M45 周囲に広がる分子雲

Molecular Cloud, M45, Seven Sisters,Pleiades

M45 周囲に広がる分子雲

Takayuki Yoshida

おうし座 M45周囲に広がる分子雲

M45は、日本では「すばる」、 海外では「プレアデス星団(The Pleiades)」や「セブンシスターズ(Seven Sisters)」の愛称で親しまれている散開星団で、おうし座に位置しています。 肉眼でM45を眺めると、数個から十数個の星の集まりに見え、双眼鏡や天体望遠鏡を使えば、 はるかに数多くの星が視野内で輝きます。 高倍率にすると星がまばらになりすぎるため、低倍率で覗いた方が美しく見える星団です。

今回の被写体はM45が主役ではなく、その周囲に広がる淡い分子雲です。 撮影には高性能でコンパクトな天体望遠鏡、ビクセンFL55SSとデジタル一眼レフカメラを使用しました。 撮影途中で曇ってしまったため、当初の予定の半分程度しか撮影できませんでしたが、 淡い部分のコントラストを強烈に強調して、分子雲を表現しています。 画像は全体的に荒れてしまいましたが、分子雲の位置や濃淡を表現できたように思います。

M45周囲に分子雲を初めて撮影してのは、2004年の冬でした。 その時は、口径約10センチの光学系を使用しましたが、撮影デバイスが銀塩フィルムだったこともあり、 M45周囲の分子雲は、銀塩フィルムのムラのようにしか写りませんでした。 今回はその半分の口径の望遠鏡ですが、 分子雲の濃淡や色合いまではっきりとわかり、撮影デバイスと画像処理技術の進化を感じさせてくれます。


Imaging information

撮影光学系:ビクセン FL55SS、フラットナーHD for FL55SS+レデューサーHD5.5 使用

撮影カメラ:キヤノン EOS6D(フィルター換装・冷却改造)

赤道儀:ユニテック SWAT-350 V-specにてノータッチ追尾

カメラの設定:ホワイトバランス 手動設定、ISO3200、RAWモード

露出時間:180秒×32コマ

画像処理ソフト:ステライメージ8、PhotoshopCC 2015

撮影場所:岡山県備前市吉永町 八塔寺、2019年撮影