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八塔寺 晴天率の高い天体観測地

八塔寺の天体観測風景

八塔寺ふるさと村は、兵庫県と岡山県の境に広がっている丘のような場所で、岡山県備前市に位置しています。 標高は約400mとそれほど高くありませんが、昔から星空の綺麗な場所として知られていて、 晴れた新月前後の夜には近隣の天体ファンが集う場所です。 大阪方面からも比較的近く、気軽に訪れることのできる貴重な天体観測地です。


八塔寺へのアクセス

八塔寺へ向かう道 大阪方面から八塔寺へアクセスする場合は、山陽自動車道もしくは中国自動車道を利用するのが便利です。 私が八塔寺にアクセスする際は、山陽自動車道の龍野西ICで高速道路を降り、 そこから国道2号線を西へ走ります。 JR相生駅を過ぎて10分ほど走ると、 北へ向かう国道373号線との交差点がありますので、そこを右折して北方向へ向かいます。

国道373号線は千種川の堤防沿いに走っています。 しばらく北上すると、大きな橋がかかっているので、その交差点で左折し、 大きなスーパーマーケット(イオン)を右手に見ながら、上郡町内へります。 上郡町を抜けた後、青木功ゴルフクラブの前を通過すれば、八塔寺まであと少しです。 県道90号線を西へ走っていると、右側に八塔寺ふるさと村の看板が見えてきますので、 それを目印に右へとユーターンするように大きく曲がって、勾配のある山道を登っていきます。

神戸や明石方面からアクセスする場合は、第二神明道路→加古川バイパス→姫路バイパス→国道2号線のルートが便利です。 ただこのルートは交通量が多く、渋滞が発生しやすくなっていますのでご注意ください。 また、青木功ゴルフクラブから八塔寺までの山道は、鹿などの野生動物の飛び出しが多いので、くれぐれもお気をつけください。

八塔寺の入り口看板


天体写真の撮影場所

天体写真の撮影場所1 県道90号線からそれて、八塔寺ふるさと村に向かう山道を走っていくと、左手に開けた場所が見えてきます。 ここは最近整備された公園で、全天に渡って視界が比較的良い場所(右写真)です。 ただ地面が砂利のため、彗星などの撮影以外では利用されることが少なく、 この場所に天文ファンが機材を出しているのはあまり見かけません。

公園を左手に見ながら道なりに少し走ると、わらぶき屋根の建物が前方に見えてきます。 ここは、かやぶき茶屋と名づけられている場所で、八塔寺の施設案内やふるさと農園の受付として利用されている施設です。 収穫の時期になると、看板やテントが立ち並び、農作物収穫体験の受付が始まります。 ここには、アスファルト舗装されたほどよい広さの駐車スペースがありますので、 ここを天体観測や撮影に使わせていただいています。 新月近くの晴れた週末の夜には、ここで星空を見上げている方がいることでしょう。

なお、この場所はあくまで八塔寺ふるさと村の施設ですので、施設がオープンしている時間から機材を出すなど、 迷惑になるようなことは避けましょう。 現地の方々には天体観測にご理解いただいていますので、 これからも星空を通じて良い関係を築いていきたいですね。

ところで、この八塔寺は、西明石天文同好会や岡山アストロクラブの方々の活動拠点となっています。 どちらもアットホームな天文同好会で、天体写真撮影だけでなく、地域の方々との星空観望会なども開催されています。 このような同好会の皆さんと会って、皆で楽しく星空撮影できるのも、 八塔寺へ天体観測に出かける楽しみの一つです。

天体写真の撮影場所2

※天体撮影に使わせていただいていた施設の駐車場ですが、2016年末から夜間ロープが張られるようになりました。 そのため、手前の整備された公園が同好会の活動場所になっています。


八塔寺の星空

誘蛾灯の影響 八塔寺は、姫路市といった大きな都市から比較的近いこともあり、 しらびそ高原のような国内有数の星空が広がる場所と比べると、夜空の暗さの点で見劣りしてしまいます。 これは大阪や岡山といった大都市部から近く、便利がよい撮影場所なので仕方がないところでしょう。

具体的には、南東方向にある姫路市の光害の影響が最も酷く、南東の30度ほどは白っぽい空です。 南方向にも赤穂市や備前市の光害の影響が若干あるようで、 地平線に近づくにつれ、星に輝きが失われているのがわかります。 午前0時を過ぎるとこれらの光害の影響は減りますが、南東方向の低い天体は狙えないと考えたほうがよいと思います。

それに比べて、天頂から北方向の星空は良好です。 北方向は視界も開けているので、ケフェウス座が下方通過する様子も確認できます。 西方向も比較的暗いのですが、この観測場所では、西側に小高い丘があるため、視界がよくありません。 また、秋の頃には、西側のぶどう園に誘蛾灯が点されるため、 夜空が全体に明るくなってしまいます(右写真参照:※季節的なものなので点灯されないときもあります)。 南方向には木が植わっていますが、視界はそれほど悪くありません。 ただ、南から西にかけて電線が通っているので、星景写真を撮る場合は注意が必要です。

これらのことを考慮すると、夜空が暗く、写真撮影に向いているのは天頂から北寄りの空となります。 南方向も南中を過ぎた時間帯に狙えば、高品質な画像を得られるでしょう。 透明度が悪いため光害の影響が気になるときは、光害カットフィルターを併用すれば、 よい画像を得られるのではないでしょうか。

八塔寺の東の空


八塔寺の天候

八塔寺が天体写真ファンに人気がある大きな理由は、晴天率が高いことでしょう。 晴天率が高いことで、国立天文台の候補地にも選ばれたこともあるそうなので、 晴天率の良さは折り紙つきです。 天文趣味は晴れてくれないと始まりませんから、晴天率の高さは大きなポイントです。

一年を通じて晴天率の高い八塔寺ですが、初夏から夏にかけての晴天率は、あまり高くない印象です。 一晩中晴れの天気予報でも、何時間か晴れた後は曇ってしまうことが多いように思います。 逆に、冬の時期は思った以上に晴れる印象があります。

八塔寺の冬は気温は低いのですが、降雪はめったにありませんので、アクセスしやすいのもメリットです。 ただし、途中の峠道は凍結しやすいので、冬に八塔寺を訪れる場合は十分な注意が必要です。


八塔寺のお祭りと周辺施設

峰山高原で撮ったNGC6496銀河 毎年11月頃に、八塔寺で秋祭りが開催されます。 八塔寺で取れた農産物が朝市で販売され、毎年多くの人で賑わっています。 私もお祭りに参加して、芋掘りを体験をしました。 星空だけでなく、こうした八塔寺のお祭りに参加してみるのも楽しいのではないでしょうか。 ちなみに私のお勧めの野菜は、八塔寺大根です。 見た目も立派な大根で、他の大根とは一味違うおいしさです。

八塔寺ふるさと村内には、レストランや宿泊施設もあります。 八塔寺ふるさと館という大きな茅葺屋根の建物は食事処となっており、宿泊施設も併設されています。 独特の雰囲気がある望が丘レストランでは、ジンギスカンや鴨鍋といった料理を味わうことができ、 キャンプ場も併設されています(※キャンプ場のオープン期間は限られています)。

八塔寺から少し足を伸ばせば、備前焼で有名な備前市中心部があり、 毎年10月下旬に備前焼祭りが開催され、多くの観光客で賑わいます。 お手頃価格の焼き物があったりして、見ているだけでも楽しいお祭りですので、 星見だけでなく、こうした場所にも立ち寄ってみるのもいいかもしれませんね。


八塔寺を訪れる方へ

比較的穏やかな気候の八塔寺ですが、真冬の時期になると気温は氷点下を軽く下回り、都会よりもずっと寒く感じられます。 標高が低いから大丈夫とは思わず、くれぐれも防寒対策を万全にして星空撮影に望みましょう。

当たり前のことですが、自分の出したゴミは持ち帰りましょう。 八塔寺は現地の方が生活されている場所ですので、迷惑にならないよう心がけたいです。 また、天体観測地として利用させていただいている駐車場のスペースは限られていますので、なるべく譲り合って利用したいものです。 晴天率の高い貴重な天体観測地ですから、大切に利用していきたいですね。 現地でご一緒することがありましたら、どうぞよろしくお願いいたします。

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