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カシオペア座 Cassiopeia

カシオペア座の写真 カシオペア座は、北の夜空で輝くW形をした星座です。日本では「カシオペヤ座」とも呼ばれることもあります。

カシオペア座は、おおぐま座の北斗七星と共によく知られている星座で、日本では「いかり星」と呼ばれていました。 星座の形が船の錨に似ていることからでしょう。

北天でひときわ目立つ形をしているので、カシオペア座には世界各地で様々な呼び方がつけられていたようです。 ある国では「城の鍵」、またある国では「らくだのこぶ」とも呼ばれていたカシオペア座です。

カシオペア座は、北斗七星と共に北極星を見つけるための目印としても有名です。 北斗七星が見えづらい時期に北極星を探す際には、カシオペア座を目印にして捜すとよいでしょう。 カシオペア座のα星とδ星を延長した交点を、交点と逆の方向に5倍伸ばしたところに北極星が位置しています。 詳しくは、北極星の見つけ方ページをご覧ください。

カシオペア座には一等星以上の明るい星はありませんが、 明るさが揃った星がまとまっているので、夜空の明るい都会でも見つけやすい星座です。 秋になったら北天を探してみてください。


ギリシア神話の中でのカシオペア座

ギリシア神話の中では、カシオペアは古代エチオピア王ケフェウスの妻で、アンドロメダ姫の母として登場しています。

ある時、カシオペア王妃が自分の娘であるアンドロメダ姫の美しさをあまりに自慢したので、海の神ポセイドンの怒りを買ってしまいます。 ポセイドンは、お化けクジラに古代エチオピア王国を襲うように命じました。 恐れおののいた市民は逃げ惑い、ケフェウス王とカシオペア王妃にポセイドンの怒りを静めるよう請願します。

ポセイドンは、怒りを静めるためにアンドロメダ姫を生け贄に出すよう要求します。 ケフェウス王とカシオペア王妃はそれに従い、アンドロメダ姫を生け贄として海の岩場に鎖で繋ぎ、自分の犯した罪を嘆き悲しみます。

お化けクジラがアンドロメダ姫を襲おうとしたところに現れたのが、勇者ペルセウスでした。 アンドロメダ姫の救出劇は、アンドロメダ座のところで紹介しましたので、ご興味があればそちらをご覧ください。 それにしても困ったカシオペア王妃様です。


カシオペア座の主な星

シェダル

カシオペア座のα星がシェダルです。意味は「むね」という意味で、星座絵ではカシオペア王妃の胸に当たる場所で輝いています。 赤っぽい色をした2等星の星で、よく目立ちます。 この少し東側にNGC281という散光星雲が輝いています。

カフ

カシオペア座のβ星です。Wの一番右側の星で白っぽい2等星です。


双眼鏡や天体望遠鏡で見るカシオペア座

カシオペア座は、秋の天の川の中に位置しているため、星座内に散開星団がたくさん輝いています。 双眼鏡で観望すると、星が集まった箇所が何箇所も見え、微恒星の輝きで眼がチカチカしてくるほどです。 メシエ天体に選ばれている星団も存在していますので、天体望遠鏡を使った観望にも適した場所です。

カシオペア座には、星団だけでなく星雲も存在しています。 NGC281は散光星雲ですが、比較的明るいので、天体望遠鏡を使えば、ぼんやりとした姿を確認することができます。 カシオペア座を観望する際には、一緒に探してみてはいかがでしょう。

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