小マゼラン雲とNGC104

Small Magellanic Cloud, NGC104, NGC362

小マゼラン雲とNGC104

Takayuki Yoshida

小マゼラン雲とNGC104

小マゼラン雲は、きょしちょう座の中で輝く星の大集団で、天の川銀河系の伴銀河です。 写真左寄りに写っている青っぽい天体がそれで、この写真でも星が集まった様子がわかります。 地球から小マゼラン雲までの距離は約20万光年。 約16万光年彼方で輝く大マゼラン雲よりも若干遠いようです。

小マゼラン雲の近くには、肉眼でも見える大きな球状星団NGC104が輝いています。 写真では右側に、中心部が飽和した星のボールのように写っています。 双眼鏡で見ると面積のある雲のように見えましたが、 天体望遠鏡で観望すれば、星が集まった様子がよくわかるでしょう。 NGC104は、ケンタウルス座のオメガ星団に次いで、全天で2番目に明るい球状星団です。

小マゼラン雲の北側には、球状星団NGC362も輝いています。 こちらの明るさは6等級と暗いため、肉眼では見ることが出来ませんが、双眼鏡なら位置を確認できました。 近くに立派なNGC104が輝いているため、NGC362星団は目立たちませんが、 こちらも望遠鏡で観望してみると面白そうです。

この作品は、天体撮影用のフィルターに換装したデジタル一眼レフカメラで撮影した写真です。 今回テカポに出かけた7月は、マゼラン雲を撮るには時期が悪かったため、 下の方が光害の影響で被ってしまいました。 それを画像処理で補正して仕上げています。 銀塩フィルムで撮られた写真と比べると、小マゼラン雲の星々が解像度良く写る反面、 マゼラン雲の中で輝く散光星雲がそれほど赤く写らないようです。 無改造のカメラで撮影するとどんな風に写るか、興味深いところです。

テカポ星空旅行記のページもご覧下さい。

Imaging information

撮影レンズ: キヤノンEF200mm F2L IS USM

使用カメラ: キヤノンEOS60D(IRフィルター換装)

露出時間: 130sec×4コマ, 2写野モザイク合成, F2.5, ISO1250

撮影方法: タカハシP-2赤道儀にてノータッチ追尾撮影

撮影場所: ニュージーランド レイクテカポ