LDN1622 付近

LDN1622,Sh2-276,NGC2112

LDN1622

Takayuki Yoshida

オリオン座のLDN1622付近

LDN1622は、オリオン座に存在している暗黒星雲の一つで、 バーナードループ(Sh2-276)に食い込むような姿が興味深い天体です。 作例では、左上から中央に向かって黒く伸びる姿を確認することができます。 煙のようなLDN1622と赤く輝くバーナードループの対比が、宇宙の奥行きを感じさせてくれる星域です。

オリオン座の星域には、LDN1622やバーナードループの他にも、散開星団NGC2112や青や黄色の星といった天体が輝いており、 写真に撮るとカラフルで華やかな印象の作品に仕上げることができます。 今回は、天体撮影用の反射望遠鏡「タカハシε-180ED」と冷却CCDカメラを使って撮影しましたが、 反射望遠鏡のスパイダーの回折光が輝星の周りに写って、煌びやかな写真になりました。

バーナードループの周りには淡い星雲が広がっており、その濃淡の表現が難しい星域です。 なるべく長い露光時間で撮影した方が滑らかに仕上がりますが、当日の撮影地の天候が不安定だったため、 予定より短い露光時間になってしまいました。 幸いε-180EDはF値が明るい光学系ですので、荒れはそれほど目立ちませんが、できればこの1.5倍程度の露出をかけたい領域です。 冬場の太平洋側はよく晴れるので、チャンスがあれば、異なる光学系でまた狙ってみたい星域です。


Imaging information

撮影光学系:タカハシ ε-180ED

赤道儀:ビクセン AXD赤道儀にて追尾

使用カメラ: SBIG STL-11000M、Astronomik Type2C LRGBフィルター

露出時間: L画像=80分(10分×8)、Red画像=10分×1、Green画像=10分×1、Blue画像=10分×1
総露出時間 1時間50分

画像処理ソフト: ステライメージ8PhotoshopCC 2015

撮影場所: 岡山県備前市八塔寺、2017年撮影