じょうぎ座 Norma

じょうぎ座は、さそり座の南で輝いている星座で、フランスの天文学者ラカイユが設定した星座です。 夏が見頃の星座ですが、日本からは地平線ぎりぎりにしか見えません。 その上、暗い星が多いため、星座の形を想像するのはほとんど不可能でしょう。

オーストラリアやニュージランドまで出かければ、じょうぎ座は天高く昇るため、 見つけやすくなりますが、それでも小さな星ばかりであることは変わらず、 目立たない星座です。 隣には、さいだん座やケンタウルス座が輝いていますが、 これらの星座の間を埋めるために作られた星座なのでしょう。


じょうぎ座と神話

じょうぎ座は、フランスの天文学者ラカイユによって新たに作られた南天の星座のため、 ギリシア神話には登場していません。 ラカイユが新設する以前は、みなみのさんかく座の一部ともされていた星域だけに、 今でもあまり注目されることの少ない星座です。


じょうぎ座の形

星座絵が描かれた星図を見ると、じょうぎ座の定規の形は、直角定規と一般的な定規を組み合わせたような形をしています。 私たち日本人の目からすると、時代劇によく登場してくる十手のように見えるかもしれません。


双眼鏡や天体望遠鏡で見るじょうぎ座

NGC6067散開星団

星座を構成する星々は、暗く目立たない物ばかりのじょうぎ座ですが、 明るく大きな散開星団NGC6067が輝いているので、双眼鏡や天体望遠鏡を向けられることの多い星域です。 この星団は大きさが15分程度と大きく、双眼鏡で観望すると星が集まっている様子がよくわかりました。 見応えがある散開星団なので、南半球に星空撮影に出かけた際には、忘れずに観測したい対象です。