ほ座の超新星残骸

Vela Supernova Remnant

ほ座の超新星残骸

Takayuki Yoshida

ほ座の超新星残骸

ほ座の超新星残骸は、南天の星座「ほ座」に位置する超新星残骸で、 約1万2000年前に爆発した恒星の名残が輝いているものです。 作例の部分には、Gum12の番号が付けられており、フィラメントが重なり合うような様が美しい天体です。 どことなく、はくちょう座の網状星雲に似ているように思います。

ほ座の超新星残骸は、南の空低くに位置する天体のため、東京での南中高度は約10度しかありません。 そのため、日本の本州からクリアに写し出すことは極めて難しく、この作品もオーストラリアまで出かけて撮影しました。

持参した赤道儀には自動導入機能がなかったため、ほ座の超新星残骸を構図に入れるのには、思っていたより手間取りました。 目視で、ほ座の超新星残骸を導入する場合は、ほ座γ星とλ星が、目印になると思います。 どちらも2等星のため、肉眼で見えますので、まず星図片手にこの二つの星を探しましょう。

ほ座の超新星残骸は、この二つの星のほぼ中間地点に位置しています。 カメラのファンダーを覗きながら、おおよその位置に、天体望遠鏡やレンズを向けましょう。 テスト撮影の後、写っている星雲や星の位置を参照しながら微調整すれば、希望の構図に合わせられると思います。


Imaging information

撮影光学系: コーワ PROMINAR 500mm F5.6 FL
(マウントアダプター TX07使用, 350mm F4)

撮影使用カメラ: キヤノンEOS6D(フィルター換装・冷却改造)

赤道儀:ビクセンAP赤道儀、M-GENにてオートガイド追尾

カメラの設定:ホワイトバランスマニュアル、ISO1600、RAWモード

露出時間: 300sec×10コマ

撮影場所: 西オーストラリア州 スプリングヒルズファーム、2016年撮影