M74銀河

M74, NGC628

M74銀河

Takayuki Yoshida

うお座のM74銀河

M74銀河は、うお座のη星付近で輝く系外銀河です。 真上から渦巻きを眺める格好になるため、クルリと巻いた腕の様子が美しいフェイスオン銀河なのですが、 腕の部分は非常に淡く、口径の大きな天体望遠鏡を使っても、中央の明るい核しか見えてきません。 メシエ天体の中で、最も暗い天体の一つと呼ばれている所以でしょう。

M74銀河は1780年にメシャンが発見した天体で、 彼は「とても大きく非常に淡い。観測は難しい」と記録しています。 メシャンのすぐ後に、シャルル・メシエがM74銀河を観測していますが、 きっと当時の天体望遠鏡の性能では、M74銀河を観測するのは難しかったことでしょう。

銀塩フィルム時代は、M74銀河の渦巻きの様子を写し出すのは困難でしたが、 現在のデジタル機材なら、口径10センチ程度の望遠鏡でもうっすらと銀河の渦が写ってきます。。 この写真は、口径20センチの反射望遠鏡で撮影した作品ですが、M74のクルリと巻いた腕の様子がよくわかります。 しかし淡いことには変わりないので、できるだけ露出時間をかけて撮影したい天体です。 なお、M74銀河からは、過去に何度か超新星が発見されています。 そのような点でも、天文ファンの注目度の高い天体です。


Imaging information

撮影機材: タカハシMT-200, ペンタックスMS-5赤道儀

使用カメラ: SBIG ST-2000XM, Astronomik Type2C LRGBフィルター

露出時間: L:15分×6フレーム, RGB:各10分×2フレーム

画像処理ソフト: ステライメージ7, PhotoshopCS5

撮影場所: 岡山県備前市吉永町