おうし座 Taurus

おうし座の写真 冬の初めになると、東からすばる(プレアデス星団)が上ってきます。その後ろからは 赤い1等星アルデバランとヒアデス星団が続いています。これらの星々が形作る星座が おうし座です。

おうし座は大きな星座で、非常に古い歴史を持つ星座です。星座の形としてもよくできており、 星空の綺麗な場所で星を繋いでいけば、雄牛の形を簡単に連想することができます。 黄道十二宮でも登場する星座なので、星座占いの世界でもよく知られた星座です。


ギリシア神話の中でのおうし座

おうし座はギリシア神話の中では、大神ゼウスが化けた姿として登場します。 あるとき大神ゼウスは、地中海の岸にあるフェニキア王国の王女エウロパが、野原の中で 花を摘んでいるのを見そめます。その姿をオリンポスの神殿から見ていたゼウスは、 全身が雪のように真っ白な雄牛に化けて、エウロパに近づきます。

おうしはとても美しく、優しそうな瞳をたたえていたので、エウロパはすっかり気を許して しまいます。そして雄牛の背に乗ってみると、雄牛に化けたゼウスはエウロパを クレタ島まで連れて行ってしまうのです。そしてその島で、エウロパはゼウスの子を 生んだと言われています。

また、この雄牛はクレタ島にいついて、クレタの王妃にミノタウルスという怪物を 生ませたとも言われています。ヘラクレスが倒したあのミノタウルスは、このおうし座 が生んだものでした。


おうし座の主な星

アルデバラン

おうし座のα星がこのアルデバランです。明るい赤い一等星で、ヒアデス星団のそばで輝いています。 アルデバランという意味は「後から続くもの」という意味で、プレアデス星団の後に続いて上ってくる ことから古代人が付けたようです。

すばる

海外ではプレアデス星団の名前で知られている、最も有名で美しい散開星団です。 この星団を形作る一つ一つの星は暗いものですが、全体としては1等星くらいの明るさで輝きます。 そのため、古くから各民族に注目されていて、伝説がたくさん伝えられています。 ギリシア神話では、プレアデスはアトラスとプレイオネの間に生まれた、美しい7人の 娘として伝えられています。日本では「すばる」という呼び名の他に、「むつらぼし」とも呼ばれて 親しまれてきました。

ヒアデス星団

おうし座の顔の部分にあたるところで輝いているまばらな散開星団。 ヒアデス星団は、地球の最も近くで輝く散開星団と考えられていて、その星団までの距離は150光年です。 おうし座のα星アルデバランは、この中で輝いているので、星団の仲間かと思いがちですが、 実はアルデバランの方が手前で、ヒアデス星団とは全く関係ありません。 まばらな散開星団なので、低倍率の双眼鏡で観測すると美しいでしょう。

M1

かに星雲の愛称で知られているのが、M1(メシエ1)です。 かに星雲は、1054年に中国などで目撃された超新星爆発の残骸で、今でもふくらみ続けている星雲です。 おうし座の右角の近くで輝いています。

ギャラリーのおうし座の写真