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アンドロメダ銀河

Andromeda Galaxy M31

アンドロメダ銀河

Takayuki Yoshida

アンドロメダ銀河, M31

アンドロメダ銀河は、秋の星座のアンドロメダ座で輝いている大銀河です。大変大きくて明るいので、星空の綺麗な場所で見れば、肉眼でもボーッと見ることができます。 昔は天の川の中で輝く星雲の一種と考えられていたので、アンドロメダ大星雲と呼ばれていました。近年では、私たちの天の川銀河から遙か彼方にある星の大集団で あることがわかっており、アンドロメダ銀河やアンドロメダ大銀河という名前で呼ばれています。アンドロメダ銀河を構成する恒星の数は、一兆個とも言われています。

アンドロメダ銀河は、直径約13万光年と大変大きい渦巻き銀河です。我々の銀河系が約10万光年ですから、それよりも一回り大きな銀河です。 アンドロメダ銀河と私たちの銀河系、それにさんかく座のM33銀河は、局部銀河群を構成しています。その中でもアンドロメダ銀河は、最大の大きさを誇っています。

双眼鏡や天体望遠鏡でもアンドロメダ銀河は容易に観望できますが、大きな腕の広がりは大変淡いので、中心付近の明るい部分しかみることができません。 双眼鏡で覗くと雲のように白っぽく見えてきて、夜空に浮かぶ雲のような姿が印象的な天体です。

望遠鏡や望遠レンズを使って写真に撮ると、大きな渦巻きまで写し取ることができます。銀塩フィルム時代は、淡い部分まで写すのは難しかったものですが、 デジタル機材になって撮影が容易になった天体の代表格です。この写真は、大型の撮影専用望遠鏡と天体写真専用冷却CCDカメラで撮影したものです。

アンドロメダ銀河のすぐ右上に写っているのはM110という銀河です。また、すぐ左下の球状の天体もM32という銀河です。 これらはアンドロメダ銀河の伴銀河で、アンドロメダに寄り添うように存在しています。いつかはアンドロメダ銀河に吸収されてしまうと考えられています。

また、アンドロメダ銀河の腕の部分をよく見ると、赤くポツポツ光る点が写っています。これはアンドロメダ銀河の中に存在する散光星雲 で、私たちの銀河系で言えばオリオン大星雲のようなものです。もし宇宙人がアンドロメダ銀河に住んでいたら、私たちと同じようにこの星雲の写真を撮っているかもしれません。 一兆個も星がありますから、アンドロメダ銀河のどこかに知的生命体が存在しているかもしれませんね。


Imaging information

撮影機材: タカハシε250, ヘラクレス赤道儀

使用カメラ: SBIG STL-11000M, Astronomik Type2C LRGB filters

露出時間: L=120分(10分×12),R=30min, G=30min, B=30min(RGB:2x2binned)
総露出時間 3時間30分

画像処理ソフト: ステライメージ6, PhotoshopCS

撮影場所: 岡山県吉永町 2008年撮影