網状星雲

Veil Nebula, NGC6992

網状星雲

Takayuki Yoshida

はくちょう座の網状星雲

はくちょう座の翼の部分に広がる網状星雲の写真です。網状星雲は円弧状に広がる星雲で、大きく東と西の部分に分けられます。 この写真には東側の部分だけが写っています。この部分はNGC6992というという 番号が付けられていて、網状星雲の中でも特に明るい部分です。綺麗な星空の下なら、双眼鏡でもうっすら見えることがあるようです。

網状星雲は、赤と青色の星雲が絡まった様子が美しい星雲です。上記のように肉眼では天体望遠鏡を使ってもほとんど 見えませんが、写真写りは比較的良好な星雲です。またネビュラフィルターという特殊なフィルターを望遠鏡に 取り付けると、星雲が絡まった様子を目で見ることができます。本当に美しい姿をしていますから、機会が あれば是非見てみてください。

この網状星雲自体は、約2万年前に重量級の恒星が爆発した名残だと言われています。地球からの距離は1600光年の彼方にあり、今でも 秒速100キロ程度の速さで膨張を続けています。すさまじい爆発だったのでしょうね。

この写真は、大型の撮影専用望遠鏡とフルサイズ冷却CCDカメラを使って撮影したものです。 実際はフルサイズなので、もう少し広い視界が写っていましたが、ホームページ用にトリミングして展示しています。 よく見ると星雲の周りにも、色むらのように淡い星雲が広がっているのがわかります。 次回はナローバンドフィルターを使って、こうした星雲の細かい模様までも写し取ろうと考えています。


Imaging information

撮影機材: タカハシε250, ヘラクレス赤道儀

使用カメラ: SBIG STL-11000M, Astronomik Type2C LRGB filters

露出時間: L=80分(10分×8),R=20min, G=20min, B=20min(RGB:2x2binned)
総露出時間: 2時間20分

画像処理ソフト: ステライメージ6, PhotoshopCS

撮影場所: 岡山県備前市八塔寺, 2008年撮影