天文用語ミニ辞典

天体観測や天体写真撮影で使われる天文用語を簡単に説明しています。「あかさたな」順にページを分けていますので、 下のリンクから各ページをご覧ください。


『あ行』

アイピース(接眼レンズ)

アイピース

望遠鏡の対物レンズや主鏡で集められた光を拡大するレンズ。 焦点距離の異なるアイピースを使うことにより、倍率を変えることができます。レンズの構成によ っていろいろな種類のアイピースがあります。また、接眼部の直径によっ て24.5mm径(ツァイスサイズ)、31.7mm径(アメリカンサイズ)など、いくつかの大きさに分かれていますので、 購入の際にはご自身の望遠鏡に合うかどうか注意が必要です。


アイレリーフ(アイポイント、アイリリーフ)

アイピースの性能をあらわす表示です。簡単に言うとアイピースの覗きやすさを数値で表したものです。 この値が大きいほど(一般的にアイレリーフ20mmなどと表現します)、アイピースか ら眼が離れても全視野を覗くことができ、見やすくなります。眼鏡をかけて観望する人には重要な数値です


アクロマート

屈折望遠鏡に使われている対物レンズの種類の名前です。 2枚のレンズ(凸レンズと凹レンズ)を組み合わせて、色の収差を押さえたレンズです。ただ普通のガラス材を 使っているので、色の収差は残ってしまいます。眼視用として入門用天体望遠鏡によく使われています。


アポクロマート

アクロマートを進化させた対物レンズです。ガラス材に高価なフローライトやEDガラスな どを使って、ほぼ完全に色の収差をなくしています。とても見え味はよいのですが、口径の大きいものは非常 に高価になってしまいます。タカハシTOA130望遠鏡やビクセンED103S望遠鏡がこれにあたります。


IRフィルター改造

市販のデジタル一眼レフカメラには、赤い星雲の光をカットしてしまうフィルターが装填されています。そのため、 このまま星雲を撮影してもごく淡くしか写りません。それを改善するために天体写真ファンの中で良く行われているのが、 IRフィルター改造という方法です。デジカメのローパスフィルターを外し、新たに赤外線カットフィルターを埋め込むことで 実施されています。各天文ショップでサービスが行われていますので、価格などは問い合わせてみるのがよいでしょう。


イメージサークル

どんな望遠鏡にも周辺減光が起こります。(周辺減光とは視野の中心と比べて、視野の端のところに入 ってくる光が少なくなる現象です) その周辺減光が許容範囲内(一般的には中心部の60%の光量)で収まる範囲をイメージサークルと読 んでいます。望遠鏡によってその範囲の大きさは異なってきます。星雲などの天体写真を撮る時には重要 な値です。イメージサークルが大きいと、大きなフィルムを使って(ブローニーフィルムなど)、広視野な 写真を撮ることができます。