三裂星雲

Trifid Nebula,M20,NGC6514

M20星雲

Takayuki Yoshida

三裂星雲 M20

M20は、三裂星雲の愛称で親しまれている天体で、いて座の中に輝いています。 三裂星雲という愛称は、星雲の中に暗黒帯が走り、 まるで星雲が三つに裂けているように見えることから名づけられました。 夏の代表的な星雲の一つに数えられる天体ですが、見かけの大きさは20′程度と、 大型の球状星団と同じくらいの大きさしかありません。

三裂星雲は北側の青い部分と南側の赤い部分から成り立っており、2つは星雲の種類が異なります。 北側の青い部分は反射星雲で、星雲を構成するガスは電離せず、恒星の光を反射して輝いています。 一方、南側の赤い部分は輝線星雲に分類される星雲で、 電離した水素ガスが存在しており、再結合したときなど生じるエネルギーで輝いています。

三裂星雲は、すぐ南で輝く干潟星雲に比べると暗く、眼視観測では思ったほどはっきり見えません。 三つに裂けた様子も小さな望遠鏡では確認しづらく、口径の大きな観望用望遠鏡で見たい天体です。 一方、写真写りは比較的良く、望遠レンズでも小さいながら明るく写し出す事ができます。 しかし、三つに裂けた様子をはっきり描写するには、焦点距離1000ミリ前後の光学系が必要な天体です。


Imaging information

撮影機材:ミューロン250CRS(レデューサー使用)、ビクセンAXD赤道儀

使用カメラ:Moravian Instruments G3-16200 冷却CCDカメラ、Astronomik Type2C LRGBフィルター

露出時間:L=15分×4フレーム、RGB=各10分×1フレーム
(総露出時間1時間30分)

画像処理ソフト:ステライメージ8、PhotoshopCC 2015

撮影場所:岡山県備前市八塔寺、2017年撮影