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パースで星空撮影 「あこがれの南十字星を撮影」

西オーストラリア州パース オーストラリアと言えば、シドニーやゴールドコーストが海外旅行先として人気ですが、 東海岸には大都市が多いため、星空を撮影する場合は、内陸部まで移動しなければなりません。 そこで、今回は東海岸ではなく、都市から少し離れれば綺麗な星空が広がる西オーストラリア州のパースに、 星空撮影に出かけてきました。

オーストラリアは、6つの州と特別地域に分かれています。 パースは、西オーストラリア州の州都で、同州内では最大、オーストラリア全土でも4番目に大きな都市です。 気候が穏やかで街並みも綺麗なことから、セカンドライフを過ごす場所としても人気を集めています。 実際、今回の旅行中にパースの街中を散策しましたが、緑豊かな公園が広がっていて、とても気持ちの良い街でした。

このページでは、オーストラリアのパース郊外へ星空撮影に出かけたときの様子を旅行記としてまとめています。 南天の星空撮影に役立つ情報も載せていますので、 南半球へ星空撮影旅行をする際に、参考にしていただければ幸いです。


オーストラリア パースへのアクセス

シンガポール航空 以前は、カンタス航空が成田空港からオーストラリアのパースへの直行便を運航していましたが、 2017年現在、直行便は廃止されています。

そのため、日本からパースを訪れる場合は、オーストラリア東海岸の主要都市まで飛び、 そこから国内線で移動するか、シンガポールや香港、バンコクなどのアジア主要都市で乗り継ぎをする必要があります。

今回の旅行では、シンガポール航空を利用し、まず関西国際空港からシンガポール・チャンギ国際空港に飛びました。 次に再びシンガポール航空で、パースへ向かいました。 私が今回、往路で利用したフライト行程は、以下の通りです。

シンガポール・チャンギ空港では、預け入れ荷物を一旦受け取って再度、預け入れのチェックを受ける必要はありませんでしたので、 広い空港内でゆっくりお茶を飲みながら、次のフライトを待つことができました。 なお、関空からシンガポールまでの便はほぼ満席の状態でしたが、 チャンギ空港からパースへの便は、座席がかなり空いていました。

星空や天体撮影で南半球を訪れる方にとって悩ましいのが、手荷物の制限です。 シンガポール航空のエコノミークラスの場合は、機内持ち込み手荷物は7キロまで、預け入れ荷物は30キロまでです。 今回の撮影では、ビクセンのAP赤道儀を持参しましたが、カメラレンズや三脚、付属品も含めると重量制限ギリギリの重さでしたので、 空港のチェックインカウンターでは少々緊張しました。

パース空港に到着すると、入国審査が行われます。 パースの入国審査官はとてもフレンドリーで、「星空を撮影しに来た」と伝えると、笑顔で「晴れるといいね。」と言ってくれました。 さりげない一言ですが、旅行先でこのような一言をかけてもらえると嬉しくなりますね。

航空会社便名出発空港出発時刻到着空港到着時刻飛行時間
シンガポール航空SQ615関西国際空港23:25発チャンギ空港翌日5:05着6時間40分
シンガポール航空SQ213チャンギ空港7:40発パース空港12:50着5時間10分

今回のパース星空撮影旅行で利用したフライト(往路)のスケジュール。
乗り継ぎ便なので時間がかかるが、チャンギ空港で一息つけるのは嬉しい。


パース国際空港でレンタカーを借りる

パース国際空港のレンタカー パース空港で入国審査を終えた後、空港内のカウンターで円をオーストラリアドルに両替しようとしましたが、 事前にネットで調べていた情報と異なり、日本の空港で両替するよりかなりレートが悪いことに気づきました。 そこで、先にレンタカーを借りて、パース市街地の両替所でオーストラリアドルに両替することにしました。

今回の星空撮影旅行では、ハーツレンタカーを利用しました。 ハーツレンタカーのカウンターはパース国際空港内にあるので、手荷物を受け取った後、 すぐにカウンターで手続きを行うことができます。 車は空港の駐車場に駐車されており、手続き完了後、すぐに車に乗り込むことができました。

オーストラリアは日本と同じ左側通行なので、違和感なく運転することができます。 日本では見かけないラウンドアバウトと呼ばれる交差点がありますが、慣れれば難しくはないと思います。 私が借りたレンタカーは、右上のトヨタのカローラハッチバックでした。 日本ではオーリスという名で販売されている車だと思います。

パース国際空港からパース市街地へは、トンキンハイウェイ(Tonkin Highway)を利用しました。 パースまでの所要時間は車で20分ほどということでしたが、 途中道路工事が行われていたため、30分以上かかりました。

パース市街地に駐車し、インフォメーションで両替所の場所を聞いたところ、ウィリアムストリート付近に集まっているということでした。 そこで両替のレートをチェックすると、店頭表示では「Travel Money OZ」という店が1オーストリアドル=93円で最も安かったのですが、 他の店で交渉したところ、さらに良いレートを提示してくれたので、 その店で旅行中に必要な分を両替しました。

パースのパーキングメーター

パース市街地のパーキングメーター。パース市街地は一方通行が多くて迷う。


パース郊外をドライブ

交差点の信号 せっかくレンタカーを借りたので、パース郊外をドライブしてみました。 さすがオーストラリアはとても広く、市街地を抜けると、すぐに制限速度が80キロになりました。 市街地を出た途端に制限速度が一気に高くなるのは、ニュージーランドやアメリカと同じような感じです。

郊外に続く道は、信号がほとんどない一本道なので、高速道路を運転しているような感覚でした。 幸い、レンタカーにはクルーズコントロールが装備されていたので、快適なドライブを楽しむことができました。

ドライブの途中、目に留まったスーパーマーケットやモールに立ち寄り、旅行中に必要な食料や飲み物を買い込みました。 パース市内の道路は一方通行が多く、少々ややこしいですが、 ダウンタウンを離れると、道幅も広く、それほど複雑でもないので、カーナビがなくても道に迷うことはありませんでした。

ちなみにパースは年中温暖で、冬でも氷点下になることはないそうです。 ニュージーランドを7月に訪れたときは、道路に積雪がありチェーンが必要でしたので、この点はありがたいです。 これなら、真冬のシーズンでも問題なくドライブできそうです。

パース郊外の道

パース郊外の道路です。荒野の中を道が真っ直ぐに続きます。
ところどころに追い越し車線が設けられているので、遅い車は道を譲ることができます。


ファームステイで星空撮影

ファームへ続くダート道 今回、星空撮影の場所に選んだのは、 パースから南東に約150キロほど離れたところに位置する「スプリングヒルズ・ファーム(Springhills Farm)」です。 スプリングヒルズ・ファームの周りには都市がないため、星空観望・撮影にはとても適した場所です。 実際、このスプリングヒルズ・ファームには、日本の天体写真ファンもよく訪れています。

パースからスプリングファームまでは、約2時間半ほどのドライブです。 私はまずパースから「Armadale」という街に入り、次に「Bannister」へ向かい、 その後、「Boddington」を経て、ファームに向かいました。

なお、ファーム直前までは舗装された道路でしたが、最後の5キロほどは、右上のようなダート道になります。 路面には凸凹はなかったので、私が借りた普通車でも問題なく走行できましたが、車は赤土で汚れてしまいました。 また、大雨が降った翌日は、ぬかるむところもあったので、走行には注意した方がよさそうです。

スプリングヒルズ・ファームには、いくつかの宿泊施設があります。 今回、ファームのオーナーは、コテージタイプの部屋を用意してくれていました。 中は広く、ゲストベッドルームも合わせると、5〜6人ぐらいは泊まれそうです。

コテージ他に、長屋のような宿泊棟(下写真)もあり、一部屋で数人は宿泊できそうでした。 室内には、タオル、バスタオルが用意され、綺麗にベッドメイキングされていました。 ちなみにオーナー曰く、コテージは自分たちの手で建てたそうで、驚きました。

スプリングヒルズファームの宿泊施設

スプリングヒルズファームの宿泊施設。一つの部屋に数個のベッドが置かれている。
この宿泊施設の前が南天の一番見晴らしがよく、天体写真撮影に適していた。


スプリングヒルズファームの星空

南十字星 スプリングヒルズ・ファームの敷地は非常に広く、見渡す限りファームの土地です。 日本人の感覚からは信じられない広さですが、そのおかげで周囲には人工の光が全くなく、 本物の星空を楽しむことができます。

夕食を終えてコテージを出ると、目の前に満天の星空が広がっていました。 南天高くには、南十字星の呼称でお馴染みの「みなみじゅうじ座」が輝き、 天の川の濃淡もよくわかります。 目を少しそらすと、天の南極を回る大小マゼラン雲が、ちぎれ雲のように浮かんでいるのもわかりました。

日本でも山間部に行けば、自然が残っていて、星空が美しいスポットはいくつもありますが、 部屋のドアを開けたら満天の星空という場所は、なかなかないでしょう。 スプリングヒルズ・ファームは、天文ファンにとって、そんな夢のような場所です。 持ってきた双眼鏡を使って、しばし南天の主要な天体の星空観望を楽しみました。

ところで、私が訪れた2016年4月は、ファームのオーナーによると、4月にしては暖かく、 雨も多くて透明度が悪かったとのことです。 確かに、滞在中、一晩中星を見ることができたのは一晩だけでした。 例年なら、11月から4月までは乾季で晴天が続き、5月から10月上旬頃までが雨季になるそうです。 例年通りなら、ゴールデンウィークはギリギリ乾季に入り、新月期と重なれば、星空観望や天体撮影には最適な時期になることでしょう。

スプリングファームからの星空

宿泊施設の目の前から撮影した天の川の写真。
右下に見える赤い光は、遠く離れたファームの野焼きの明りが写ったため。


ファームステイで本格的な天体撮影も可能

コテージの外に置いたAP赤道儀 スプリングヒルズ・ファームは天体撮影には絶好の場所です。 ドアを開ければ満天の星が広がっていますので、 宿泊施設の目の前が撮影場所になります。 ファーム内は、宿泊者以外の人の立ち入りはないため、 雨が降らない限りは、撮影機材を置きっぱなしにしていても大丈夫でした。 南天の極軸合わせは手間がかかりますので、この点も大変助かります。

また、延長ケーブルを借りて、部屋のコンセントから赤道儀やカメラに電気を供給することもできました。 本格的な撮影には、パソコンやカメラをはじめとした電子機器の電源が必要ですので、この点も大助かりです。 ただ、部屋のライトを付けてドアを開けていると、室内に虫が入ってきてしまうので、注意しましょう。

ところで、オーストラリアの商用電源の電圧は、AC220-240Vです。 日本のAC100Vとは異なるため、 赤道儀やカメラの電源用として使われているAC/DCコンバーターを使用する場合は、 対応電圧の確認が必要です。 私は、AC240Vまで対応の小型軽量「AC/DCスイッチング電源(最大出力電流10A)」を新たに購入し、 オーストラリアまで持参しました。

今回の撮影では、ビクセンAP赤道儀とコーワ PROMINAR500mm F5.6を使用しました。 カメラはニコンD810AとAstro6Dを持参し、カメラやヒーターの電源は、上記のスイッチング電源から供給しました。 商用電源を借りられるので、冷却CCDカメラを持参したい方にも適した場所でしょう。

エータカリーナ星雲

D810Aとプロミナーで撮影したエータカリーナ星雲。
暗い夜空のお陰で、コントラストの高い作品に仕上がった


ファームステイの魅力

スプリングヒルズファームのジープ 星空はもちろんですが、スプリングヒルズ・ファームでは、生まれて初めてのファームステイも楽しむことができました。 まず驚いたのは、既に何度も触れていますが、牧場の広さです。 オーナーの四輪駆動車でファームの端まで連れて行ってもらいましたが、 車で移動するだけでも、かなりの時間がかかります。 徒歩ではとても回りきれない広さです。

もちろんファームですから、牛や羊がたくさんいます。 特に羊は、集団で行動しているためか、とても多く感じられました。 オーナーによると、スプリングヒルズ・ファームの牛は、オーストラリア牛として日本に輸出されているそうです。 その話を聞いてから日本に帰った後、 オージー牛を見かけたときは、スプリングヒルズ・ファームで育った牛だろうかと考えてしまいます。

また、牛の飼育用の干草も日本に輸出しているそうです。 オーナーとは、神戸牛等の日本の和牛の話でしばし盛り上がりました。 ファームのオーナーとしては、やはり輸出先の国民が好む肉質が気になるのでしょうね。

ファームの食事は、ファームでとれた新鮮な肉や卵をふんだんに使った、ボリュームたっぷりの料理でした。 小食の私にはボリュームが多すぎるので、2日目から量を減らしてもらいましたが、 それでも食べきれないほどの量です。 ファームステイの料金には、食事は朝食と夕食のみが付いています。 希望を言えば昼食も頼むことが可能ですが、コテージにはキッチンや冷蔵庫が備え付けられていますので、 スーパーで食材を買ってきて自炊するのも楽しそうです。 日本から調味料などを持ってくると便利とでしょう。

ファームの朝は、鶏の「コケコッコー」の甲高い泣き声で始まります。 木々には色鮮やかなインコがとまり、昼間はプロミナーでインコの撮影を楽しみました。 宿泊施設のすぐ前には、オーナーが飼っている牛や山羊がいて、いつでも触れ合うことができます。 星空だけでなく、ファームステイという貴重な経験もできた旅行でした。

スプリングヒルズファーム

宿泊施設の目の前の牧場。オーナーが飼育している牛たちと触れ合うことができる


南十字星が見える時期

パースの緯度は南緯約31度で、南十字星ことみなみじゅうじ座は、季節と時刻によっては 地平線の下に沈んでしまい見ます。 パースに南十字星を見に行く場合は、事前に星座が天頂高く上る時期を調べておきましょう。

具体的には、3月から6月にかけてが南十字星を観察しやすい時期になりますが、 パースの気候を考慮に入れると、晴天率が高い3月〜4月がベストと言えそうです。

3月から7月で南十字星が南中する時刻を、以下の表にまとめました。 南十字星の南中高度は、60度を超えるため、この南中時刻の前後2時間ぐらいなら、南十字星を簡単に確認できると思います。 なお、星は1ヶ月で約30度動くため、1ヶ月毎に南中時間が2時間早くなります。

月日2月1日3月1日4月1日5月1日6月1日7月1日
南中時刻午前4時頃午前2時頃0時頃22時頃20時頃18時頃

簡単な星空撮影方法

南天の日周運動 せっかくパースまで星空観望に行くなら、是非ご自分のカメラで南十字星や南天の星空を撮影してみてはいかがでしょうか。 撮影方法は難しくありませんが、撮影するにはちょっとしたコツと星空撮影に適したカメラが必要です。 ここで南天の星空を撮影する方法を簡単にご紹介しましょう。

南十字星を撮影するカメラとしては、ノイズの少ないデジタル一眼レフカメラやミラーレスカメラが適しています。 また、長時間露光するので、カメラ三脚が必須です。 海外旅行では荷物が限られますので、コンパクトな三脚でもいいですが、 カメラを載せてもグラグラしない三脚を選びましょう。 またシャッター時の手ブレを防ぐため、レリーズも用意しておく方が安心です。

撮影では、まずカメラの設定をマニュアル、そしてシャッター速度30秒、ISO3200前後に設定します。 レンズはマニュアルフォーカス、ズームは広角側に合わせて、カメラを三脚に固定します。 次に、星空の中で明るい星にレンズを向けて、ピントをマニュアルで合わせます。 この時、ライブビュー機能を使うとピントを合わせやすいです。 ルーペのようなもので液晶モニターを拡大すれば、より正確にピント合わせを行うことができます。

あとは、南十字星の方向にレンズを向けてシャッターを切るだけです。 カメラのファインダーは暗いので、星はよく見えません。 おおよその方向に向けて、何度かテスト撮影し、画面で確認しながら構図を合わせましょう。

露出時間は30秒を基本にしつつ、もう少し長くしてもよいと思います。 ただ露出時間を長くすると、その分だけ星も流れてしまいますので、注意が必要です。 パースでご自身で撮影した星空の写真は、きっと素敵な思い出になると思います。 是非チャレンジしてみてください。

もっと本格的に南十字星を撮影する場合は、ポータブル赤道儀を持って行くと、星空の動きを追尾してくれます。 ポータブル赤道儀を使用する際には、南半球モードにするのを忘れないようにしましょう。 赤道儀を使う場合には、天の南極に回転軸を合わせる必要があります。 みなみじゅうじ座の長い方の線を約4.5倍伸ばしたところに天の南極があります。 広角レンズならおおよそ合わせれば大丈夫ですので、下の写真を目安に合わせてみてください。

天の南極

おおよそですが、みなみじゅうじ座の長辺を伸ばしたところに天の南極があります


パースに訪れてみて

南半球の星空撮影のために訪れたオーストラリアのパースですが、例年と異なり、天候が優れなかったのが残念でした。 しかし、晴れた夜には雄大な天の川が天頂にかかり、南半球の星空を楽しむことができました。

星空の暗さだけを比べると、標高が高いニュージーランドや南米の高山の方が、透き通った星空が見えるかもしれません。 しかし、今回、滞在したファームでは、部屋のすぐ前に最高の星空が広がり、 電源も使用できたので、快適な環境で天体撮影を楽しむことができました。

また、星空だけでなく、日中のパースの散策やファームステイも楽しかったです。 ファームでは、ファームの方だけでなく、南アフリカ共和国からワーキングホリデイで来ていた方ともお話ができ、 私の知らないいろいろな景色について教えてもらいました。

広々としたファームは、携帯も通じないほどの郊外ですが、その分時間が経つのもゆっくりで、 都会の忙しさを忘れて、ゆったりした気分で過ごすことができました。 また機会があれば、ファームの心地よい風に吹かれに出かけてみたいと思っています。

みなみじゅうじ座の場所については、南十字星の見つけ方ページを、
正確な極軸設定法については南半球での極軸合わせページをご覧下さい

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