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M52とバブル星雲付近

M52 and NGC7365

M52とバブル星雲付近

Takayuki Yoshida

M52とバブル星雲付近

M52は、カシオペア座に位置する散開星団で、上の写真の中央左寄りに写っている白い星の集まりがそれです。 M52の明るさは6.9等級前後なので、肉眼で見ることはできませんが、双眼鏡で観察すると、 秋の天の川の中に星が集まっている様子がぼんやりと見えます。 天体望遠鏡を使えば、よりはっきりと星の集まりであることがわかり、 散開星団であることを実感できるでしょう。

写真ではM52の右下に赤い星雲が写っていますが、 この赤い星雲の中に泡(バブル)の形をしたバブル星雲(NGC7365) があります。 今回は拡大率が低いため、赤い星雲の中に埋もれてしまいました。 日本では、その形からシャボン玉星雲とも呼ばれています。 焦点距離1000ミリ前後の望遠鏡で撮影すれば、バブル星雲の形もよくわかり迫力が出てきます。

この星域には、M52やバブル星雲の他にも、大型の散光星雲が広がっています。 例えば、中央右下の星雲は、その形から「クワガタ星雲」とも呼ばれています。 M52の右上にも淡い星雲が見えますね。所々に暗黒帯も走っており、 変化に富んだ星域です。カシオペア座が見頃の時期に、忘れずに撮影しておきたい対象です。


Imaging information

撮影光学系: コーワ PROMINAR 500mm F5.6 FL (マウントアダプター TX07使用, 350mm F4)

赤道儀: ビクセンSXP赤道儀

使用カメラ: SBIG STL-11000M、Astronomik Type2C LRGBフィルター

露出時間: L=90分(15分×6)、R=10分、Green=10分、Blue=10分
総露出時間 2時間

画像処理ソフト: ステライメージ7PhotoshopCC

撮影場所: 兵庫県神河町砥峰高原