出目金星雲と彼岸花星雲

NGC6357,NGC6334

出目金星雲と彼岸花星雲

Takayuki Yoshida

彼岸花星雲(NGC6357)と出目金星雲(NGC6334)

さそり座の尾付近で輝く、彼岸花星雲(NGC6357)と出目金星雲(NGC6334)を写した作品です。 どちらの天体も赤色をした散光星雲で、星雲の広がった形が、 それぞれ彼岸花や出目金の形に似ていることから、これらの愛称が付けられました。 写真の中央付近に写っている2つの星雲がそれらの天体です(左上の星雲が彼岸花星雲、右下の星雲が出目金星雲)。

どちらの星雲も写真写りは良好ですが、赤緯マイナス35度前後の天球で輝いているため、 大阪での南中高度は20度前後と低く、なかなかコントラストよく写し出せません。 星雲をクリアに写しだすには、黄砂やPM2.5の影響がない、低空まで澄み切った夜空が必要でしょう。

今回は、この低空で輝く二つの星雲を、 ZWO社の冷却CMOSカメラ「ASI2600MC Pro」と望遠レンズ「キヤノンEF200mmF2L IS USM」で撮影しました。 使用した冷却CMOSカメラには、APS-Cサイズのセンサーが搭載されているので、35ミリ換算では300ミリ程度の画角になります。 星雲が若干左に寄ってしまいましたが、二つの星雲を写し出すには、ちょうどよい焦点距離のレンズだと思います。


Imaging information

撮影鏡筒:キヤノン EF200mm F2L IS USM レンズ

望遠鏡架台:ビクセン SXP赤道儀にてオートガイド追尾撮影

撮影カメラ:ZWO ASI2600MC Pro 冷却CMOSカメラ(Clearフィルター換装)

カメラの設定:ゲイン0、オフセット50、センサー温度マイナス10度

フィルター:IDAS UIBAR-Vフィルター使用、釣糸クロスフィルター使用

露出時間:L=180秒×8枚、F2.5で撮影

画像処理ソフト:PixInsight、PhotoshopCC 2020

撮影場所:奈良県五條市大塔村、2022年撮影