網状星雲 ナローバンド

Veil Nebula、NGC6992-5

網状星雲ナローバンド

Takayuki Yoshida

網状星雲

網状星雲は、はくちょう座ε星の南で輝く星雲です。 数万年前に爆発した超新星の残骸と考えられており、今でもガスが毎秒100kmで広がっていると言われています。 網状星雲自体は淡く、天体望遠鏡を使っても肉眼では見えづらいですが、天体撮影用カメラにはよく写ります。

網状星雲は大きく東西の2つの部分に分かれており、天体撮影用カメラで撮影すると、 星雲の明るい部分が、平仮名の「い」の形のように写ります。 今回は東側の明るい部分を長焦点望遠鏡を使って、クローズアップ撮影しました。

撮影に使用したのは、タカハシMewlon-250CRS望遠鏡です。 F値を明るくするレデューサーを取付けてもF7.3と暗く、ナローバンド撮影には不適ですが、 冷却CCDカメラのハードウェアビニング機能を使って、カメラの感度を上げて撮影を行いました。

光害が多く2等星がやっと見える宝塚市内で撮影を行いましたが、 ナローバンドフィルターのお陰でコントラストよく星雲を捉えることができ、 立体感のある仕上がりを得られました。 今後もこの組み合わせで、ナローバンド撮影を楽しんでみたいと思います。


Imaging information

撮影鏡筒:タカハシ Mewlon-250CRS(レデューサーCR0.73×使用)

望遠鏡架台:ビクセン AXD赤道儀

使用カメラ:Moravian Instruments G3-16200 冷却CCDカメラ

冷却CCD用色分解フィルター:Chroma社 Hα、SII、OIIIフィルター(半値幅:5nm)

露出時間:Hα=OIII=SII=各480秒×8枚 (2×2ビニング)

画像処理ソフト:ステライメージ9、PhotoshopCC 2020

撮影場所:兵庫県宝塚市、2022年7月撮影