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カシオペア座のハート星雲

IC1805,IC1795

カシオペア座のハート星雲

Takayuki Yoshida

カシオペア座のハート星雲

カシオペア座とペルセウス座の境界付近で輝くIC1805は、その形から「ハート星雲(Heart Nebula)」と呼ばれています。 上の写真を左側を上にしてみると、赤い星雲が少し歪んだハート型をしているのがわかります。 地球からこの星雲まで、約7,500光年離れていると考えられています。

ハート星雲はHα光という波長で輝いているため、残念ながら、肉眼ではほとんど見ることができません。 しかし、写真写りは良好で、天体写真ファンに人気のある秋の天体の一つです。 ただし市販のデジタルカメラでは、Hα光をカットしてしまうので写りにくく、 明るくはっきりと写し出そうと思えば、デジタルカメラのセンサーに取り付けられたローパスフィルターを天文用に換装する必要があります。 詳しくは、天体写真撮影方法の中のデジカメの改造ページをご覧ください。

2014年の夏は天候が悪く、IC1805をゆっくりと撮影する機会に恵まれませんでした。 撮影した夜も晴れたり曇ったりの天候だったため、1枚あたりの露出時間を短くして対処しました。 この星雲の中心付近は、暗黒帯が走る複雑な構造をしていますので、 快晴の夜に出会えたら、焦点距離が長めの望遠鏡を使ってじっくり撮影したいと考えています。


Imaging information

撮影光学系:タカハシε-180ED

赤道儀:タカハシNJP Temma2赤道儀にて追尾

使用カメラ:SBIG STL-11000M 冷却CCDカメラ, Astronomik Filters使用

露出時間:L=40分(5分×8),R=G=B=各5分(2x2ビニング)

画像処理ソフト:Stellaimage7, PhotoshopCC

撮影場所:岡山県備前市八塔寺にて撮影