天の川の中で輝く干潟と三裂星雲

M8,M20,NGC6559,Milkyway

天の川の中で輝く干潟と三裂星雲

Takayuki Yoshida

天の川の中で輝く干潟と三裂星雲

夏の天の川の中に位置する、干潟星雲(M8)と三裂星雲(M20)を写した作品です。 どちらの星雲も夏を代表する天体で、明るいため、双眼鏡で良く見えます。 干潟星雲の呼び名は、星雲の形が「干潟」に似ていることに由来します。 一方、三裂星雲は、赤色の星雲の部分が三つに引き裂かれているように見えるため、こう呼ばれています。 双眼鏡ではわかりづらいですが、口径の大きな天体望遠鏡で見ると、確かに三つに引き裂かれているように見えます。

どちらの星雲も写真写りは良好なので、天体写真初心者にも撮りやすい対象です。 今回は中望遠レンズで天の川も構図に入れましたが、二つの星雲だけなら、 35ミリフルサイズで500ミリ前後の光学系でおさまりが良くなります。

今回撮影に使用したのは、ZWO社の冷却CMOSカメラ「ASI2600MC Pro」と望遠レンズ「キヤノンEF200mmF2L IS USM」です。 使用した冷却CMOSカメラには、APS-Cサイズのセンサーが搭載されているので、35ミリ換算では300ミリ程度の画角になります。 縦構図にして、天の川銀河の明るい部分を左下に入れてみました。 このエリアは、いろいろな構図で撮影を楽しめそうですね。


Imaging information

撮影鏡筒:キヤノン EF200mm F2L IS USM レンズ

望遠鏡架台:ビクセン SXP赤道儀にてオートガイド追尾撮影

撮影カメラ:ZWO ASI2600MC Pro 冷却CMOSカメラ(Clearフィルター換装)

カメラの設定:ゲイン0、オフセット50、センサー温度マイナス10度

フィルター:IDAS UIBAR-Vフィルター使用、釣糸クロスフィルター使用

露出時間:L=180秒×8枚、F2.5で撮影

画像処理ソフト:PixInsight、PhotoshopCC 2020

撮影場所:奈良県五條市大塔村、2022年撮影