M38とIC417

M38,NGC1907,IC417

M38とIC417

Takayuki Yoshida

ぎょしゃ座の散開星団M38とIC417星雲

ぎょしゃ座には、メシエナンバーが付けられた3つの散開星団が並んで輝いています。 M38星団はその散開星団の一つで、この写真では左上に星のまばらな集団として写っています。 このM38星団を低倍率の双眼鏡で観望すると、ぼんやりとした星の塊に見えてきます。 天体望遠鏡を使うと星がまばらに分解されてきて、すぐ下で輝くNGC1907散開星団と相まって美しい姿を見せてくれます。

写真の左下で輝くピンクがかった星雲は、IC417という番号が付けられた星雲です。 ぎょしゃ座の星雲群を写すと小さく写っている星雲ですが、こうして拡大してみるとなかなか興味深い形と色合いをしています。 また、写真右側にはぎょしゃ座の明るい星雲IC405とIC410の方から伸びている淡い星雲が写っています。

ぎょしゃ座の星雲といえば、IC405やIC410という明るく大きな天体に目がいきがちですが、 IC417のようなマイナーな星雲と星団を組み合わせて写すのも楽しいものです。 この写真を撮影したときは、当初はM38星団とIC417をど真ん中に持ってきていましたが、 テスト撮影すると右側に淡い星雲が伸びていることに気づきました。そこで、少し構図を右にずらして本撮影したのがこの作品です。 完成してから考えると、もう少し左に振ってもよかったかもしれません。 ぎょしゃ座で輝く天体の位置関係は、 銀塩フィルムで撮影したぎょしゃ座の星雲写真が参考になると思います。


Imaging information

撮影機材: タカハシε250, 国際光器ヘラクレス赤道儀

使用カメラ: SBIG STL-11000M, Astronomik Type2C LRGBフィルター

露出時間: L=80分(10分x8),R=10minx2, G=10minx2, B=10minx2で撮影
総露出時間 2時間20分

画像処理ソフト: ステライメージ6.5, PhotoshopCS5

撮影場所: 岡山県備前市八塔寺、2012年撮影