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シグマ 15mm F2.8 EX DIAGONAL FISHEYEのレビュー

シグマ 15mm F2.8 EX DIAGONAL FISHEYEレンズは、 開放F2.8の明るさが魅力の超広角レンズです。 シャープな星像と超広角の画角が魅力的だったので、発売開始後、 ブローニーサイズの自作銀塩カメラで全天を撮影するため購入しました。

なお、現行モデルのレンズには、「DG」という記号が追加され、「シグマ15mm F2.8 EX DG DIAGONAL FISHEYE」 に変わっていますが、レンズ構成や性能は全く同じで、レンズのコーティングが見直されています。 このページでは、シグマ 15mmのフィッシュアイレンズについての使用感などをご紹介しています。

シグマフィッシュアイレンズ15mmF2.8 EX

シグマ15mm F2.8 EX DG DIAGONAL FISHEYEの概要と印象

現行のシグマ 15mm F2.8 EX DG DIAGONAL FISHEYEが発売開始されたのは、2005年の秋頃です。 メーカーのスペックによれば、レンズ構成は6群7枚で、重さは370gと軽量です。 レンズの後ろにフィルターホルダーがついているので、シート状のソフトフォーカスフィルターを装着することができます。 星空撮影には便利ですね。

このレンズの魅力は、対角180度もある超広角とF2.8という明るさでしょう。 星空撮影には関係ないですが、最短撮影距離15センチというのも優秀です。 星空や星景写真の撮影用としても人気のあるレンズで、星野写真ファンの間では所有率が高いレンズです。

ところで、私のシグマ15mm F2.8 EX DIAGONAL FISHEYEには、元々、固定の花形フードが付いていましたが、 中判円形写野カメラと組み合わせて全天写真を撮るために、切り取ってしまいました。 銀塩フィルムが全盛の頃は、15ミリの魚眼レンズとブローニーフィルムを使って、 円形写野カメラを作るのが流行していました。

シグマ15mm F2.8 EX DG DIAGONAL FISHEYEの価格

シグマ15mm F2.8 EX DG DIAGONAL FISHEYEは、メーカー純正のレンズと比べて、手頃な価格が魅力です。 2018年現在、希望小売価格は65,000円(税別)ですが、量販店では55,000円ほどで販売されています。

現行モデルでなくなってしまいましたが、キヤノンEOSのEF15mmF2.8フィッシュアイレンズは、 8万円以上の販売価格でしたから、かなりの差がありました。 手頃な価格で写りが良いということで、天文同好会の中でも人気のレンズです。

シグマフィッシュアイレンズで撮った画像

シグマのフィッシュアイレンズで撮影した天の川の画像を掲載しました。 使用したカメラはニコンD50です。絞り値はF4.0、露出600秒で撮影しています。 デジカメの設定はすべて標準設定で、カラーバランスを調整した以外は処理をしていません。

シグマフィッシュアイレンズ15mmF2.8で撮った画像

全景写真では拡大率が低く、星像が判断できないので、下に中央部等倍画像を掲載しました。 なお、撮影には、星の日周運動を追いかける赤道儀を用いています。

中央部等倍

気温が高かったため、画像はノイズで荒れていますが、星像は良好です。 画像を拡大して初めて確認したとき、600万画素のデジタル一眼レフカメラと超広角レンズの星像としては、 まずまずと感じました。

中央部左上等倍

上は、写真の左上隅の部分をピクセル等倍で切り抜いた画像です。 少し星が収差で流れていますが、合格範囲内の写りといったところでしょう。 もう少し絞れば星像は改善しますが、明るさが犠牲になってしまいます。 星を写すなら、このぐらいの収差は仕方ないでしょうね。

35ミリフルサイズデジカメとシグマ15mm F2.8 EX DIAGONAL FISHEYE

35ミリフルサイズ一眼レフカメラのニコンD810Aに、シグマ15mm F2.8 EX DIAGONAL FISHEYEレンズを装着して、 絞りF3.2、ISO3200、120秒露光で冬の天の川を撮影しました。 下に掲載したのがその画像です。

シグマフィッシュアイレンズ15mmF2.8で撮った画像

南側が海で開けた撮影地のため、24ミリ前後の広角レンズでは全景を収めることができませんでしたが、 画角の更に広いフィッシュアイレンズを使うことにより、右上で輝く、おうし座のすばるから、 左端のしし座までを構図に入れることができました。

少し春霞の影響のため、右下に写っている灯台の光はボンヤリとしていますが、 天の川のコントラストは良好で、単焦点レンズらしい抜けの良さが感じられます。

画像を拡大してみると、周辺は、上のニコンD50の結果と同じように、星が放射状に流れて写っていましたが、 中心付近はシャープで色収差も感じられません。 最新の高画素カメラでも使用できる解像力を有しているようです。

まとめ

フィッシュアイレンズは、使用用途が限られるため、風景写真ファンのみならず、 天文ファンでも持っている方が少ないレンズですが、一本持っていると重宝するレンズです。

最近は、ニコンやキヤノンからズームタイプの超広角フィッシュアイレンズが発売され、 単焦点レンズは生産終了になりつつありますが、単焦点レンズの明るさは、やはり星には有利です。 できれば、最新のレンズデザインで、新たなレンズ構成でより高性能を狙った、 短焦点フィッシュアイレンズが登場してほしいと思います。

シグマ15mmF2.8EX SP DGフィッシュアイレンズ
SIGMA 単焦点魚眼レンズ 15mm F2.8 EX DG FISHEYE キヤノン用

星空撮影ファンの間で人気の高い、シグマのフィッシュアイレンズです。 35ミリフルサイズに対応しているので、星空撮影に人気があるキヤノンEOS6DやEOS5Dと共に使用することが出来ます。 超広角レンズですので、マニュアルでのピント合わせが難しいですが、 ピントが合えばシャープな像を結んでくれる魅力的なレンズです。

画角が広いので、APS-Cサイズのデジカメと合わせて使用すると、 南の空から立ち上る夏の天の川の広がりを捉えることができます。 私はこのレンズのニコンマウントを所有していて、銀塩フィルムの頃から愛用しています。 現在は、マウントアダプターを介して、キヤノン製フルサイズデジカメと共に使用しています。 価格もお手頃なので、星空撮影におすすめできるレンズです。

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