ふたご座流星群の流れ星 2018

Meteor by The Geminids 2018

ふたご座流星群の流れ星

Takayuki Yoshida

ふたご座流星群 2018「熊野灘 と ふたご座の流れ星」

ふたご座流星群は、毎年12月中旬に極大期を迎える流星群です。 ふたご座流星群は、しぶんぎ座流星群、ペルセウス流星群と並んで、三大流星群の一つとして数えられています。 流れ星の放射点はふたご座のα星「カストル」付近で、条件のよい年は、一時間に数十個以上の流れ星を観測することができます。

ふたご座流星群は、ペルセウス流星群のような明るく派手な流れ星が流れることは少ないのですが、 毎年安定した出現率が魅力の流星群です。 ふたご座流星群の放射点(輻射点)は、日本では天頂付近となるため、条件良く観測や撮影がしやすいのも魅力です。

2018年のふたご座流星群の極大日は上弦の月でしたが、夜半前には月は沈むので、それ以降は暗夜で撮影できます。 冬型の気圧配置で、八塔寺付近は雲が多い天気予報だったので、冬場の晴天率が高い紀伊半島南部まで撮影に出かけました。

撮影地に着いたときは、月明かりで夜空が明るく、流れ星が見えにくく感じましたが、 月が西の地平線に沈むと、周囲は文字通り真っ暗になり、暗い流れ星までよく見えるようになりました。

例年のふたご座流星群に比べると、明るい火球クラスは少なかったように感じましたが、 一時間に数十個以上は見えましたので、流星群は活発だったと言えると思います。 実際、夜空をしばらく見上げていれば、流れ星がいくつか視界に入るという具合で、 他の天文ファンの歓声も聞こえ、臨場感ある流星群を楽しむことができました。

現地では、目の前に広がる熊野灘を前景に、冬の星空から発した流れ星が海に飛び込んでいくような構図を考えて撮影しました。 デジタル一眼レフカメラをポータブル赤道儀 SWAT-350に取り付け、恒星時追尾モードで撮影しています。 撮影した画像は、星空の部分だけをパソコン上で比較明合成で重ね合わせ、 当夜の流星群の感動を呼び起こすような一枚に仕上げました。


Imaging information

撮影レンズ:シグマ 14mm F1.8 DG HSM レンズ、ソフトフォーカスフィルター使用

使用カメラ:キヤノン EOS5D MarkII

撮影条件:RAWモード、ISO5000、F2.0、60秒露光、流れ星が写った24枚を比較明合成
ポータブル赤道儀 SWAT-350にて追尾撮影

画像処理ソフト:Photoshop CC 2017

撮影場所: 三重県熊野市