こいぬ座 Canis Minor

シリウスが輝くおおいぬ座から左上に目をやると、明るい一等星が目に付きます。こいぬ座のα星プロキオンです。

こいぬ座は、おおいぬ座とは天の川を中心に向かい合ったところに位置しています。 プロキオンとゴメイサという二つの星からなる星座です。その星の位置から子犬の形を想像するのは難しく、 星座絵と星の並びを見てもピンと来ない星座です。

しかし、その存在は古くから認められていて、プトレマイオスの48星座の中でも登場しています。 こいぬ座の一等星プロキオンは非常に明るく、シリウスに先立って昇ってくるため注目されていたのでしょう。 このシリウスとペアで昇ってくるので、おおいぬ座と対比させて、こいぬ座と名付けたのかもしれません。


ギリシア神話でのこいぬ座

こいぬ座になった子犬は、狩人アクタイオンが連れていた猟犬の一頭といわれています。

あるとき、狩人アクタイオンは道に迷ってしまいます。たまたま通りかかった泉で、女神アルテミスが水浴びをしている 姿に出会ったアクタイオンは、女神の裸を見た罪で鹿の姿に変えられてしまいます。 すると彼が連れていた猟犬が、獲物だと間違えて鹿になったアクタイオンに噛みつき、殺してしまいます。 そしてその猟犬の一頭が、天に上げられたといわれています。


こいぬ座の主な星

プロキオン

プロキオンの意味は「犬の前に」という意味です。シリウスより先に昇る星という意味でしょう。明るさ0.3等星の 黄色っぽい星です。大変明るいので都会でも見ることができ、オリオン座のベテルギウス、おおいぬ座のシリウスと並んで 冬の大三角を形作っています。

プロキオンにの周りには小さな白色矮星が回っています。その周期は40.65年。1896年アメリカの天文学者が リック天文台の90センチ天体望遠鏡を使って発見しました。


双眼鏡や天体望遠鏡で見るこいぬ座

こいぬ座には、双眼鏡や天体望遠鏡で楽しめる天体はありません。