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けんびきょう座 Microscopium

けんびきょう座は、夏から秋口にかけて南の空低く見える星座で、山羊座の下に位置しています。 思った以上に広い面積を占めている星座ですが、明るい星はなく一番明るい星でも5等星です。 そのため、顕微鏡の姿を想像するのは困難で、このけんびきょう座を見たことがない天文ファンが多いのも 頷けます。

けんびきょう座は18世紀の天文学者、ラカーユが設定した南天の星座の一つです。 星座絵を見ると、大きな顕微鏡の姿が描かれていて、当時の顕微鏡が現代のものと比べて大がかり だったことがわかります。

顕微鏡は16世紀頃に発明されましたが、実用的に使われるようになったのは18世紀に入ってからです。 ちょうど活躍しだした顕微鏡を、ラカーユが星座の名前に使ったのでしょう。


ギリシア神話でのけんびきょう座

けんびきょう座は近世になって作られた星座のため、神話などは伝わっていません。


けんびきょう座の主な星

一番明るい星ですら5等星と暗いため、星の固有名はなく寂しいけんびきょう座です。


双眼鏡や天体望遠鏡で見るけんびきょう座

けんびきょう座には、双眼鏡や天体望遠鏡で楽しめる天体はありません。NGC6958という楕円形をした銀河がありますが、 こちらも観望には不向きな天体です。