スターバースト銀河 M82


スターバースト銀河 M82

M82は、北斗七星でお馴染みの「おおぐま座」で輝く系外銀河です。 メシエ天体の中で、天の北極に最も近くに存在しているため、日本では年中地平線に沈むことなく、 一年中いつでも見えています。 ただし、クリアに撮影する場合は、南中高度が高くなる春の時期が適しています。

M82銀河は、すぐ南で輝く渦巻銀河「M81」と共に撮影されることの多い天体です。 実際に二つの銀河の距離は約十数万光年と近く、M82銀河は、巨大なM81銀河の引力の影響を受けています。 M81銀河の重力の影響で、M82銀河にはスターバースト呼ばれる現象が起きており、 M82は、代表的なスターバースト銀河の一つとして知られています。

M82銀河を天体撮影用カメラを使用して撮影すると、銀河中心部から外側に向って、赤っぽい火山が噴火したような姿が写ります。 上の写真でもその様子が確認できますが、これは「スーパーウィンド」と呼ばれる現象で、中心部から外側に向かって、水素ガスが噴出する様子だと考えられています。 ただし大変淡いので、コントラストよく捉えようと思えば、ナローバンドフィルターと組み合わせて長時間露光する必要があります。


Imaging information

撮影機材:ミューロン250CRS、ビクセンAXD赤道儀

使用カメラ:Moravian Instruments G3-16200 冷却CCDカメラ、Astronomik Type2C LRGBフィルター

露出時間:L=15分×4フレーム、Ha=15分×2フレーム、RGB=各10分×2フレーム
(総露出時間2時間30分)

画像処理ソフト:ステライメージ8、PhotoshopCC 2015

撮影場所:岡山県備前市八塔寺、2017年撮影