いて座 Sagittarius

いて座の写真 いて座は黄道上第9番目の星座で、さそり座の東に位置しています。

1等星クラスの極めて明るい星は星座内にありませんが、2等星以下の多数の星々が、天の川の中でいて座の形作っています。 夏から初秋が見頃の星座で、南中すると南の空の低い位置で輝きます。

いて座の歴史は古く、古代バビロニアの標識にも、弓を引くいて座の原型の絵が認められます。 ギリシア神話には、上半身が人間で下半身が馬という半人半馬のケンタウルス族の一人、 ケイローンの姿として登場しています。

いて座は黄道十二星座の一つなので、星占いの世界でも「射手座(人馬宮)」として登場しています。 そのため、一般の方々にも良く知られた星座です。


ギリシア神話でのいて座

いて座のモデルとなったのは、ケンタウルス族の「ケイローン(または、ケイロン)」です。 ケイローンは、粗野で好色と言われるケンタウルス族の中で、賢く知性に溢れた人物でした。

ケイローンは医術に優れ、薬草を用いて多くの人の命を救いました。 その他の分野での知識も深く、アスクレピオスや勇将アキレスの師として活躍しました。

しかし、ある時、ヘラクレスがケンタウルス族と戦ったときに、ヘラクレスの矢が、 誤って、ケイローンに刺さってしまいます。 この矢には、ヒドラの毒が塗られていたため、ケイローンは倒れて毒に苦しみ始めますが、 不死身だったため、死ぬことができません。。

痛みに耐え続けたケイローンは、不死身の命をプロメテウスに譲り、息絶えることを選びました。 ケイローンの様子を見ていた大神ゼウスは、その死を嘆き、天に上げて、いて座にしたと言うことです。


中国のいて座の伝説

中国では、いて座の東半分を形作る六つの星を結んで「南斗六星」と呼んでいます。 おおぐま座の北斗七星と南斗六星は、対になる星座で、 古くから中国では、北斗は死を、南斗は生を司る星と言われています。

ある中国の伝説の中では、北斗と南斗の仙人が碁を打っている場面が描かれています。

中国の魏の国に17歳の働き者の真面目な若者がいました。 しかし、占いをすると、彼は20歳になる前に死んでしまうと言われてしまいます。

困った父親は占い師にアドバイスをもらいます。 それに従って、次の日、若者は高級な酒と干し肉を持って、大木の側で碁を打つ二人にそっと差し出します。 酒と干し肉を平らげ、勝負が付いた頃、二人は若者の存在に気づきます。

そこで若者が寿命を延ばして欲しいと頼んだところ、北側の仙人は怒りましたが、 南側の仙人は寿命帳を開いて、寿命を書き換えてくれました。 この北側の仙人が死を司る北斗、南側の仙人が、生を司る南斗だったということです。


いて座の主な星

ルクバト

いて座のα星がルクバトです。 ルクバトは膝という意味の名前の星で、いて座のケイロンの膝の部分にあたる星です。 ちなみに天体望遠鏡メーカーの高橋製作所のオートガイダー「α-SGR(ルクバト)」の名前は、 この星から来ているようです。

干潟星雲M8

夏の天の川の中でも、最も目だつ大きな散光星雲です。 明るい星雲なので、夜空の暗い場所で観察すれば、肉眼でもぼやっと見えてくるはずです。 双眼鏡や天体望遠鏡を使用して観察すると、星雲が干潟の形をしていることからこうした名前が付けられています。

三裂星雲M20

干潟星雲のすぐ上で輝いている星雲です。 大きさは干潟星雲よりも小さいですが、三つに分裂したような姿が興味深い天体です。 ただその様子を確認しようと思えば、少し口径の大きな天体望遠鏡が必要です。


双眼鏡や天体望遠鏡で見る射手座

いて座は天の川が一番濃いところで輝いているので、 双眼鏡や天体望遠鏡で楽しめる天体がたくさん輝いています。 勝手気ままに観望するのも楽しいところですし、星図片手に一つずつ天体を確認するのもよいでしょう。

まず双眼鏡を使って、M8星雲とM20星雲を観察してみましょう。 どちらも大変明るい星雲なので、双眼鏡で見ると、うっすらとしたガスが存在していることがわかります。 天体望遠鏡で観察するときには、なるべく低倍率にして覗いてみましょう。

M20星雲の少し上に目を移すと、星が集まったところに気づくと思います。 バンビの横顔と呼ばれる星の集まりです。

バンビの横顔を双眼鏡で観察すると、星がきらきらした中に暗黒帯が見えていて、 左を向いたバンビの姿がわかります。 天体望遠鏡では倍率が高すぎるので、双眼鏡で観察してみましょう。

星座写真ギャラリーのいて座の写真