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天体の座標

地上の場所を経度と緯度で表すことができるように、夜空で輝く天体も座標で示すことができます。 天体の位置を示す座標には、いくつかの種類がありますが、天体観望や撮影には地平座標や赤道座標がよく使用されています。 このページでは、地平座標と赤道座標の基本的な内容についてご紹介します。

天球について

座標の話に入る前に、天球というという天文学上の呼び名(概念)を知っておいた方が理解が早くなります。

実際の天体は、それぞれ地球から異なる距離に存在していますが、地上から見ると距離感の違いは感じられず、 どの天体も同じ距離で輝いているように見えます。

それは、あたかも大きな球の内側に天体が張り付いているように見えるので、この大きな球を天球と呼ぶことにしました。 地球はこの天球の中心に位置していて、私たち観測者は天球の中心から、天体を見ていると考えてください。

地平座標

天体の位置を示すもっとも単純な方法は、天体がどの方角で、地平線と比べてどれくらいの高さに位置しているかを示すことです。 例えば「アンドロメダ大銀河が、東の方向で高さ約45度の位置に見える」といった具合です。 天体観望会など、一緒に星を観ている人に位置や方向を伝えやすい方法ですね。

このように地平線を基準にして、天体の位置を方向と高さで表す座標系を、地平座標と呼びます。 ただ上記の伝え方では、基準があいまいなので、実際にはもっと厳密に基点を定めています。 一般的には、方位は南を基点として、西回りに360゚までの数字で表し、高さは水平線が基点で天頂が90度、真下が-90度の数値で表します。

地平座標は感覚的にわかりやすいのですが、天体の位置は時間とともに変わってくるので、その天体の位置をいつも示す方法には向いていない座標系です。

赤道座標

赤道座標は、赤経と赤緯と呼ばれる2つの数値を使って、天体の位置を表す座標系です。

地球の自転軸の北側を伸ばして天球と交わる点を天の北極、南側を天の南極と定めます。 また、地球の赤道面を天球にまで延長し、天球上に交わってできる大きな円を天の赤道と定めています。

赤緯は天の赤道面を0度とし、天の北極に近づくにつれて数値が増え、天の北極は90度になります。 逆に天の南極に向かうと数値は減り、天の南極は-90度です。

赤経は春分点を基点にして、東回りに増えていきます。 赤経値は24時間表記で表すのが天文の世界では一般的で、360度が24時ですので、15度が1時となります。 つまり、○○h○○m○○sというように表します。

ところで、地球は歳差運動しているので、赤経の基点とした春分点や、赤緯の基点とした天の赤道は、年々僅かずつですがずれてきます。 1991年までは、西暦1950年に基づいた赤経、赤緯(1950年分点)が用いられてきましたが、 1992年からは西暦2000.0年(J2000.0)に基づいたもの(2000年分点)に改められ、現在ではこの数値が主に使用されています。

赤経と赤緯の変換

天体観測用のアプリを使っていると、赤経や赤緯の値を、十進法の度表記に変換したいことがあります。 その時は、以下の計算式を用いて変換しましょう。

赤経

赤経の値が、「Ah Bm Cs」で表されるとき、10進法の値は下記の式で求められます。
A*15 + B*15/60 + C*15/3600

赤緯

赤緯の値が、「A° B′ C″」で表されるとき、10進法の値は下記の式で求められます。 なお、赤緯の値はマイナスになることもあります。その時は、絶対値で計算してからマイナス符号を追加するとよいでしょう。
A + B/60 + C/3600

赤経と赤緯を変換するプログラム

赤経と赤緯の値を、24時間表記から10進数へと変換するスクリプトです。 以下の空欄に数値を入力後、計算ボタンを押すと、10進数に変換された数値を下欄に表示します。

赤経

h m s

赤経(10進数の値):

赤緯

°

赤緯(10進数の値):

天体の座標について

地平座標と赤道座標は、天体観測でよく用いられる座標です。 特に赤経と赤緯で示される赤道座標は、赤道儀を使った自動導入や星空シミュレーションソフトでもよく使用されます。 最初はとっつきにくいですが、しばらく目にしていると慣れてきますので、是非怖がらずに親しんでいただければと思います。

なお、上記では紹介できませんでしたが、この他にも黄道座標や銀河座標があります。 座標にご興味があれば、こうした座標についても調べてみてはいかがでしょうか。