胎児星雲 IC1848

The Soul Nebula,IC1848

網状星雲全景

Takayuki Yoshida

胎児星雲 IC1848

IC1848は、カシオペア座とペルセウス座の星座境界線付近で輝く輝線星雲です。 星雲の形が、横たわった胎児のように見えることから「胎児星雲」の愛称でも知られています。 ブロードバンド撮影だと真っ赤に写る星雲ですが、OIII光も発しているため、ナローバンド撮影してSAO(SHO)カラー合成すると、 色鮮やかな姿の作品に仕上がります。

ナローバンド撮影は、フィルター毎に撮影時間がかかるため、 1台の赤道儀にタカハシTOA-130望遠鏡と、タカハシFC-100DZを載せて撮影を行いました。 カメラは、冷却CCDカメラのG3-16200と、冷却CMOSカメラのASI2600MMProを使用しています。 TOA-130の方が焦点距離は長いですが、G3-16200の方がセンサーサイズが大きいため、ほぼ同じ範囲が写ります。 合成には好都合ですね。

撮影した画像は、一旦、SAOカラー合成の写真に仕上げた後、 以前、八塔寺で撮影したRGB画像を重ね合わせて、星色を自然な色調に調整しました。 枚数が不足気味のため若干ノイズ感は感じられますが、胎児星雲のディテールを捉えることができたと思います。


Imaging information

撮影鏡筒:タカハシ TOA-130(TOA-35レデューサー0.7×使用)、タカハシ FC-100DZ(FC-35レデューサー0.66×使用)

望遠鏡架台:国際光器ヘラクレス赤道儀

使用カメラ:Moravian Instruments G3-16200 冷却CCDカメラ、ZWO社 ASI2600MMPro 冷却CMOSカメラ

冷却CCD用色分解フィルター:Chroma社 Hα、SII、OIIIフィルター(半値幅:5nm)

露出時間:Hα=10分×16枚、OIII=10分×12枚、SII=10分×10枚、RGBはデジタル一眼レフカメラによる別撮り

画像処理ソフト:ステライメージ9、PhotoshopCC 2020

撮影場所:兵庫県宝塚市、篠山市(OIIIの一部)、岡山県備前市八塔寺(RGB画像)、2021年撮影