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しゃぼん玉星雲 NGC7635

NGC7635,Sh2-162,Bubble Nebula, NGC5457

しゃぼん玉星雲

バブル星雲

Takayuki Yoshida

しゃぼん玉星雲 NGC7635

NGC7635は、カシオペア座に位置する散光星雲です。 泡状をした星雲の形が、シャボン玉のように見えることから「しゃぼん玉星雲」という愛称で知られています。 ただ最近は、海外の呼び名に倣って、バブル星雲(Bubble Nebula)と呼ばれることが多いように思います。

星雲のしゃぼん玉状(泡状)に見える部分は、中心付近に存在する恒星からのプラズマ風によって、 形成されていると考えられています。 肉眼では大型望遠鏡を使用しても、泡構造は微かにしか見えませんが、明るいので写真写りは良好です。 200ミリ前後の中望遠レンズで写された写真でも、丸い泡状の星雲の形を確認できます。

作例写真は、焦点距離約2500ミリの望遠鏡に、35ミリフルサイズの冷却CCDカメラを取り付けて撮影しました。 全体画像の下に、しゃぼん玉星雲の部分を拡大した画像も掲載しましたので、 拡大画像をご覧いただくと、泡構造がよくわかると思います。

星雲がシャボン玉のように、丸く膨らんでいる様子は本当に不思議で、宇宙の神秘さを感じます。 しゃぼん玉星雲は、ナローバンドフィルター越しでもよく写り、 立体的に見えることからナローバンド撮影の被写体としても人気があります。 ナローバンドフィルターを用いれば、都会の空でも撮影を楽しめます。


Imaging information

撮影光学系:タカハシ Mewlon-250CRS

赤道儀:ビクセン AXD赤道儀にて追尾

使用カメラ: SBIG STL-11000M、Astrodon LRGB Gen2 I-Series Tru-Balance フィルター

露出時間: L画像=60分(15分×4)、Red画像=10分×2、Green画像=10分×2、Blue画像=10分×2
総露出時間 2時間

画像処理ソフト: ステライメージ8PhotoshopCC 2015

撮影場所: 岡山県備前市八塔寺、2020年撮影