かもめ星雲 IC2177

IC2177,Seagull Nebula

かもめ星雲 IC2177

Takayuki Yoshida

かもめ星雲 IC2177

いっかくじゅう座は、オリオン座の東隣で輝いている星座です。 暗い星が多く目立たない星座ですが、大型の散光星雲が星座内に数多く存在しているため、 カメラを向けることの多い星域です。 作例の「IC2177」もその一つで、いっかくじゅう座とおおいぬ座の境界付近で輝いています。

IC2177は、夜空で最も明るい恒星として知られるシリウスの北東約7度の位置に輝く散光星雲です。 赤い星雲の形が、大きな翼を広げて飛ぶ鳥の形に似ていることから、「いっかくじゅう座のわし星雲」や「かもめ星雲」と呼ばれています。

作例の撮影には、口径55ミリの小型屈折望遠鏡「ビクセン FL55SS」とデジタル一眼レフカメラを用いました。 FL55SSはコンパクトな天体望遠鏡ですが、天体撮影用のフラットナーレンズやレデューサーレンズが用意されており、 本格的な天体撮影が楽しめる鏡筒です。今回はフラットナーHD for FL55SSを使用し、焦点距離312ミリ(F5.7)で撮影しました。

撮影途中で雲が西からやってきてしまったため、撮影枚数は6枚になってしまいましたが、 ステライメージ8の加算モードで重ね合わせると、それほどノイズも目立たず、星雲の淡い部分まで持ち上げることができました。 FL55SSで撮影した星像はシャープでコントラストも高く、抜けの良い作品に仕上がりました。


Imaging information

撮影光学系:ビクセン FL55SS、フラットナーHD for FL55SS 使用

撮影カメラ:キヤノン EOS6D(フィルター換装・冷却改造)

赤道儀:ビクセン SXP赤道儀にて追尾

カメラの設定:ホワイトバランス 手動設定、ISO3200、RAWモード

露出時間:300秒×6コマ

画像処理ソフト:ステライメージ8、PhotoshopCC 2015

撮影場所:岡山県備前市吉永町 八塔寺、2019年撮影