IC1805 ハート星雲

IC1805,Heart Nebula

IC1805 ハート星雲

Takayuki Yoshida

カシオペア座のIC1805 ハート星雲

カシオペア座とペルセウス座の境界付近には、数多くの散光星雲が輝いていますが、IC1805はその中でも特に大きくて有名な星雲です。 IC1805は、その形から「ハート星雲(Heart Nebula)」と呼ばれています。 上の写真を左側を上にしてみると、赤い星雲が少し歪んだハート型のように見えると思います。 地球からこの星雲の距離は、約7,500光年と考えられています。

IC1805は、Hα光と呼ばれる特定の波長の光で主に輝いているため、天体望遠鏡や双眼鏡を使っても肉眼では見ることができません。 一方、写真写りは良好で、銀塩フィルム時代から天体写真ファンに人気がある被写体です。 200ミリ前後の望遠レンズで撮影すれば、IC1805のすぐ隣に存在しているIC1848も同じ構図に収めることができます。 100ミリの望遠レンズを使えば、二重星団も一緒に写すことができ、レンズによって、いろいろな画角で撮影が楽しめるエリアです。

今回は、ナローバンドフィルターを使って、自宅からIC1805を撮影しました。 2等星がやっと見えるかどうかの都会の空ですが、ナローバンドフィルターを使って長時間露光することで、淡い星雲のディテールをとらえることができました。 なお、ナローバンドフィルターで得られた画像はモノクロですので、RedチャンネルをHα光、GreenとBlueをOIII光に設定した、 HOOカラー合成(AOOカラー)でカラー写真に仕上げています。


Imaging information

撮影鏡筒:タカハシε-160ED

望遠鏡架台:タカハシEM-200 Temma2Jr

撮影カメラ:ZWO ASI2600MM Pro 冷却CMOSカメラ

カメラの設定:ゲイン100、オフセット50、センサー温度マイナス10度

露出時間:Ha=OIII=300secX62枚、Chroma社フィルター使用

画像処理ソフト:PixInsight、ステライメージ9、PhotoshopCC 2020

撮影場所:兵庫県宝塚市、2023年12月撮影