ニコンAF85mmF1.8Dのレビュー
ニコンAiAF Nikkor85mmF1.8Dレンズは、使い易い焦点距離とF1.8の明るさが魅力の単焦点中望遠レンズです。
カメラメーカー各社のこの85ミリの中望遠レンズは、ポートレート撮影用としてよく使われていますが、星空の撮影用としても人気があります。 ニコンのレンズも、AFになる前のAiニッコール時代から星撮影用として人気がありました。 私はこのニコンAF85mmF1.8Dを、ニコンF4やデジタル一眼レフカメラD70での撮影用として購入しました。
ニコンAF Nikkor85mmF1.8Dレンズの概要と印象
このニッコールレンズのレンズ構成は6群6枚で重さは380g。シンプルな中望遠レンズです。 同じニコンで人気のあるニコンAiAFNikkor85mmF1.4Dの重さは550gですから、コンパクトで軽くなっています。 軽いフットワークを求める方には適したレンズでしょう。
このレンズの良い点は、F1.8の明るさと使い安い焦点距離です。 85ミリ前後のレンズは、ボケ味を生かした写真を撮るには使い易い焦点距離です。 星空の撮影にも使い易い焦点距離なので、天体写真入門者に人気があります。 レンズのフィルター径は62mm。レンズのフードは、ねじ込み型のHN-23が付属しています。
このニッコールレンズは、レンズ内超音波モーターが入っていない従来AFのモデルです。 オートフォーカスの速度はそれほど遅くはなく、ストレスを感じるほどではありません。 マニュアルフォーカス時のピントリングは、少し軽すぎる気がしますが、AF時代の今では 仕方ないのでしょう。
ニコンAF 85mmF1.8Dレンズの価格
このニコン AiAF Nikkor85mmF1.8Dレンズの定価は53,550円です。私が購入したときと比べると 1万円ほど定価で値上がりしています。少しずつ価格が上がっているのでしょうね。
量販店での販売価格では、3万円台後半でよく販売されています。このぐらいの単焦点望遠レンズは 中古市場にもよく出回っていますので、中古レンズを探すと程度の良いものが思ったよりも安く買 うことができると思います。
APS-Cサイズのデジタル一眼レフカメラと一緒に使うと、130mm弱の焦点距離になります。 この位の焦点距離だと大きな星雲を写しやすいので、小型赤道儀に載せて撮影するのにも面白いレンズです。
ニコンAF85mmF1.8Dレンズで撮った画像
このニコンAF85mmF1.8Dで撮った風景の画像を載せてみました。 使ったデジタル一眼レフカメラはニコンD70で、絞り値はF8で撮影しています。 デジカメの設定はすべて標準です。パソコンでの画像処理は切り抜いただけで、それ以外は全くしていません。
このレンズは単焦点レンズらしい、抜けの良い描写が魅力でした。 ボケ味もよいので、ポートレート撮影用としても最適のレンズでしょう。 私のように風景や星だけに使うには、もったいないレンズだと思います。
ニコンAiAF Nikkor85mmF1.8Dの星像
このニッコールレンズで星空を撮影してみましたので、その画像を下に載せてみました。 使ったデジタル一眼レフカメラはニコンD70で露出時間60秒、絞りは開放F1.8です。 星を点像に写すために小型赤道儀で追尾撮影しています。被写体は明け方の東空に現れたブラッドフィールド彗星です。大気差のために少し 星が流れて写っています。
星像には少し青色がつくものの、開放からなかなかシャープなレンズです。 F1.8と明るいので、こうした時間のとれない撮影の時には重宝します。 次に中央付近の等倍画像も載せてみました。
輝星には少し青ハロが付いていますが、色収差はそれほど目立たないレンズです。次に画像の左上のピクセル等倍画像を見てみましょう。
少し星が収差でゆがんでいますが、それほど気にならないレベルです。 レンズの絞りを一段か二段絞れば、星像はより改善するでしょう。しかし、F1.8のこのレンズの明るさとデジタル一眼レフカメラの性能を 生かして、気楽に星空を撮るのが楽しいと思います。ちなみに画像の下に移っている雲のようなものは、アンドロメダ大銀河です。
ニコンAiAF Nikkor85mmF1.8Dは、フルサイズデジカメにも使用できるレンズです。このレンズが市場に登場したのはかなり前のことですが、 デジタル一眼レフでも星の撮影に使えそうです。ニコンAiAF Nikkor85mmF1.4Dと比べると、6万円ほども安く売られていますので、 コストパフォーマンスも抜群です。天体写真の世界では明るい単焦点レンズはやはり有利です。 ニコンAFNikkor85mmF1.8Dは、デジタル時代になってもなかなか魅力があるレンズです。