピードメーターに誤差が生じるのも仕方ないと思いますが、 5kmとは結構大きな値です。

道路運送車両の保安基準の細目を定める告示の第148条に、速度計についての表記があり、 ある程度の誤差が認められています。 法ユーザー車検でもスピードメーターのテストは、合格になる範囲が大きく、 速度を大きく超過しない限りは、この検査項目で不合格になることは希だと思います。

ヘッドライトの光軸検査について

現在のヘッドライトの光軸検査は、ロービームが基本ですが、 ロービームで不合格が出ると、自動的にハイビームに検査が切り替わり、 ハイビームで合格ならOKとなる場合があります。 なんだか不思議な感じがしますが、経緯は以下の通りです。

ヘッドライトの光軸検査

平成27年9月1日以降、検査ラインのヘッドライト光軸測定は、ロービームで測定する事になりましたが、 変更後、ヘッドライトのテストで不合格になる車が多発しました。 ヘッドライトテストが非常に厳しくなったのです。

実際、私もテスター屋で調整後に持ち込んだ車が、ヘッドライト検査で不合格になってしまったことがありました。 この影響で、ユーザー検査のラインは大渋滞で現場も混乱し、新しい通達が出されました。

現在は、ロービームで不適合が出ても、 ある一定の条件を満たした場合(右方のカットオフラインがロービームの照明部の中心が水平面より下方にある場合等)は、 計測困難な車として、ハイビームで測定を行なうことが記されています。 いわゆる救済措置だと思いますが、この原則で現在は運用されていますので、 ロービームで不合格でも、ハイビームで合格ならOKという判断が出る場合があります。

神戸カーテスター

車検場の近くには、予備検査場やテスター屋と呼ばれる民間の整備施設があります。 ここには車検場のラインと同じような設備があり、事前にユーザー車検の予備検査を受けられます。

神戸カーテスター

兵庫陸運部の近くには、神戸カーテスターという予備車検場があり、 神戸でユーザー車検を受ける方が訪れています。 私もヘッドライトの光軸調整で毎年お世話になっています。 ちなみにヘッドライトの光軸調整は、2020年4月現在で700円でした(ヘッドライトの種類によって価格は異なります)。

ユーザー車検に必要な自賠責保険も、神戸カーテスターで申し込むことができます。 ユーザー車検の関係書類も準備してくれるので、車の点検に不安があれば、 訪れてみてはいかがでしょう。 お店は、阪神高速5号湾岸線の魚崎浜インター降りてすぐです。

神戸運輸監理部 兵庫陸運部の混雑について

決算時期に車を購入する人が多いため、3月の車検場は大変混み合います。 酷いときは、陸運部の駐車場の外まで、ユーザー車検を待つ車であふれています。

ユーザー車検は、車検満了時の1ヶ月前から受検できるので、 できれば、この時期を避けて行くことをお勧めします。 曜日では、比較的、月曜日と火曜日が空いているように思います。

ユーザー車検について

カーディーラーや民間車検業者に車検をお任せするのは安心で楽ですが、 ユーザー車検を受けると、自分で点検するので車の各部や車検制度について詳しくなり、 車の整備に努めようという意識が芽生えました。

ユーザー車検は、車検費用の節約ばかり強調されがちですが、 整備を通じて、車の安全走行についての意識が高まる良い機会にもなると思いました。 一人の運転者として、一度、経験しておくのも良いのではないでしょうか。

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