干潟星雲と三裂星雲

Lagoon Nebula, Trifid Nebula

干潟星雲と三裂星雲

Takayuki Yoshida
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干潟星雲と三裂星雲

夏の天の川の中でも、このいて座の星域周辺は、星雲や星団がひしめいていて、もっともにぎやかな場所として知られています。 中でもこの写真に写っている二つの星雲は、特に有名で、星空が綺麗なところなら肉眼でもボヤッと見えるほど明るい天体 です。双眼鏡を使えば、二つの星雲の特徴的な形がボンヤリわかってきます。天体望遠鏡ですと倍率が高すぎるので、 できれば双眼鏡を使って楽しみたい天体です。

写真の右上に写っている、青い色が特徴的な星雲は三裂星雲と名付けられた星雲です。大きな望遠鏡で観望すると、 3つに星雲が分かているのがわかることから、この愛称があります。 その下の大きな星雲は干潟星雲です。英語でも「Lagoon Nebula」と名付けられた星雲で、海の干潟に見えることでこう呼ばれています。 この写真には、そのほかにもM20散開星団やNGC6559といった星雲が写っていて、大変にぎやかな写真です。 周りの茶色い部分は天の川の星々です。大きな写真を見ていただくと、それが 星の集まりであることが、少しはわかかもしれません。

この写真は、TOA130望遠鏡とSTLカメラで2フレーム撮影し、モザイク合成で1つの作品に仕上げたものです。条件よく撮影できる日がなかなかなく、 完成まで1年以上かかってしまいました。しかしじっくりと時間をかけたおかげで、非常に解像度の高い作品に仕上がってくれました。 こうしてみても色合いがとても豊富で綺麗な星域だと思います。


Imaging information

撮影光学系: タカハシTOA130S, NJP赤道儀

使用カメラ: SBIG STL-11000M, Astronomik Type2C LRGB filters

露出時間: L=150分(15分x10),R=G=B=20分(RGB:2x2binned) 2フレームモザイク合成
総露出時間: 7時間

画像処理ソフト: ステライメージ6, PhotoshopCS

撮影場所: 奈良県野迫川村鶴姫公園, 岡山県備前市八塔寺, 2007-2008年撮影