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しぶんぎ座流星群

しぶんぎ座流星群は、三大流星群の一つに数えられる流星群です。毎年年始め早々に極大を迎えるので、人気のある 流星群です。現在、しぶんぎ座という星座はありませんが、この流星群の放射点はかつて存在していた壁面四分儀座に由来します。 現在の星座でいうと、しぶんぎ座の放射点はりゅう座にあたります。

しぶんぎ座流星群の流れ星

この流星群は、毎年元旦の頃から活動を始めます。正月に里帰りすると、星空の中に明るい星が流れることがあると思います。 そうした流れ星は、きっとこのしぶんぎ座流星群の一つでしょう。

ここ日本では、毎年1月4日頃に一番の見頃を迎えます。突発的にたくさん流れるタイプの流星群ですので、 ピーク時間の前後数時間が観測の絶好機です。明るい火球もよく観測される流星群ですから、夜空をパッと明るくするほどの流れ星も 見れるかもしれません。

ただし、短時間が勝負のしぶんぎ座流星群ですから、発生ピーク時刻が日本の昼間にあたたったときは、多くの出現を望めそうにありません。 またピーク時間に月明かりがあると、視認できる流星の数がぐっと減ってしまいますから、その点も注意しておきたい点です。

しぶんぎ座流星群の母彗星

流星は、大気中に落ちてきたチリの粒が燃えて見えているわけですから、そのチリの粒を生み出す母天体があります。 しぶんぎ座流星群の母天体としては、マックホルツ第一周期彗星やヘール・ボップ彗星などが候補として挙げられていて、 これらが地球軌道上に残していったチリが、地球の引力にひかれてこの時期に流星群として降ってきていると考えられています。

流星群を観察する方法

晴れていれば日本全国どこでも流星群は見ることができますが、都心ではよっぽど明るい流星でないとみることができません。 暗い流れ星まで見るために、なるべく星空の綺麗な場所で観測するのがよいでしょう。もちろん見晴らしがよいところがベストです。

また、流星群を観測する方向ですが、放射点だけにこだわらず広い範囲を見ておきましょう。 経験上、明るく見ていて感動する流星は、放射点から離れたところから走ることが多い気がします。 しぶんぎ座流星群は、北寄りのりゅう座が放射点ですが、天頂から南側を見ておくのがよいと思います。

流星群を観測するにあたっては、双眼鏡や天体望遠鏡は必要ありません。一度に広い範囲を見渡せる目で見るのが一番です。 できれば、ゴザか何かを持参して寝転がってみると楽に夜空を見上げれて良いでしょう。ただし防寒対策はしっかり行いましょう。

流星群の撮影方法

デジタル一眼レフカメラの発展のお陰で、流星も以前と比べると容易に写せるようになりました。 撮影方法自体は、星空を撮影する方法と同じで大丈夫ですが、暗い流星も写し込むためにデジカメの感度を高めにしておくとよいでしょう。。

流星群を撮影する時には、カメラの向ける方向に注意しましょう。 流星の中でも際立った活動をする流星群は、輻射点を中心として流星が放射状に流れてきます。 そのため、輻射点を中心にしてカメラの構図を合わせるのが一般的です。

ただ、こうすると輻射点付近は流星の見かけ上の長さが短く、流星の迫力がかけるという意見もあります。 そのため、輻射点から遠く離れたところにカメラを向け、長く雄大な流星写真を撮るという方もいらっしゃいます。 逆にそうすると流星の見かけ上の速度が速くなるため、暗い流星が写りにくいという問題が出てきます。

上記のように、なかなか一概には言えない流星の構図ですが、私は星座の形などを重視して構図取りするようにしています。

詳しい撮り方は、流れ星の撮影方法のページをご覧下さい。