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ペルセウス座 Perseus

ペルセウス座の写真 ペルセウス座は、秋の星座ですが、秋の星座の中でも最後に昇ってくるため、 冬になってからの方が見やすく感じます。

ペルセウス座は、ギリシア神話に登場する勇者ペルセウスを形どった星座で、 秋の星座物語の中で中心的な存在となっています。 もちろん、ペルセウス座は、プトレマイオスの48星座にも登場しています。

ペルセウス座を見つけるには、Wの形をしたカシオペア座と、ぎょしゃ座のα星カペラが目安になります。 ペルセウス座のおおまかな形は、「人」という文字によく似ており、 右上の写真のように、カーブした星の並びをつなげると星座が完成します。

ペルセウス座を構成する星々は目立つので、覚えやすいのですが、初めて探すときは、 星座早見盤や星図アプリを見ながら星を繋いでいくと、わかりやすいと思います。


ギリシア神話でのペルセウス座

ペルセウスは、アルゴスの王アクリシオスの娘ダナエと大神ゼウスの間の子供です。 アクリシオスは、「娘が産む息子に殺される」という神託を受けていたため、 生まれたばかりのペルセウスとダナエを、木箱に入れて海に流してしまいました。

エーゲ海を漂った木箱は、セリポス島に流れ着きます。 セリポス島を治めていたポリュデクテス王は、ダナエに惚れ、息子のペルセウスを邪魔に感じるようになりました。 そこで一計を案じて、ペルセウスをゴルゴン討伐へと向かわせました。

ゴルゴンとは、ガイアとポントスの孫にあたる3姉妹で、蛇の髪の毛を持ち、 その目は見る者を石にしてしまうという恐ろしい怪物でした。

ゴルゴン討伐に向かったペルセウスですが、倒す術はおろか、居場所すらわかりません。 そこに女神アテネとヘルメスが現れ、二人の神から倒すための武具やアドバイスを得ることができました。

ゴルゴンの住処を見つけたペルセウスは、姿を消す帽子をかぶり、 三姉妹の中で不死身ではないメドゥサに狙いを絞ります。 ペルセウスは女神アテナの助言に従い、青銅の盾に怪物を映しながら近づき、見事メドゥサの首を切り落としました。

メドゥサ首を袋に入れたペルセウスは、一路、セリポス島に向いますが、 途中、海の上で鎖につながれたアンドロメダ姫を見つけます。 見事、アンドロメダ姫を救出したペルセウスは、アンドロメダ姫を連れてセリポス島に凱旋しました。


神託の実現とペルセウス

ペルセウスがセリポス島に帰ると、ポリュデクス王の暴君ぶりは以前にも増していました。 ポリュデクス王に迫られた母ダナエは、祭壇に避難しているところでした。 そこでペルセウスは、王の前に立ちはだかり、メドゥサの首を差し出し、王を石へと変えてしまいます。

王を葬ったペルセウスは、セリポス島を去り、故郷アルゴスへと帰ります。 一方、神託の実現を恐れたアクリシオスは、アルゴスを去って、ラリッサへと隠れることにしました。

ところが、ペルセウスも偶然アリッサを通りかかり、街で開催されていた競技会に参加していました。 ペルセウスが投げた円盤は手元が狂って、観客席へと飛び込みます。 円盤は一人の老人に直撃、老人は息を引き取りますが、これがアクリシオスでした。

ペルセウスは祖父アクリシオスの事故を嘆き、アルゴスへと帰郷しますが、 王座は継がず、小国ティリュンスで暮らしたということです。 なお、怪力で有名なヘラクレスは、ペルセウスとアンドロメダ姫の曾孫にあたります。


ペルセウス座の主な星

ミルファク

ミルファクは、ペルセウス座のα星で2等級の星です。 星空が綺麗な場所でミルファクを観望すると、星の周囲に小さな星がたくさん輝いているのがわかります。 これは、ミルファクと、地球から約500光年先にある散開星団が重なって見えているためです。

アルゴル

アルゴルは「悪魔の頭」という意味の名前の星です。 恐ろしい名前の星ですが、星座絵では、ペルセウスが持つメドュサの額のところで輝いている星なので、 名前としてはぴったりではないでしょうか。

アルゴルは周期的に、2.1等から3.4等まで明るさを変える食変光星で、 アルゴル型変光星を代表する星として有名です。 α星のミルファクよりもアルゴルの方が知名度は高いと思います。


双眼鏡や天体望遠鏡で見るペルセウス座

ペルセウス座の二重星団

ペルセウスが振りかざした剣の柄のあたりに、二つの散開星団が寄り添った二重星団が輝いています。 肉眼でもぼんやりと見えることから、hとx(カイ)という星の記号が付けられており、 「h-x星団」とも呼ばれています。

双眼鏡で観望すると、二つの散開星団が寄り添っている様子がよくわかり、 見事な眺めを楽しめます。 天体望遠鏡でも迫力ある姿を楽しめますが、高倍率よりも低倍率がお勧めです。 秋を代表する天体の一つですので、是非機会があれば観望して見てください。

カリフォルニア星雲

満月の3倍以上の広がりがある大きな星雲で、 写真に写したときの形が、アメリカ合衆国のカリフォルニア州に似ていることからこの愛称があります。

残念ながら肉眼では見ることができませんが、写真写りは良好なので、 天体写真の被写体としてずっと昔から親しまれてきた天体です。 200ミリ前後の望遠レンズでも比較的大きく写りますので、 天体撮影がはじめての方でも写しやすいターゲットです。

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