おひつじ座 Aries

おひつじ座の写真 おひつじ座は黄道十二星座の一つで、うお座の東で輝いています。 星座の形は、「へ」の文字を裏返したような形をしていて、2等星のα星ハマルが目立ちます。 ハマル以外の星は3等星以下の暗い星ばかりなので、都会からでは星座の形を想像するのは困難です。

おひつじ座は、夜空でそれほど目立たない星座の割には古くから有名な星座です。 これはこの星座が約2000年前に春分点がある星座であったことと、 星座内に黄道が通るので木星や土星といった明るい惑星が頻繁に来たことと関係があるのでしょう。 プトレマイオスの48星座の一つでもあります。

また、上記の通りおひつじ座は黄道十二星座の一つなので、星占いで使われる黄道十二宮にも白羊宮として登場しています。 星占いの世界では、3月21日生まれから4月19日生まれの人がこの星座になります。


ギリシア神話の中でのおひつじ座

おひつじ座はギリシア神話の中では、いくつかの物語で登場しています。 一つは大神ゼウスが巨人族におそわれて逃げたときに、姿を変えた羊だとされています。 また、もう一つは次のような話です。

テッサリア王のアタマスには二人の子供がいました。フリクススとヘルレという二人の子供は、 継母にひどくあしらわれていました。 この様子を見たヘルメスは酷く哀れみ、金の毛が生えた羊を使わします。 金の羊は二人を背中に乗せ、継母の元から二人の子供を救出します。

金の羊は空中を飛んでいきますが、その途中で妹のヘルレは誤って背中から落ちてしまいます。 この落ちた場所が、ヨーロッパとアジアの境界をなす海だったので、その場所をヘルスポンドと呼ぶようになった ということです。

この金の羊は、その後アイエテス王への貢ぎ物となります。金の羊を気に入ったアイエテス王は、竜を番人としてつけ 神殿の中においておきます。あとになってアルゴ船の冒険者達が、この金の羊の毛を取りに来ることになります。 この物語はアルゴ船に乗った勇者達の話として有名です。


おひつじ座の主な星

ハマル Hamal

おひつじ座のα星がハマルです。2等星と明るいので光害がそれほど酷くない都会でも見ることができます。 逆に言うと、都会ではこの星以外のおひつじ座の星は見えないことが多いです。 ハマルという名前は、羊の頭という意味です。