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きりん座 IC342 銀河

IC342, Camelopardalis

きりん座 IC342 銀河

Takayuki Yoshida

きりん座 IC342 銀河

IC342は、きりん座で輝くフェイスオンの系外銀河です。 私たちが住む地球からは、真上から銀河の渦巻きを眺める恰好になるので、 クルリと巻いた腕の様子を観察することができます。 IC342は、地球からの距離が約800万光年と比較的近いこともあり、 見かけの大きさは視直径で20分前後もありますが、 淡い銀河のため、天体望遠鏡を使っても腕の部分はほとんど見ることができません。 明るさは9.1等級ということですが、データー以上に暗く感じる天体です。

IC342銀河は、天の川銀河の恒星の多い星域に位置しているため、 写真に写すと天の川銀河に属する恒星がたくさん写ってきます。 上の写真のように、色とりどりの明るい星の向こうに渦巻き銀河が見える様は大変美しく、 天体写真ファンにとって魅力ある銀河の一つです。 ただ銀河の腕の部分は淡いので、F値の暗い長焦点の光学系で写し出そうと思えば、 長時間の露出が必要になります。

今回は口径25センチのMewlon-250CRSにレデューサーレンズを取り付け、35ミリフルサイズ冷却CCDカメラで狙いました。 以前、口径20センチのニュートン反射望遠鏡MT-200で撮影したIC342の画像と比べると、 写野が広くなり、銀河中心部の解像度が若干増していますが、それほど大きな写りの差は感じられませんでした。 撮影当日の空の状態にも左右されたと思いますが、MT-200と1インチサイズの冷却カメラの組み合わせは、 系外銀河の撮影には優れた機材だなと改めて感じました。

※掲載している画像は、系外銀河の周囲をトリミングしています


Imaging information

撮影光学系:タカハシ Mewlon-250CRS、レデューサーCR0.73×使用

赤道儀:ビクセン AXD赤道儀にて追尾

使用カメラ: SBIG STL-11000M、Astrodon LRGB Gen2 I-Series Tru-Balance フィルター

露出時間: L画像=120分(15分×8)、Red画像=10分×2、Green画像=10分×2、Blue画像=10分×2(RGBは2x2ビニング)
総露出時間 3時間

画像処理ソフト: ステライメージ9PhotoshopCC 2019

撮影場所: 岡山県備前市八塔寺、2020年撮影